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静岡のお茶染めから生まれる循環の輪

静岡市のカフェ、GOOD TIMING TEAにお茶染め「Washizu.」さんの展示を見に行った。冷たい緑茶とパウンドケーキをいただきながら、風に揺れるのれんや天井に飾られたテキスタイルを眺める。和風っぽい店内のインテリアとお茶染めの渋い色合いがよく合う。

風に揺れるのれんが涼しげ
濃いグレーで統一感がある

展示を見ていたら、カフェの店員さんがお茶染めについて説明してくれた。自分たちのお店で排出した茶葉がどのように使われているかを実際に見せられる場所があるのは良いことだと思う。

本製品は製造工程で出る商品にならない茶葉を染料として使用し、型染めという技法で一枚ずつ染めています
染料として煮出した後の茶葉は堆肥として加工され循環して行きます

お茶染めコースターの商品説明書より

お茶染めを知ったのは、今年1月に開かれたWashizu.代表、鷲巣恭一郎さんの講演会とワークショップ。鷲巣さんは伝統の「駿河和染」の技術を生かし、「捨てられてしまうものを有効活用してモダンな色柄のアイテムにするのはもちろん、お茶染めを文化にしたい」と話していた。

ワークショップでは手ぬぐいに好きな形の木版で糊を載せた。ランダムだったり、規則的だったりと参加者によって個性が出るのが面白い。後日仕上がった手ぬぐいが自宅に郵送されてきた。木版の押し方や糊の量によるのか、良い意味でイメージとは違う仕上がりになっていた。

木版をスタンプのように押して糊を載せる
ワークショップの手ぬぐいが完成。こすれたような部分も味がある

展示を見た後、しばらく読書しながらお茶をしていたら、隣の席にいる女性がたまに行くカフェの元店員さんだと気付いた。お茶染めのポーチをすでに手に入れていてうらやましくなる。私が購入したのはコースター。手ぬぐいやポーチ、ストールなどの雑貨も渋くてかっこいい雰囲気が新鮮で、色々な用途に使えそう。

ダルマの絵がかわいい

お店では商品にならない茶葉が染料となり、素敵な染め物になる。私たちはその染め物を生活に取り入れることができる。静岡の特産品であるお茶を通じて、染色工房とカフェとお客さんの間に良い循環が生まれている。色んな形で楽しみながらその輪に参加できるのがうれしい。

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