【8月に読んだ本】
1.『堕落論』坂口安吾著
戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるんだ。
薄っぺらい自己啓発本を読むぐらいなら、この本をオススメします。なんか生きづらいな~と思っている人には、安吾の文章は刺さります。
2.『pink』岡崎京子著
7月に取りあげた『ヘルタースケルター』の作者による作品。物欲のカタマリといわれるOL兼ホテトル嬢ユミコが主人公。欲しいモノは手にいれる…坂口安吾にどこか通じるものがあると思います。
3.『リバーズ・エッジ』岡崎京子著
『pink』と違って、作品全体の雰囲気が暗いです。生きる意味ってなんだろう?と考えた時に読むと、生きる意味ってそんなに重要じゃないかも、と思える作品。個人的には、登場人物の山田の冷えきった考え方にハマリました。
4.『桜の森の満開の下・白痴』坂口安吾
女の情念って怖いな~と思わせる一方で、どこか美しい『桜の森の満開の下』と、戦時火の中でも逞しく生きる男女を描いた『白痴』をはじめとする小説が収録されています。
記事では、『白痴』を取り上げています。
5.『人生を狂わす名著50』三宅香帆
まさか、本で人生を狂うとは…。
7月に三宅さんの本を初めて読んで、それ以来ハマリました。幅広く読書をしたほうが、今後いろんな書評が書けるよな~と考えさせられた本です。
6.『生きのびるための事務』坂口恭平
「事務」って地味なイメージを持っている人が多いと思う。もちろん、私もその一人だった。しかし、この本を読んで、目標を達成するためには、「事務」って必要だな~と考えをガラリと変えさせられた。
講評
8月のはじめに、『堕落論』を読んで、『生きのびるための事務』で8月の読書も終わりを迎えました。私の中で、これからどうやって本を選んで読んでいこうか、どういう書評を書いていこうか、という方向性が少し見えてきた月となりました。
次回取り上げる予定の本は、『文学とは何か』です。