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【本の要約】メンタル脳

本日ご紹介する本は、図書館で借りてきた、こちらです。

著者について

著者は、アンデシュ・ハンセンさん。スウェーデンの精神科医です。

「スマホ脳」(2020/11/18)
「最強脳」(2021/11/17)
「ストレス脳」(2022/7/19)
「運動能」(2022/8/19)
など、世界的ベストセラーが多数あります。

今回の本「メンタル脳」(2024/1/17)は、
著書「ストレス脳」のティーンエイジャー版に当たるそうです。

どんな本?(紹介文)

本の紹介文だけでも結構刺さるよね。

現代人のメンタルは「史上最悪」!
100万部突破『スマホ脳』シリーズ著者が
世界的危機「10代のメンタル」に応えるベストセラー、上陸!

ユニセフは世界の10~19歳の若者の7人に1人以上が心の病気の診断を受けていると報告、米CDC(疾病予防管理センター)は10代のメンタルヘルス問題を「国家的危機」と警告している。

日本の調査でも高校生の30%、中学生の24%、小学4年生~6年生の15%が「中等度以上のうつ症状」を訴えている。とりわけ深刻なのは10代の女子だ。男子に較べ、3倍もうつ症状に苦しめられているという。

では、それはなぜなのか? どうすればよいのか?
脳科学の見地から、それらの問いに応える「心の取説[トリセツ]」

「メンタル脳」紹介文

ざっくり感想

私は、「スマホ脳」だけ読んだことがあります。

そのときの衝撃が新鮮すぎて、今回の本は、おさらい的な感じで、すらすら~っと読めてしまいました。

でも、「HSP」や「幸せ」について触れてたりしたのは、個人的に興味深かったです。

読書メモ8つ

①「感情」はツール

人類史上99.9%の時間は、サバンナにいた。
脳は、生き延びるため、子孫を残すため、「感情」というツールを駆使して、人間をそうする行動に駆り立てた。

→ポジティブ感情も、ネガティブ感情も等しく、人間が生き延びるために必要だから、備わってるものなんだよね。

②「HSP」の説明

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、知覚のボリュームが常に最大になった状態で過ごす人。そのせいで周りの情報を何もかも吸収してしまう。

→私自身、HSPだと自覚しているので、「サプライズとか苦手」って書いてあって、「そうそう」と思った。

③「扁桃体」は火災報知器

「本当に危険なときに鳴らし損ねるよりは、念のため間違って鳴らすくらいかまわない」といって不安を感じさせる。

→不安への対処に「①深呼吸」「②つらさを言葉にする」とあって、やはり「傾聴」は大事だなと再認識。

④「記憶」は変化する

安心できる状況で、つらい思い出を口に出すことで、つらさを減らすことができる。嫌な記憶も「フタをする」のではなく何度も取り出すことで、変化させることができる。

→『記憶を取り出すと、その時の"あなたの気分"に色づけされます。』とも書いてあった。記憶はアテにならない。

→その一方で、「変化できる」は希望にもなる。事実は変えられないが、捉え方は変えられる。どんな記憶として、自分の脳内に格納するかは変えられる。

→そのためには、なにより、その人にとって安心できる環境を整えることが大切なのだと再認識。

⑤「うつ」の反対語は「バイタリティー(生きる活力)」

うつ状態では、誰にも会いたくなくなるし、何もしたくなくなる。世界中の情報(ネガティブなニュースや、キラキラな投稿)に触れていたら、脳が危険を感じて引きこもりたくなるもの当然。

→うつは「遺伝」か「環境」か。「遺伝子がピストルに弾を込め、環境が引き金を引く。」という言葉がある。うつになりやすい人は、ちょっと引き金を引いただけで、弾(=症状)が発動するので、環境を気をつけよう。

→改善に一番効果を得られるのは、症状に応じて「運動・薬・セラピー」を組み合わせること。セラピーによって、認知の歪みを改善することは、やはり大切だなと。(相乗効果)

⑥キラキラ投稿に触れすぎて、うつになる原理

人類が生き延びるために欠かせないこと、それは「他の人と連帯すること」だった。キラキラ投稿に触れて、周囲と自分を過度に比較することは、グループ(集団)のヒエラルキーで、下へ下へ落ちていき、いずれグループから追い出されるリスクが高まった!と脳は感じてしまう。

→しかも、今と昔では、比較する対象の数が違いすぎる。

⑦知識は毒にも、解毒剤にもなる

脳は変えられない、治らないと思えば、現実にそうなりかねない。単純に思い込まず、科学的に考えれば、知識は解毒剤になる。

→本当にそうだよね~。その情報を、自分の中にどう取り込むのかは、その人の「道徳心」とかが大きく関わってくるような気が、個人的にはしてる。

⑧「幸せ」という感情は、"一時的"で"相対的"なものである

脳は、人間を生き延びさせるために、永遠に満足したままの状態など作らない。常に不満があって、「もっともっと」を追い求める。そういった「感情」が人間を次の行動に駆り立てる。

→幸せを測るのは難しい。クリスマスプレゼントを、100年前の子どもが1個もらえるのと、いまの子どもが10個もらえるの、どっちが幸せ?

→メンタル不調から守ってくれる要素は「運動」「質の良い睡眠」「友人」の3つ。幸福が健康につながっているなら、その3つを大切にしよう。

→幸せを感じるかどうかは、脳の「予測」と「現実」の差でしかない。幸せを追い求めるのはやめよう。期待値が上がって、幸せが逃げてしまう。

→幸福感は長くは続かない。しかし、「家族、友人、同僚との関係が良いこと(一緒にいて快適で、信用できる人たちに囲まれていること)」と「夢中に慣れて、意味を感じられることをすること」を続けていれば、幸せを感じる瞬間は訪れるはず。(プロセスに幸せを求める)

→「いつも幸せでいられるはず」と期待するのは、非現実的だ。良い人生を送るためには、意味を感じられることに力を注ごう。

さいごに

私は「ウェルビーイング × コーチング」を通して、世の中に蔓延している「生きづらさ」という空気を変えたいと考えています。

「生きづらさ」が社会課題として表面化しているのが、
まさに「自殺、うつ、不登校」の問題です。

その本質は、
「生きてる意味がわからない」
「生きる気力が湧かない」
という状況に追い込まれているということ。

洗脳にも近い、小さい頃からの"思い込み"の蓄積です。

その"思い込み"を外す方法として、使える知識を集めたい。
(正しく使いたい。)

その意味では、この「メンタル脳」は、私に少しの勇気と多くの知識を与えてくれたと思います。

ではまた!

しゅんたろう

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