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書店がなくなると不安だから税金での支援賛成派が多数な日本
読売新聞の全国世論調査(郵送方式)の結果が謎すぎて、15秒くらい考えてみたのですが、結局わかりませんでした。
書店が減ることに不安を「感じる」と答えた人は63%で、「感じない」は35%だった。不安を「感じる」と答えた人のうち、書店支援に「賛成」は89%で、「感じない」とした人でも、「賛成」は63%に上った。住んでいる地域で、書店が減っていると「感じる」は65%で、「感じない」は33%だった。
書店が減ることで「不便」を感じる → わかる
書店が減ることで「不安」を感じる → … 不安ってなに?
書店が減ることで感じる不安とはなにか。
厚生労働省によると、「不安とは、ある出来事や状況について心配、緊張感や恐怖を感じること」とされています。(厚生労働省)
街の書店がなくなることで、どんな緊張感や恐怖があるのか。63%もの人が感じる「不安」を、私自身が全く感じられないその事実にこそ、私は今、心配や恐怖、いわゆる「不安」を感じています。
あまりに不安なので、AI先生にまとめてもらいました。
書店が減ることで生まれる不安:
文化の喪失:書店がなくなることで、地域の文化的な催しや交流の場が減少する可能性がある。
情報へのアクセス減少:地域住民が物理的に書籍や情報資源にアクセスしづらくなる。
地域経済の衰退:書店が地元経済の一部を担っているため、その減少が地域経済に悪影響を及ぼす。
教育機会の損失:特に子どもや学生が「立ち読み」などを通じて自然に知識を得る機会が減る。
コミュニティの縮小:書店を通じた人々の交流が減り、地域のつながりが弱くなる。
本との偶発的な出会いが減る: 目的の本以外の本との出会いや、新しい世界に触れる機会が減ってしまう。
地域の情報が得にくくなる: 地域に密着した情報は、大型書店よりも地域書店の方が手に入りやすい。
文化的な交流の場が減る: 読書会やサイン会など、地域住民の交流の場が失われてしまう。
街の活気が失われる: 書店は街のランドマークとしての役割も担っており、閉店すると街全体の雰囲気が寂れてしまう。
子供たちの読書機会が減る: 子供が気軽に立ち寄れる場所が減ることで、読書習慣が育ちにくくなる。
多くの方が、街の書店にそこまでの役割を期待していたことに、驚いています。
無課金無制限立ち読み時間潰し、という無駄に長い漢字の羅列ができなくなる「不便」くらいしか思いつかない私が、浅はかでした。
私は、基本は電子書籍派。紙の本も購入しますが、すべてオンラインで購入します。リアル書店に行くのは年に1回あるかないか。行ったところで、お探しのものがあるとも限りません。リアル書店で最後に購入したのがいつなのか、何なのか、思い出すこともできません。
ですから、自力で存続できない街の小さな書店がなくなったとしても、駅ビルやショッピングモールに床面積がそこそこある大型書店が、地域にいくつか残ってもらえればいいじゃない、程度にしか思っていません。生き残れるところは、生き残るのですから。
それはともかく、国などが書店を支援するのは、これはこれで意味がわからない。
読売新聞によると、不安を「感じる」と答えた人の89%、不安を「感じない」と答えた人でも63%、全体では79%が、国などによる何らかの「支援」に賛成とのこと。
税金で支援したら、この先ずっと支援継続は必要になることは容易に想像がつきます。企業への税金での支援には手厳しいのに、書店への支援は賛成派多数というのも、また驚きです。
クロス・マーケティングが実施した調査「本屋に関する調査(2022年)」によると、月に1回以上書店(実店舗)に行く人は3人に1人。言い換えれば、3人に2人は月に1度も行きません。
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ブックストア・ソリューション・ジャパンのアンケート調査「まちの本屋さんのいま」によると、新刊書店(実店舗)・古書店(実店舗)における1ヵ月間の平均的な書籍購入金額は2,000円未満が89%。
https://bsj.voyage/wp-content/uploads/2023/02/230220_BSJ.pdf
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あまり本屋にも行かないし、本屋に行っても月に2000円も買わんけど、なくなるとマジ不安なんで、税金から補助金出して支援して、店残してといて。
という、アンケート結果だったことがわかりました。むしろ、その考え方の方に、私は今、心配や恐怖という不安を感じています。
そして、その旗振りをしている経産省が出している「書店経営者向け支援施策活用ガイド」を読んだら、延命補助金であることもわかりました。支援する側が、今後生き残るためのイノベーションとは明後日の方向を向いているのですから、仕方がありません。
書店経営者向け支援施策活用ガイド(PDF形式:3,085KB)
まぁでも、消費者も経産省も、今だけ自分だけ何とかなればいいし、自分たちが何かを切り捨てるのは避けたい、という方向にアクセル全開なのは、日本らしいといえば日本らしい。日本人は変化するのが嫌いだからね、知らんけど。
減少し続ける書店の存続は難しい課題です。取次制度など複雑な業界事情もあるので、書店側の努力だけでは解決しません。書店側も、書籍以外での売上拡大による利益確保や顧客体験など改善点もあるでしょう。書店は、この20年で半減しました。それでも全国に1万店舗以上(2023年度)あります。そもそもで、紙の書籍の売り上げも激減している時代です。書店の減少は、まだしばらく続くとしても、時代の流れなのだと思います。
っていうか、その税金で公共の図書館の予算をもう少し増やしたらいいのではないかと、、素人は思うのでした。クレーマー対策、盗難や悪戯対策、価値のある資料本や残すべき資料本の購入や保管・管理、司書さんの環境整備、、税金を投入して解決しなければならない公共施設の課題は山積みのような気がしています。
司書さん、応援しています。(図書館にはほとんど行かないけど)
私にも、なにか勧めて欲しい。(図書館にはほとんど行かないけど)
ちょっとずつ繋がっていく短編集。優しい気持ちに包まれます。