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富士登山への道 天狗岳を登る

富士登山のお誘い
トライアロン仲間のSさんのお誘いで、今年の夏に富士山を登ることにした。トライアスロンは30歳から63歳まで現役だった。だから厳密に言うと元トライアスリート仲間だ。

富士山は若い頃、富士登山競走で富士吉田の役所からスタートして頂上の鳥居まで登っている。さらに五合目まで下っている。
登頂時間は25キロで4時間14分だった。でもそれは遠い昔の出来事だ。
今や心臓を一度壊した爺さんである。心配する家族がいる。

「安心してください、ガイドさんつきます」
と言って了解を得た。
Sさんとはとりあえず足慣らしに、南高尾稜線(20キロ程度を5時間半)を6月4日に歩く。そこでアサギマダラを見つけた。この地では珍しい。
「運が向いているぞ」と私は感じていた。

北八ヶ岳 天狗岳
ガイドさんの指導で、高度馴化の練習、近場の2500m以上の山へ日帰り登山をすることになった。
私は「長野県八ヶ岳の天狗岳(てんぐだけ)標高は2645m」の登山を希望した。
そもそも八ヶ岳周りが好きで、30年程通い続けていたが、一回も山へは登ったことがない。いい機会だった。

天狗岳の説明
八ヶ岳連峰は、なだらかな稜線の北八ヶ岳、急峻な地形の南八ヶ岳に大きく分かれる。
天狗岳はエリア的には「北」に属しているが、その両方をミックスした自然環境が見られる。日帰りしやすいコースタイムでもあるので、八ヶ岳の中でも特に人気の山。
だそうだ。
唐沢鉱泉を起点とした「唐沢鉱泉~西天狗岳~東天狗岳~黒百合ヒュッテ」の周回コースが初級者向け。
山行時間: 距離 8km、約 6.5 時間(休憩含まず)獲得標高は1000m越える。

天狗岳の登山地図

7月20日朝6時に調布を出発。中央フリーウェイは夏休みに入り朝早くから渋滞気味だった。

唐沢鉱泉を出発
唐沢鉱泉に綺麗な温泉宿があった。温泉だけの利用は午後3時までだ。
行程的に3時までには戻れない。今回は諦める。でも基本火山地帯なので、近所に他の温泉施設はあるようだ。

唐沢鉱泉の温泉宿

9時10分位に登山開始した。
分岐点など要所点までのコースタイムが登山地図には記載されているが、このタイムを決めたパラメータに関してよく知らないので、調べたみた。

コースタイムは3~4時間までが初級者向き
6~7時間が中級者向き
8時間を超えると上級者向き

コースタイム
『山と高原地図』(昭文社)では、「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定をしていると表記されている。

経験度、装備、天候や登山道の荒れ具合とか他のパレメータも多いので、あくまでも目安となる。

唐沢鉱泉からは苔の森
樹林帯は苔むした岩が多い場所で、登山開始10分の所で、Sさんがちょっとしたミスで苔で滑り転倒した。岩に肩や胸をぶつけてしまう。
「ビックリした」どうなるかと思った。

その時点では、Sさんは痛みも酷くなく歩けるという。
たぶん骨折はないだろうということで、登山を続けた。
もののけ姫みたいな苔むした神秘的な地帯が続く、岩もゴロゴロしているが、軽快に登っていた。

苔むした山道

西天狗と東天狗
樹林帯を抜けると結構な岩場が続く、私としては経験したことない登りが続いた。それでも登山している気分になり楽しかった。

岩の丸印を目処に登る

山頂は雲が多かったが、硫黄岳、横岳、赤岳など南八ヶ岳を見ることが出来た。こんな近くで見た事はなかったので感激した。

南八ヶ岳

西天狗と東天狗を登り終わり、今度は岩場を下る。緊張する。滑落事故も多い場所だと聞く。

ガレ場を慎重に下る

黒百合ヒュッテ
黒百合ヒュッテに到着、やや時間は遅れていた。下りの方が遅い。素人丸出しだった。

黒百合ヒュッテ
岩も大きく滑り易い

下山
黒百合ヒュッテからの樹林帯は沢沿いなのか、苔むした岩が濡れており、足場が怖い。また足もつり気味でドンドン遅くなる。
ちなみに長年の競技人生で、膝の半月板はかなり摩耗している。
さらに3年前のトレランで左膝と足首を痛めた。また昨年右足首を散歩中に道路の凸凹で捻挫している。
一応治ってはいるが、爆弾を抱えている気分なので無理せず歩く。
到着、怪我無く戻ってこれた。コースタイムは記載より微妙に長く、1時間遅れだった。

飛び石感覚だが滑る

ちなみにガイドさんが後半、打った箇所の痛みが強くなったSさんのリュックを代わりに担いでいた。
何というパワーだろうか。

二つのリュックはこう担ぐ
冷たい温泉

後日談
Sさん、後日病院にいくと肋骨にヒビが入っていたそうだ。
それは痛いはず、私達に気を使って頑張ったとしたら、大変もうしわけない。
結果としてSさんの怪我は全治90日となり、8月の富士登山は中止となった。
つまり今年のチャレンジは終了した。

ULH(ウルトラ・ライト・ハイキング) 
今回、私もアウトドア暦は長いので少し考えて準備していた。
富士登山レース、最長70キロのトレラン経験はあるが、ほぼ本格的な登山経験はない。
つまり重たいリュックを担いで歩いたことがない。
おそらく担ぐ馬力はない。

そこでULH(ウルトラ・ライト・ハイキング)を参考とあうる。
つまり担ぐモノを軽くするしかない。
まず登山靴も比較的軽量な紐を上手く結べないので、BOAシステムにした。
リュックもモンベル最軽量 500gの40Lとした。
荷物を計量化して、ベースウエイトで5キロ以下となった。

装備

しかし、今回その効果があったかどうか不明、考えてみればそれを判断出来るほど経験がない。
ただトラブルはなく負担にはなっていなかった。

反省など
今回思ったけど、それなりの登山はキツかった。また自転車(ロード練習)練習と同じで、単独での行動はリスクが2倍となる。
安心出来る相棒か経験者と同行するのがベストだ。


山頂は小海町だった


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