【 保存版 】ヴィム・ホフ・メソッドの呼吸法のやり方、実践法。 ヨガや瞑想にも活用できる?
この瞑想する人noteでもしばしば触れているヴィム・ホフ・メソッドの呼吸法の実践についての簡単な要約。
関連note:ヴィム・ホフ・メソッドとは? 呼吸法、効果、心身への影響や危険性についても
今日では世界中で、ヨガや瞑想、スピリチュアル、、、などの界隈でも興味を持つ人が増えているようですね。
そもそもヴィム・ホフ Wim Hof(アイスマン) さんも、けっこうスピリチュアルな人のようだし。
私としては、このような呼吸法について気軽に触れるのは、その心身への特有の作用ゆえに躊躇するところもあります。
しかしネットでもこれについての多くの記事が見つかり、情報が錯綜としつつあるので、できるだけ簡潔にまとめてみました。
良ければ手軽な保存版として参考にしてください。
ヴィム・ホフの呼吸法のやり方
注意事項があります。リスクについては必ず知るようにしてください。
何らかの身体的、精神的な懸念がある場合には医師に相談するようにしてください。
【やり方】
1.あわてず力まずに、大きく吸ったり吐いたりを30~40回繰り返す。
2.吐いた後に息を止める(ヨガで言うクンバカ)。
3.苦しくなったら息を吸って、(ここでも息止め・クンバカをするというやり方も)吐く。これまでが1セット。
これを3~5セット。
・おさえるべき要点
ヴィム・ホフの呼吸法には要点、コツがあります。
それは、、、
・できるだけ大きく呼吸すること
・呼気はていねいに、しっかりとはくこと
、、、です。
(しかし実践にあっては無理せず力まないでください)
呼吸法には腹式呼吸、丹田呼吸や、ヨガのプラーナヤーマ(呼吸法)でもカパーラバーティやバストリカなどがあります。
それらとは違います。
イメージとしては、肺の下から上まで広い範囲が膨らむように大きく吸い、ていねいに、しっかりと吐くというものです。
なぜこのような大きめな呼吸なのかと言うと、以前のnoteで述べましたが、これはスタニスラフ・グロフのホロトロピック・ブレスワークと同様に、「呼吸性アルカローシス」が密接に関係するものだからです。
(なので他の健康目的の呼吸法と比べても特有のリスクがあります。)
以前のnote↓↓
「大きく吸ったり吐いたりを30~40回繰り返す」という呼吸法自体も、心身への刺激があり効果があるのだと思われます。
しかし、この呼吸法の明確な標的は「呼吸性アルカローシス」です。
この状態を作り出すために、大きめの呼吸でしっかりと吐くというのが効果的なのです。
大きめの呼吸を繰り返すのは体力的にも負担があるので、力まないようにして、そしてうまく加減するようにしてください。
リスクについて(注意事項、禁忌)
ヴィム・ホフの呼吸法とは、要は上述したように、ヨガのプラーナヤーマの「クンバカ」を取り入れた、「呼吸性アルカローシス」を引き起こす「意図的な過呼吸」というものです(語弊がある表現かもしれません)。
なのでリスクについて考えるときは、「クンバカ」「呼吸性アルカローシス」「過呼吸」にまつわるリスク、注意事項、禁忌がそのまま、ヴィム・ホフ・メソッドの呼吸法にも当てはまります。
ネットに出回る記事などには、気軽な健康法として触れられているものもありますが、もうちょっと真面目に考えた方がいいんじゃないでしょうか。
リスクについて以下を参考に、さらに各自でもしっかりと調べることをすすめます。
・ハイパーベンチレーションによるブラックアウト、失神
呼吸性アルカローシスによって気を失うということがありえます。
つまりハイパーベンチレーションによるブラックアウトのことです。
脳が酸欠になって失神するんです。
ヴィム・ホフの呼吸法について書かれたものには「酸素が全身すみずみにまで行き渡って健康になる」といったものがあります。
しかし実際には、呼吸性アルカローシスでは脳の血管を含めて、血管の多くが収縮します。
呼吸数も抑制されます(なのでクンバカの時間がのびる)。
二酸化炭素が脳の呼吸中枢を刺激する作用が弱まるので、結果として脳が酸欠になって失神するリスクがあるのです。
そもそも一般的には体内の酸素量はすぐに飽和状態になります。
ためしにこの呼吸をやってみて、パルスオキシメーターで確認するとよいでしょう。
大きな変動は無いと思います。
さらに、酸素を大量に取り込むことができれば健康に良いという考えがみられるのも、どうなんでしょうか。
