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【大人の発達障害の悩み】ASDのお母さんに見られるトラブル「深い人間関係を築きにくい」

「心のストレッチルーム」前田泰章です。

当ルームのカウンセリングは、話を聴くだけではない問題解決型です。

📢このnoteでは、日本ではさほど主流ではない「問題解決型カウンセリング」をより多くの方に知ってもらいたく、情報発信をしています。

🍀大人の発達障害のカウンセリングを受ける方が急増

近年、「大人の発達障害」というワードがメディアに取り上げられ、注目を集めています。

当ルームでも発達障害の生きづらさを抱え、カウンセリングを受けられる方が数年前と比べて急増しています。

具体的には、

  • 発達障害の診断は受けたものの、この先どうしたらいいのか分からない。

  • 学生時代に発達障害の診断を受け、薬物療法を続けているが生きづらさが緩和されない。

  • 発達障害の診断は受けていないけど、職場や家族間で生きづらい。病院に行ったほうがいいのか? それともカウンセリングでよくなるのか?

といったご相談です。

このnoteでも「大人の発達障害」をテーマとした記事をときどき投稿してまいりますので、参考にしていただければ幸いです。

今回は、「深い人間関係を築きにくい」ASD(自閉症スペクトラム)のお母さんに見られるトラブルと、ソーシャルスキルについて学んでいきます。

発達障害の生きづらさを緩和するためには、自己理解を深めることに加え、ソーシャルスキルトレーニングをおこなうことが重要です。

このnoteで紹介する心理療法が、ソーシャルスキルになります。

*ソーシャルスキルとは、社会の中で普通に他人と交わり、共に生活していくために必要な能力。



🍀特性のために相手から誤解を受けてしまいがち

全般的に、女性の方が男性と比べてコミュニケーション能力が高いといえます。

ところが、ASDの特性がある場合、社会性の欠如やコミュニケーションの障害により、他人との相互的なやりとりがうまくできません。

例をあげると、自分のことだけを一方的に話して、相手のいうことには耳を傾けないところがあり、会話のキャッチボールがうまくできません。

また、相手の表情や反応を読み取ることも苦手で、話している相手が笑っているのか、怒っているのか、困っているのかがわからない人もいます。

こうした特性のために、人ともっと関わりたいという気持ちがあっても、相手から誤解を招くことも少なくなく、深い人間関係を構築することができない女性も多いのです。


🍀自分のルールを優先して孤立することも

また、社会性の欠如のために、他人に対して関心を向けたり、仲間意識を持つことができず、友だちや職場のルールよりも自分のルールを優先してしまうところがあります。

そのため仲間外れにされ、孤立してしまう場合もあります。

ASDのお母さんによく見られるトラブルとしては、

・感覚過敏で周囲に合わせられない
・同時に二つ以上のことをするのが苦手
・生活環境の変化についていけない
・体調不良を起こしやすい

などがあります。


🍀深い人間関係を築きにくいASDの人に効果的な心理療法

当ルームでは、深い人間関係を築きにくい相談者さんに、「階層化療法」をおこなうことがあります。

この心理療法をおこなうことで、あなたが本当に大切にしたい人間関係が見えてきます。

家族や仕事関係、友人、ご近所さん、子どもの学校関係など、私たちはさまざまな人との関わりの中で生活しています。

その中には、「できればかかわりたくない」「嫌い」という人もいますよね。

だれにだってわかりあえない人間、愛したくても愛せない人間はいるものです。

では、嫌いな人とどう付き合っていけばいいのでしょうか?
そういう人とも、我慢して仲良くしなければいけないのでしょうか?


