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露地
露地(ろじ)は茶室と同じぐらい大切なものである。茶室はそもそも市中の山居と千利休が表現したように山深い里にある庵(いおり)に見立てられ植栽や苔を愛でながら曲がりくねった道を歩いて茶室の躙口に辿り着く、そのプロセスが日常から脱却し古の時間と空間に包まれるために必要なものとなる。
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露地に色は必要ない。花は茶室に入って床の間に飾られたものを目にした時の感動のために残しておく。花のない緑の路地を歩く深山幽谷(しんざんゆうこく)のイメージで作られる。
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深山幽谷とは、「深山」は、深い山奥。 「幽谷」は、深くて暗い谷間。人里離れた深い山奥の、ひっそりとした薄暗い谷あいでだれも足を踏み入れていない、静かで奥深い自然のさまをいう。
そして中潜りや枝折り戸が結界とされ、結界を通り抜けていくことでより浮世とは離れた茶の湯の雰囲気を楽しむのだ。
待合から露地に出て、外露地にある外待合でこれからの茶事に思いをはせ、枝折り戸を通り内露地に入る。茶室に入る前には手水(ちょうず)で清め、躙口を入る。狭い躙口はまさに別世界への入り口のようである。
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現代ではなかなか昔の茶室のように広い露地を取ることは難しいがそれでも小さくてもいいので外の景色が極力見えないような工夫をして露地は設けたいですね。