フリーラジカルのこととかありますし、やっぱりフツーでいいんじゃないでしょうか。
日本国内では分かりませんが、海外では実際に重大な事故もあるようです。
水風呂など寒冷訓練とあわせておこなって、意識を失って溺れてしまうとか深刻な低体温症、、、などです。
・その他、血管系、けいれん、禁忌など
大きめの呼吸を用いるので、呼吸器他に負担がかかります。
またアルカローシスなど神経生理の状態に影響があるものなので、内臓や内分泌の疾患などで、代謝系に問題がある場合には医師に相談した方が良いのではないでしょうか。
あと、てんかん(癲癇)などがある場合には禁忌とされていたはずです。
心臓、血管、血圧、眼圧にも影響があります。
特にクンバカが用いられるので要注意です。無理はしないようにしてください。
呼吸性アルカローシスによって、血中のイオンのバランスが崩れて、神経が興奮しやすくなります。
それによってけいれん(痙攣)が生じることもあります。
精神的な問題がある場合も禁忌に該当しないか要注意です。
そもそもこの呼吸法は過換気(過呼吸)です。
ちなみに、同じように過呼吸・呼吸性アルカローシスを用いるホロトロピック・ブレスワークでは、意識の内にため込んでいたものがあらわれ、前後不覚になって暴れる人がいるので、サポートする人が必要とされています。
また幻覚を体験するなどもありえるとされます。
このような呼吸法の脳活動への影響については、私はほとんど正確なことは分からないのですが、ひょっとすると、前頭葉など新皮質のいくつかの領域の活動は抑制され、相対的に、「情動系」―― 辺縁系や側頭葉、内分泌・自律神経系、、、――などのいくつかの部位領域については活動が駆り立てられ、高まることがあるのかもしれません。
ヴィム ホフ メソッド | 安全情報
実はヨガのプラーナヤーマ(ムドラー)
ヴィム・ホフ氏が参考にしたかどうかは知らないのですが、この呼吸法はヨガのプラーナヤーマだといえます。それもけっこうマニアックなものです。
ヨガや瞑想の界隈では有名なスワミ・ヨーゲシヴァラナンダ師の『実践・魂の科学』だったか『実践 ヨーガ大全』だったかに紹介されていたはずです。
(他の書籍だったかな?)
日本のヴィム・ホフ・メソッドの実践者には、ほとんど知られていないのではないでしょうか。
これは生命エネルギーなどを扱う密教系の呼吸法です。
ヨガの正式なやり方ではもっと心身に負担がかかる方法です。
座法を組み、クンバカだけではなくて、バンダもなされてムドラーとして実践されます。
関連note:【ヨガの分類②】クンダリーニ系ハタ・ヨーガ。瞑想やムドラーを重視する密教のヨーガ
そしてこの呼吸法を好んだとされるのが、かのオウム教団です。
ヨーゲシヴァラナンダ師の書籍では、この呼吸法は20回だったか30回だったか、それ以上はするなと注意書きがあったはずですが、オウム教団では数時間やり続けることもあったようです。
ヴィム・ホフの呼吸法をやってる人は、ヴィム・ホフというオランダ人を通して、知らず知らず内にオウム教団の修行にあったのと同じものをやっているということになりますね。
なんの因果でしょうか。
ちなみにですが、健康系ヨガの情報では触れられないマニアックなプラーナヤーマで、呼吸性アルカローシスを強く引き起こすものが他にもあります。
そのうちの一つは胸式呼吸をメインに用いるものなのですが、潜在意識・深層意識があらわれてきやすいので、かたわらでサポートする人が必要などといわれるものです。
このプラーナヤーマの方がヴィム・ホフの呼吸法より、スタニスラフ・グロフのホロトロピック・ブレスワークに近いのかもしれません。
グロフがこのヨガのプラーナヤーマを参考にしたかどうかは知りませんが。
この胸式呼吸でアルカローシスを引き起こすプラーナヤーマも、オウム教団で行われていたようです。
ヨガや瞑想との関係
述べたようにこの呼吸法は、ヨガのプラーナヤーマです。
それも生命エネルギー系のマニアックな実践でなされます。オウム教団みたいに。
チベット密教のツンモという行法でも、何種類かの呼吸法が用いられるようですが、その一つにヴィム・ホフ呼吸法のような強めのものがあるようです。
瞑想の前に何回かこの呼吸法を行えば、瞑想に役立つこともあるかもしれません。
この呼吸法によって生じる意識ー神経生理の状態が、いくつかの瞑想法に適したものかもしれません。
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