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――どうしてここへ来てしまったのだろうか。 ザァザァと、壮大な音がする。私は何か悩み…
《藤原くん》 ※第6章の間に起こった話です。 裏庭の大きな木の下で、望月君と話している時…
「や、やめて!」 璃子がペンダントを放り投げようとした。 そのとき、窓から璃子の腕をつか…
どうやら由梨と望月君はよくメールしあっているらしく、よく私の話を聞かれたそうだ。 「あた…
望月君の家庭教師になって2か月、中間はあまり上がらなかったことで落ち込みながらも必死に勉…
長い夏休みも終わり、2学期が始まった。 初めての課題テストも90点代。同じ学年の人たち…
「ねーねー、1組の日高夏美って知ってる? あの子期末90点以上とって委員長になったからって優等生子ぶってんだって。うざくない?」 トイレに入れば私の悪口が聞こえる。しかも7組の女子達。 いや〜ほんっと女って恐い。このセリフ何回言ってるんだろう。 私はこの頃いろんな噂をされる。優等生子ぶってるとか、男たらしだとか……。 羨ましがってるだけかい可哀想な奴らだわ。 でもそんなことは今日で終わり。明日から夏休み! なんだか今まで縛られてきたから解放された気分。う
「~♪」 鼻歌を歌いながら学校に向かう。 色々とスッキリしたせいで、逆にテンションが高…
由梨と拓斗 〈拓斗side〉 偶然塾で隣になった、秋月由梨さん。 中学生になり、母親に勧めら…
「ちゃんと成績上げなさいよ!」 「はいはい、わかってるって。行ってきまーす!」 今日か…
「ヤバいちこくする!!」 私、日高夏美。 月見ヶ丘(つきみがおか)中学の1年生。入学した…
今日は彼女とお家デート。 俺の彼女、マリアのキッチンは日本に売ってないであろうシリアルや…
あたしは一つ、嘘をつきました。……ってまあ、宣言したところで「何が?」って話なんだけど…
“私”はあたしが嫌い。 あたしは朝食に大好物のアップルパイを食べ、ピンクの細リボンで一本のゆるふわ三つ編みを結い、艶やかな焦げ茶色のローファーを履いて家を出た。隣では同じ顔、同じ格好————あたしはメガネをかけてないけど————をした彼女が、退屈そうにスマホの画面を眺めながら歩いている。 双子の姉。大人しくて真面目な、見た目こそはあたしと瓜二つだけど、あたしと違って世間から期待されている優等生。学年トップを独走中、運動は苦手らしいけど、成績表では全教科、体育も最高