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#27 私と息子、大切にしていることは違う

私と息子では大切にしている優先順位が違います。
なのに私は、ずっと私の価値観を息子に押し続けてきました。

自分だって、親の当たり前を押し付けられることが一番嫌いだったのに、

「自分がされて嫌だった子育てなんてしていない!私は子どもに理解がある親だから大丈夫」

だと自信を持っていたくせに、無意識では親とまったく同じような子育てをしてきていたのです。

私と息子の一番大きな違いは、時間の感覚です。

「早くしなさい!」
って、今までどのくらい言ってきたのかな…。

息子は本当にマイペースな子で、ゆったりのんびり行動する子です。

私もかなりマイペースではありますが、人に迷惑をかけたくないので、遅刻しない程度に少しだけ早めに行動をしています。

それでも、私の時間の感覚と息子の時間の感覚にはかなり大きな差が生まれます。

私は、息子のゆったりのんびりしたペースに合わせて行動すると、イライラしたり不安になってしまうので、息子のペースに合わせることはかなり難しいです。

息子も私のペースであれやこれやと言われながら急かされて行動するのは大変だったと思います。

私たち親子の時間の感覚の違いは具体的にこんな感じです。

夏休み前の出来事だったのですが…。

息子が学校から帰宅したのが17時半過ぎ、塾は18時からはじまります
予定では、学校が終わったら直接塾へ行くはずでした。

息子は帰宅後、ゆっくりシャワーを浴びて、18時ごろに浴室から出てきて、「あ~あ、遅刻だ…。」って呟いて、塾へ行く支度をして出かけていきました。

私だったら、一度家に帰ってきたら塾に間に合わないので、そのまま塾へ行って自習室で勉強をするか、駅前のマックでひと休みしていると思います。

だけど、息子は汗をかいてベトベトな身体で勉強をするのが気持ち悪くて集中ができないから、遅刻してでも集中できる方法を選びました。

私の価値観を押し付けてしまうと、

遅刻をすると先生に迷惑をかけてしまう。
塾代、高いのに…。
明日は試験なんだし、汗くらい我慢すればいいのに…。

なんて考えてしまいます。

自分の気持ちを優先しちゃうと、子どもの気持ちを理解しようとはしないんですよね。

汗をかいて身体がムズムズ痒い
汗で洋服が冷たくて気持ち悪い
汗が臭いと先生に迷惑がかかる

息子の立場になって考えてみると、いろんな気付きがありました。

自分の考えを口に出す前に、
「どうしてこんな行動をとっているんだろう?」
と考えるだけで、余計なひと言を言わずに済みました。

私は人に迷惑をかけないようにと行動しがちなのですが、息子は快適さを一番優先にします。

こんなことも息子を観察しなければ気付けないことでした。

子育てをやり直す前は、ついつい子どもには、失敗をしてほしくないからと口うるさくなってしまいました。

子どもの成長を待つことができていなかったんですね。

塾から帰宅した息子が、
「先生に6時では間に合いませんって伝えてきたよ。学校がある日はもう少し遅くないと無理だね」って教えてくれました。

余計なひとことを言わなくても、子どもは自分で考えて解決できる力があるんですよね。

その大切な経験を私はずっと奪う子育てをしてきてしまい、子どもが何か問題に直面した時に、自分の力で問題を乗り越える力を付けてあげることができていませんでした。

子育てについて母と話をしていると、母がこんなことを教えてくれました。

子どももペットもみんな同じよ。
ごはんを美味しそうに食べる姿、スヤスヤ眠る姿、甘えてくれること。
この姿を見るだけで、お母さんはとっても幸せなの。
他に何も期待していないよ。

子どもと植物も同じ。
成長する姿を見ると嬉しいし楽しい。
植物を見て、変な方向に枝が伸びたって怒る人がいる?
早く成長しろって怒る?

ただ、大切にお世話をしている植物が成長している姿をみれるだけで嬉しいし楽しいのよ。

ペットや植物なら簡単に分かることなのに、わが子になると欲が邪魔をして分からなくなっちゃうのよね…。

子育てをやり直す前は、勝ち負けの世界にいて、私はいつも何かに追われているような気持ちでした。

失敗したら終わりだって思ってた。
息子には絶対に失敗をしてほしくなかった。
なんで、あれほど失敗を怖がっていたんだろう。

失敗の中には、たくさんのギフトが詰まっていて、宝箱みたいなものだって知りませんでした。

息子は、ゆっくりゆったりマイペースで成長をしてる。
たくさんの失敗を繰り返しながら、少しずつ成長してる。

息子の大切な学びや経験を奪わないように、息子の「今、できること」を大切にしよう。

『自分のペースが良いペース』
息子が私に教えてくれた大切なこと。

私も息子も成長途中。

子育てをやり直したことで、息子と一緒に成長出来るようになったことが何より嬉しいです。


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