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”社内広報って何じゃ?”@でんこラボ勉強会レポート

"社内広報って大事だよね”とよく言われます。

一方で、どうして大事なのか、社内広報ってこういうこと!と自分の会社に置き換えて話せる広報さんはどれくらいいるでしょうか?

ということで、先日でんこラボメンバー11人で「社内広報勉強会」をしました!

今年もあと1日。社内広報について考えてみてはいかがでしょうか?

第1回目のテーマは・・・
”社内広報って何?
自分なりの定義を整理しよう”


(大作のためサマリーを先に)

・社内広報とは、従業員全員を広報パーソンにする活動である。
・社内広報で重要なのは、会社のイメージ基盤である”文化”と”風土”の醸成
・まずは自社を知ることから。
 ①独自性=会社の考え方や方針を知る
 ②コミュニケーションの様式を知る
 ③社会や時代の流れを知る
・サクッと自社の社内広報を語れるようになれば整理は完璧!
・社内報は、唯一自画自賛できるツール。
・社内広報に興味を持ってもらうためには、
 -取材数を増やして興味を持つ人を増やす
 -たくさん社員を登場させる
 -社員協力が必須、人事と協力関係を
・サイレントマジョリティの声をどう拾うか


参加メンバーの感想はこんな感じ

社内広報を軽く見ていた!現場にいない広報になっていることを猛省。”
広報は広報担当がするもの!という固定観念から、全員で企業イメージを作っていかねばならないことに気づいた。”
企業によってカルチャーが違う。だから現場に足を運んで捉えることが、社内広報のスタートとして重要だと再確認”
愛を持って向き合えるか、その姿勢が伝わっていくと感じました”
「全員が創業者精神である」という言葉、響きました”

今回の先生はこの人

社内広報コンサルタント 中村 圭祐さん
大手印刷会社のディレクターとして販促物の企画制作に携わり、その後台湾に渡って現地の出版社で雑誌のアートディレクションを行う。帰国後にフリーランスデザイナーとして独立した後、日本ビジネスアートに入社。働く人をクリエイティブのチカラで元気にしたいという思いで、社内報や会社案内などのコーポレートコミュニケーションメディアの開発、開発、制作を支援。2018年、株式会社Flagship&Unitedを設立を設立。現在は社内広報・コーポレートコミュニケーションのコンサルティング、企画支援を行う。

テーマとゴールはココだよ。

中村さん)今日のポイントはこちらです。

<テーマ>
①社内広報って何?=従業員を全員を広報パーソンにする活動
②社内広報って何をすればいい?=独自性と、人と、社会を知る


中村さん)で、いきなりゴールですが、ここを押さえれば今日はOK!

<ゴール>

サクッと誰かに語れるようになること!


全員)はい先生!!!

はじめに、
広報の役割について改めて。

広報の役割は、
”自社が社会からなくてはならない存在であると認め続けてもらうためにステークホルダーに認めてもらいたい企業イメージをつくること”

では、一般的に「社内広報」って?

社内広報には、様々な意義がある。
(1)企業理念やビジョンの浸透・維持
(2)経営情報の共有、企業目標の認識・実行
(3)職場間の相互理解
(4)企業の活性化・意識改革・モチベーションの向上
(5)社内の風土・文化の醸成
(6)企業と社会の信頼関係構築への啓発(コンプライアンスの徹底やリスク管理なども含めて)

これらの最終的な目的は、従業員一人ひとりが社会の一員としての役割を果たすために必要なマインドの醸成と企業の持続的な発展といえよう。
引用:企業広報プラザ


社内広報で重要なのは、
会社のイメージ基盤である
”文化”と”風土”の醸成

中村さん)まずは今日の1つ目のテーマ「①社内広報って何?=従業員を全員を広報パーソンにする活動」についてです。

日常の業務を超えて、会社としてより良い方向になるように考える人は広報パーソン。こういった人を増やし、共に会社の基盤を作っていく。

 目指すは、”全員が広報パーソン"
(広報は、広報担当者だけでやる仕事ではないのです。担当者は旗振り役のイメージ)

具体的に何をすればいいの?
自社の社内広報のヒントを見つける
”3つの知るポイント”。

中村さん)今日の2つ目のテーマ「②社内広報って何をすればいい?=独自性と、人と、社会を知る」についてです。

①独自性=会社の考え方や方針を知る

中村さん)「成長ステージ」「業務業態」「組織形態」によって捉える視点、課題、アクションは異なります。まずは自社がどこに属しているかを把握しましょう。

今、あなたの会社はそれぞれ、どこに位置していますか?

<成長ステージ>
・起業:この頃は、未成熟な組織管理ではあるものの、少人数であるため、社内コミュニケーションはスムーズ、家族思考。
・共同体:組織の細分化が始まります。同時に、創業者との1on1のコミュニケーションの頻度が減ってくる時期。企業の成長に応じて従業員の認識は安定化傾向が生まれる。
・公式化:組織が細分化され、制度やマニュアル、誰でもできる仕組み化が進む。同時に組織間に壁ができてくる。
・成熟:分権化、権限委譲、分散。意識が一本化しない。どんな風に商品が出来上がっているかを知らない社員が出てくる。従業員向けのCMを作ったり、コーポレートブランドの浸透、創業者物語を社内広報する企業が多い。

<業務業態>
・BtoB:
指揮命令系統が明確だが、セクショナリズムが強い傾向あり。
・BtoC:指揮命令系統はBtoBよりもゆるく、ブランド意識が強く一見一体感はある、営業と技術が対立する傾向がみられる。
・商社:ダイナミズム、ハイクラスなので知的欲求が高い、一方で体育会系でもある
・店舗経営・運輸・金融:全国規模、非正規雇用社員も多い
・IT:自由な組織


