![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/108217129/rectangle_large_type_2_43bf6b8f00f93857f1d309e9939ba1dd.png?width=1200)
【他人と比較してもOK!】ただしこの条件を守らないと危険です。
こんにちは。
音楽家育成塾のこうたろうです。
本日はフリーコラムの回。
音楽家への道、演奏家への道それぞれ初学者の段階で必ず通る
他人との比較。
他人との比較は何も演奏家だけに限りません。
誰だって人と比較して
悩み、苦しみ、もがきます。
音楽だって、演奏スキルに関して『あいつと比べて・・・』なんて
みんな口に出しては言わないけど
どうしても比べちゃう。
ただし、音楽や演奏スキルに関して言えば
比較すること自体は実はいいことなんです。
巨匠:古今亭志ん生
![](https://assets.st-note.com/img/1686727246300-dRxQcOMd7K.jpg)
今では伝説的な巨匠となったビートたけしさんが幼い頃に憧れていた芸人
古今亭志ん生氏。
まさに伝説的な落語家さんですが
数々の名言を残しています。
その中に筆者がまだ学生時代に感銘を受けた言葉を一つ紹介します。
他人の芸を見てあいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じくらい
同じくらいだなと思ったら、かなり上。
うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。
初学者の頃は身近な人と比べてしまいがち。
あなたが誰かと比べて、『下手だな、自分の方がまだましだ!』なんて喜んでいる・・・
場合ではないんですね。
あなたが下手だと思うその技術は
そっくりそのままあなたの技術なんです。
真理を解説
この名言も芸の道、腕を磨き続けているとふと気がつくことがあるんです。
それは、だんだん自然と『比較そのものをしなくなっていく』というもの。
古今亭志ん生氏の名言の中では
あなたの芸が上に向かっている例というのが出てきませんよね?
つまり
誰かと比較しているうちは所詮その程度であるというわけなんです。
あなたの腕が本当の意味で上がって行った場合
『下手だな〜と思うやつがそもそも眼中に入らない、観測できなくなっていきます。』
さらに本当の意味で上がって行った場合
『同じくらいだな・・・と思うやつもそもそも眼中に入らなくなってきます』
最終的に『うまいな〜』と思う人もいなくなっていきます。
そもそも誰とも比較しなくなる頃には『うまいな〜と憧れていた人』も
客観的に『素晴らしいな』とただただ鑑賞できるようになってくるわけです。
演奏家必見の比較三原則
誰かと比較するな!
音楽は芸術、芸術とは己の道である!
なんてのは、演奏スキルが及第点を超えてからの話です。
初学者から上級者になるまでの間は思いっきり誰かと比較してください。
ただし・・・注意点があります。
この注意を守らないと
あなたの自己肯定感は下がるし
何もいいことはありません。
1、必ず遥か彼方の人と比べる
比較するときは、必ず遥か彼方の人と比較してください。
その辺の友達や同級生、レッスンの先生レベルではだめです。
ピアノで例えるなら
現役であればバレンボイムやアルゲリッチなど現代を生きる伝説級の方。
偉人ならミケランジェリなど。
当然、比較してもうまいな〜どころか
比較のしようがないんだけどな・・・
という感情になってしまうと思います。
それでいいんです。
そこをあなたの演奏スキルのとりあえずのゴールにしてください。
現状では想像のつかない場所にゴールを設けることで
あなたの無意識が自然にそのレベルのスキルを安定して感じられるように
自動的に練習内容や練習効率が変わってきます。
ちょっとうまい先輩や、レッスンの先生に憧れてはダメ!
そこを目標にしてしまうとそこに限界ラインができてしまいます。
成長スピードも無意識下で伸びていきません。
このマインドはとても大切なことなので肝に銘じておいてください。
2、下手だな〜と思う人を見つけた時
あれは下手だな〜と思う人を見つけた時
激しく反省してください。
あなたの自己肯定感は劇的に低下していますし
あなたの世界観にその下手だな〜と思う人のレベルが入り込んでいます。
よくいるのが、あえて自分よりも下手な人を探したりして
『自分を安心させる』というマインドの人がいます。
こういう人はいつまで経っても成長しません。
自分よりも下手な人を見つけられる、観測できてしまうということは
あなたは今下を見ているということです。
激しく恥じて反省し、今すぐ上を向いて歩いてください。
観測しているということは
間違いなくあなたは今同じレベルにいます。
3、他人の目を気にしない
音楽家、演奏家の初学者の中には他人の目を気にする人が本当に多いです。
他人の目が気になるようでは
人前で自由で思い切った表現なんてできません。
寄席は学校じゃねぇんだ。
間違えたって、直したりしちゃいけねぇ。
そのまま通しちまうんだ。
自分が身近な誰かと比較しちゃっているもんだから
自分だって誰かから比べられてるんじゃないだろうか?
陰口や悪口言われてるんじゃないだろうか?
そんな心配をして何になるというのでしょうか。
三原則の一つ目、あなたが常日頃から遥か彼方の人と比べていると
こんな悩みも起こりませんよね。
人前に経つ(演奏する)ということは
どんなにあなたが誰かのために音楽を制作、演奏してたとしても
常に石を投げられるリスクにさらされているということです。
石をぶつけられる覚悟のある人だけステージに経ってください。
あたしはちょうど、うちにおったなめくじみたいに、切られようが突かれようがケロンとして、ものに動ぜず、人に頼らず、ヌラリクラリと、この世の中の荒海をくぐり抜けて、やっとこさ今日まで生きてきたんですよ。
そして世界中のどこの誰、どんな人があなたにどんな感想を持とうが
気にしないでください。
ただし、お客様からの改善点やダメ出しは真摯に受け取りましょう。
そして、意外な落とし穴をシェアして今回のコラムは終わりにします。
意外な落とし穴とは・・・
意外な落とし穴とは、『称賛の言葉』も気にしない。
ということ。
他人の目を気にしないということは称賛の言葉さえ気にしてはいけません。
これはあなたの成長にとって非常に大きな障害になります。
やっぱり音楽や芸術は誰かに見てもらうことが大前提ですし
自己表現の究極系です。
誰かに褒めてもらったら嬉しくなりますよね?
モチベーションも上がりますか?
そんなことでスキルアップのモチベーションが上下するようではいけません。
称賛の言葉をもらったら
『あなたを見たら褒めるプログラムがされている人工知能ロボット』
だと思いましょう。
常にレジェンドとだけ比べていれば
称賛の言葉なんてあなたが受け取ることはないはずです。
そしてあなたがいつの日か
レジェンドたちの演奏をただの同業者として楽しめる日が来ることを願っています。
では。