ぺんだんと 番外編2 作:Erin

《藤原くん》

※第6章の間に起こった話です。

裏庭の大きな木の下で、望月君と話している時にいつも邪魔する奴。

望月君の友達なのだろうけど、その中のある人が少し怖い。

そいつの名前は『藤原颯馬(ふじはらそうま)』

彼が望月君を呼ぶたび、私は物陰に隠れているが、そのたび目が合っている気がする。

そんなある日・・・・・・

いつもの時間に裏庭に行き、お弁当を開く。その数分後に望月君の足音が聞こえた。

いつものように顔を上げて「やっほー」と挨拶した。けど、

「藤原君……?」

そこにいたのは藤原君だった。

もう目が合っている気がするじゃない。完全に目が合ってしまった。

「一組の日高だよな?」

「あ、はい」

「いつもここに居るよな、瞬と」

「あ、はい」

バレてたか。

やっぱり目が合っていた事は確かだったのね。

しまったと思いながら俯くと藤原君が私の隣にドカッと座った。

待ってそこは望月君専用だから座らないで。

と言いたいところだったが何故か怖くて言えなかった。

「いつも二人の邪魔してごめん」

「……えっ」

そして何故か藤原君に謝られる。

確かに邪魔されて少しイラついてたけど、そこまで気づいていたとは。

タッタッタ

少し経つとまた足音が聞こえてくる。次こそ望月君かな。

その足音を聞いた藤原君はヒョイと立ち上がり、大きな木に手をつく。

「じゃ、頑張って」

何に対しの頑張ってかはわからないが、そんな台詞を言って去っていった。

「日高!」

丁度藤原君が完全に見えなくなったところで望月君が私を呼んだ。

「テスト全部帰ってきたぞ!」

その無邪気な顔から、良い点数が取れていると私は確信した。