<組織形態>
・職能機能別:
営業と技術などいる、コミュニケーション難しい
・事業部制:プロジェクトと管理の上司が異なり若手が混乱、管理者の忖度が課題
・カンパニー制:外向きのパワーが働く、それぞれのカルチャーが醸成されていく

②社員の自分ごとにしてもらうための、コミュニケーションの様式を知る

中村さん)企業の考え方を把握したら、今度は仕事内容と、個人のタイプ、価値観に共通項を見出すコミュニケーションを探していきます。コーチングに近いことかもしれません。例えば、以下を参考にしてみてください。

▼個人のタイプ
コントローラー:周りに与えた影響を伝える
プロモーター型:人前に褒められる、日本一が嬉しい
サポーター型:すごい助かったが嬉しい、感謝(お客様の声)
アナライザー:成果による具体的な評価

▼個人の価値観
1945年頃生まれ:高度経済成長:保守的、組織への忠誠心が強い
1970年頃生まれ(バブル):成功とか野心、反感、組織に忠誠心まだある、モノは自己表現のシンボル
1985年頃生まれ(就職氷河期):個人やチームの考えが強い、ものの価値観が異なる
現在:インターネットネイディブ、合理的な消費

▼企業の価値観
1945 高度経済成長:富国強兵
1970 バブル:生活水準の向上
1985 就職氷河期:生活の利便性の向上
平成 安心で快適な暮らし
今 ネット:新しいライフスタイルの創造、ITを活用して実現できなかった、ITで見直す

③問題意識を共有するために
社会や時代の流れを知る

中村さん)最後の3つ目ですが、社会と企業のキーワードは密接に関わっていると考えています。これは、個人的にまとめたものですが、ご参考になれば。2019年分は予想ですが、どうなりますかね?

(先生の社内広報熱がすごい…!)

2008:コンプライアンス
2009:原点回帰(2008年リーマンショック、業績低迷)
2010:一体感と連携(不景気、自分たちがまとまって解決しよう)
2011:絆づくり(震災)
2012:ローコスト(震災を乗り越えて、復興に向けて、不景気打破のためにグローバル化をどうしていくのか、会社にいかにキャッシュを貯めるか)
2013:真のグローバル化(アベノミクス、キャッシュがたまり、MAが進んだ、ダイバーシティが出てきた)
2014:コーポレートブランディング(バラバラをなんとかしよう、グローバル含めて、ブランドのリファイン、それまではドメスティックな思考)
2015:女性活躍推進(アベノミクス第3の矢)
2016:働き方改革、健康経営(テレワーク、女性活躍、人生100年時代)
2017:効率改善、中期経営計画の見直し(何のために働き方改革をするのか、そもそも生産性は?オリンピック対策は?)
2018:ESG投資(投資基準を明確にする)
2019:真のダイバーシティ(性差などの表面的なものではなく、多様性と受容性)ディープダイバーシティ(1人の中にある経験や思考をぶつけ合うのがいいのではないか、アフター2020、外国人労働者)

3つの知るポイントを把握したら、
社内報をやってみては?
でもココを注意すべし!

中村さん)以上が社内広報を推進する上で、把握する3つのポイントでした。自社がどこにいるのか、なんとなくイメージできましたでしょうか?企業により課題が異なるので、状況把握の後のアクションは各広報に委ねられます。ぜひ社内広報の第一歩で何かしらアクションを。

アクションの1つとして「社内報」がありますがポイントをお伝えします。

社内報は、
唯一自画自賛できるツール!

社内のいいところをたくさん見つけましょう。自分の製品、顧客など、身近な人に自慢できる切り口を探すことが最初のきっかけになるのでは。また、どういう思いで、何がきっかけでというのが個々に聞いてみるのも一つ。

社内報は社内の定点観測に役立つ

会社に対する「意識」「課題」「行動」を定期的に確認することで定点観測することができます。

社内広報に
興味を持ってもらうためには?

取材数を増やしていくと興味を持つ人が増えます。できるだけ、たくさんの社員を登場させること。デキる社員は、社内のことがわかるので社内報を活用していたりもします。社員の協力が必須なので、人事の部署といい協力関係を作っていきましょう。

ただし、いきなりあなたは広報パーソンですよ、と言っても反発されるだけ。先に把握した企業と個人に合わせて協力を要請する作戦を練ることが大事です。

社員が自分の言葉で語ることに意義があリます。

とはいえ非協力な社員には・・・

あらゆる政治力を活用することも一つです笑。上司に定例で社内報を読むように指示してもらうことも。

重要なのはサイレントマジョリティ

社内アンケートを実施する場合、回答のみで成果(本音)を図ることはできない。あくまで、表面的な結果であるという認識を。
現場まで聞きにいく、意外な観点がないか?その際に、社員がどんなところに自社の良さを感じているのかを聞くこと。

まとめ

・社内広報とは、従業員全員を広報パーソンにする活動。
・社内広報で重要なのは、会社のイメージ基盤である”文化”と”風土”の醸成
・まずは自社を知ることから。
 ①独自性=会社の考え方や方針を知る
 ②社員の自分ごとにもらうための、コミュニケーションの様式を知る
 ③問題意識を共有するために社会や時代の流れを知る
・サクッと誰かに自社の社内広報について語れるようになれれば社内広報の整理は完璧!
・社内報は、唯一自画自賛できるツール!社内の定点観測にも活用できる。
・社内広報に興味を持ってもらうためには、
 -取材数を増やして興味を持つ人を増やす
 -できるだけ、たくさんの社員を登場させる
 -社員の協力が必須なので、人事の部署といい協力関係を
・重要なのはサイレントマジョリティの声をどう拾うか

次回社内広報勉強も企画中

第2回のテーマは、「各社どんなことしている?事例研究会」。
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