論語からヒントを得た心理療法

孔子(中国、春秋時代の思想家・哲学者)の言葉や行いがまとめられた『論語』には、こんな問答があります。

「悪意にも善意をもって報いよ、と言われますが、いかがでしょうか」とある人がたずねたところ、孔子はこう答えた。

「それなら、善意には何をもって報いるのかね。悪意には理性をもって報い、善意には善意をもって報いるがよい」

幼少より貧しく、苦労の多い人生を送ってきた孔子は、人情の機微を誰よりも理解していました。
相容れないものまで愛せないのが、人間の素の姿なのです。

この問題に対する、孔子の解決策は一言でいえば、「段階を踏んで、時間をかけて愛を広げていく」ことだと言えるでしょう。

自分や家族といった、強く愛せる対象をまずきちんと愛し、そのうえで愛する範囲を無理せず、少しずつ押し広げていけばいい。

敵対する者も、いつまでも敵対しているとは限らない。
時間とともに、憎しみも溶けていくかもしれない。

こう説いたのです。

相容れないものを愛そうとしても、そこには無理が生じます。
その人を意識すればするほど、苦痛が増して、余計に相手を嫌いになってしまうでしょう。

あなたは、あなたが愛せる人を大切に愛せばいいのです。

意識を「嫌いな相手」から「愛する相手」に向けましょう。

そうすれば、気持ちが楽になったり、嫌いな人とも適度な心理的距離をおいて付き合えるようになったりします。

階層化療法では、自分がいかに「嫌いな人」にとらわれているか、自分が意識すべき「愛する相手」はだれかを「見える化」します。

結果、人間関係が整理され、嫌いな人に振り回されずに済むようになります。


自分の本音を確かめる

「みんなと仲良くしなさい」「だれに対しても平等に接しなさい」

子どものころから、だれもがよく耳にしてきた言葉です。

そのため、この考えが常識として潜在意識に刷り込まれ「だれとでも仲良く、平等にしなければいけない」と思い込んでいる人も多くいます。

たしかにだれとでも仲良くできれば、それは理想かもしれません。

けれども、好きな人も、嫌いな人も、すべての人と平等に接しようとすれば、人とかかわることがどんどん苦痛になっていきます。

最終的には対人恐怖症になってしまう場合もあります。

好きな人がいて、嫌いな人がいて、好きでも嫌いでもない普通の人がいて、どうでもいい人もいる。

ビジネスの世界では自分にとって「損か得か」「敵か味方か」という基準で人を判断する場合もあるでしょう。

心の中にそういったいくつかのポケットを用意して仕分けするのは、決して悪いことではありません。

対人恐怖症になるよりずっと健全です。

そして、自分が「本当に大切にしたい人」「わかり合える人」に対して、多くの時間を共有したほうが、幸せな人間関係が築けますし、素敵な人生を送れるでしょう。

相談者さんの中には、「本当に大切にしたい人は誰なのか」自分の本音を自覚したことで、「環境を変える」という行動につながり、理想の人間関係に近づいたというケースもあります。

*階層化療法は、問題解決型カウンセリングでおこなっています。

🍀まとめ

  • 人間関係は、ASDの女性にとってもっとも大きな悩みであり、特性のために相手から誤解を受けてしまいがち。

  • 特性のために、人ともっと関わりたいという気持ちがあっても、相手から誤解を招くことも少なくなく、深い人間関係を構築することができない女性も多い。

  • 深い人間関係を築きにくいASDの女性には階層化療法が有効。


🍀生きづらさを緩和するために

「大人の発達障害」において、生きづらさを緩和するためには、診断を受けるだけではなく、自己理解を深めていく作業やソーシャルスキルトレーニングが重要です。

当ルームでおこなう問題解決型カウンセリングは、30種類以上の心理療法を取り入れ、ひとり一人の特性・家庭環境などに合わせておこなうため、短期間のうちに高い効果が期待できます。
*心理療法=ソーシャルスキルトレーニング

大人の発達障害のカウンセリングはこちら

*大人の発達障害のカウンセリングをご検討されている方は、個別の事前相談(オンライン)をお受けいただけます。詳細はこちらをご覧ください。

🔻大人の発達障害「診断のその先」を考える7日間の無料メールレターも参考になると思います。


この記事を書いたひとはこんな人

【参考文献】
・親と子どもの関係を良好にする”家族療法”のすすめ 発達障害を家族で乗り越える本(河出書房新社) 監修:宮尾益知
・「なんとなく生きづらい」がフッとなくなるノート(クロスメディア・パブリッシング)著:前田泰章


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