上腕骨外側上顆炎(テニス肘)について
手首を反らせたりする働きのある筋肉が上腕骨の外側上顆という部分(肘の外側の骨のでっぱり)に付着しています。
テニス等の運動をされる方や力仕事の方はこの筋肉の使い過ぎによって繰り返し外側上顆部にストレスが加わるため炎症が起こります。
また妊娠中から産後にかけて分泌されるホルモンの影響で肘や手首の関節が不安定になり、そこに家事や育児の負担が加わって発症するタイプの外側上顆炎もあります。
テニス肘という名前で呼ばれることの多いこの症例ですが、臨床的には産後に好発するタイプの外側上顆炎の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。古今整体室を受診される方もこのタイプの外側上顆炎にお悩みの方が多いです。
どちらのタイプでも安静や冷却といった基本的な対応は変わりませんが、産後に好発する外側上顆炎の場合は関節の不安定性が主原因ですから、特に肘や手首の関節の安定性を高めていく必要があります。
○ご自身でできる対応
① 手の平を下に向けてつまみ上げるような動作をすると痛みが出やすいので、物を持つときは手のひらを上に向けて持つようにしてください。なるべく痛みの出る動作は避けてください。
②お仕事などで痛みの出る動作を避けられない場合や痛みの強い時は市販のエルボーバンドを使用して頂くことも和痛や患部にかかるストレスを軽減させるためには効果的です。
③ 1日1回30分程度、痛みのある部位を氷水で冷却します。
④腕を真っ直ぐに伸ばして手の平を下に向けて手首をまげて軽いストレッチをします。この際、反対の手で押さえず自動運動の範囲内でゆっくりと15秒程伸ばします。まめに行います。
⑤肘の体操
手のひらを上に向けて腕を水平位、斜め45度位に伸ばします。肘の位置を変えずに肘を曲げていきます。曲げながら手首を返していき、完全に曲げきった時に手は顎の前で手のひらは前を向いている状態にします。そして巻き戻しのように同じ動きをしながら腕を伸ばしていきます。1秒間に1往復する位の速さで20往復程度。これもまめに行います。ポイントは腕を扇のように動かすこと。肘が扇の要部分になります。これもまめに行います。
⑥手首の体操
手首の関節部分を反対の手で包み込むようにやや強めに握って、グーパーグーパーする運動を行ってください。1度に30回程度、これもまめに行います。
⑦腕立て伏せ(拳立て)
普段からの腕立て伏せも上肢の関節の安定性を高めるのに効果的です。ただ手のひらをついて行うと手首の関節を傷めやすいので拳をついて行うようにしてください。これは無理のない程度に行います。
肘や手首の関節の不安定性が解消されてくると炎症も鎮まり痛みも出なくなってきます。その後も日常的に肘や手首の体操、腕立て伏せを行って頂けると再発防止になります。
体操の方法など分かりにくいこともあるかと思いますので、お気軽にお問合せ頂ければと思います。
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