【視野を広げる読書本1】陰翳礼讃
こんにちは、高橋向生です。
今日から僕が読んだ本を一週間ごとに紹介していきます。
今回は学生から社会人まで全員に読んでほしい「陰翳礼讃」という本です。
(青空文庫やKindleから無料で読めます)
大まかな内容としては以下の5つで構成します。
・大まかな概要
・感想
・何を学んだか
・まとめ
・商品リンク
大まかな内容
実は陰翳礼讃、中公文庫では最初の第一章しか話しておりません。
なので、そこだけ読む場合、全体約200ページの60ページしかありません。
ちなみに、僕が読んだ中公文庫は以下の6章で構成されています。
1 陰翳礼讃
2 懶惰の説
3 恋愛及び色情
4 客ぎらい
5 旅いろいろ
6 厠いろいろ
はっきり言います。冒頭の1~19ページだけでも読んでください。
それで、つまらなければ読まなくて大丈夫です。
自分が興味がある他の本を読みましょう。
なぜなら、その19ページに重要な部分がすべて詰まっているからです。
それでは、ざっくり説明します。
日本の家は陰を中心に空間があった。
しかし、白熱灯などの西洋の技術が流入したことで、過ごしやすくはなったが、日本の文化は間違った方向へ進んでしまった。
西洋の技術は、あくまで西洋の歴史から正統に造られたものだ。私たちの日本は、それらを取り入れているにすぎず、日本の歴史から正統に生まれたものじゃない。
そういった面で、我々日本人は損をしている。
といった内容です。
本では、なぜ日本の家は陰が中心なのか、陰によってどんな効果が空間をもたらしていたのか、日本人の感性や文化と陰の関係は何かを語っています。
「懶惰の説」(らんだのせつ)では、西洋人の感覚にはない、東洋が思い描く仙人の像。怠けているわけではなく、奥床しさを持つ、懶惰の美徳を述べています。
「恋愛及び色情」では、日本人の感覚として持つ艶やかさと海外のエロティックとの違い。その分析を真面目にしています。
「客ぎらい」では、谷崎さんの家に来る来客に対する愚痴や日本の料理に関して。
「旅いろいろ」と「厠いろいろ」は旅と厠に関して谷崎さんがいつも思っていることを不満げに書いてあります。
感想
この本は全体的に谷崎さんの不満が書いてあります。
ですが、読めば読むほど、確かに……と納得してしまう内容ばかりです。
陰翳礼讃の部分だけでしたら、ゆっくりでも1時間あれば読み切れます。
難しげな文献ではなく、谷崎さんの一日を小説みたいに書いてあります。
なので、かなり読みやすいです。
建築系の皆さんに関しても、「陰翳礼讃」の章だけでなく、「旅いろいろ」「厠いろいろ」は建築や都市に大きく関わってくる内容です。
観光地化が進むことに関して、それは本当に本来の観光地としての魅力を見せているのか。京都ならば京都を演じた観光を見せていないか?
などなど、至るところで観光地化が進む現代でも、耳が痛い話ばかりです。
何を学んだか
この本を読んで、今あるモノが絶対正しいわけじゃない。と視野を広げることができました。
既存のモノ全てに疑問を持つようになり、それは本当に正しい姿をしているのか? と常に考えます。
もう一度言います。確実に視野を広げる一冊です。
これを読んだら、日本風のものを簡単に扱うことができなくなります。
日本風のモノを使うならば、なぜそれを使うのか、それは本質から外れたものになっていないか、考えます。
西洋産業の発展を目的とした技術革命が、日本の産業と合うわけがありません。上手く帳尻合わせしようにも合わず、日本の産業が衰退したのではないか。
資本主義という西洋の経済システムを日本に導入させて、本当に合っていたのか。
林業、漁業、神職が衰退したのも、無批判な西洋の取り入れを行いすぎたのではないか。
憶測を出ない話になってしまいますが、今が本当に正しいのか考えてしまいます。
まとめ
今回紹介した「陰翳礼讃」は無料で読める本なので、全員におすすめできます。小説を読む感覚でサクサク読めるので、学生から社会人の方々全員に読んで頂きたいです。
確実に視野を広げたい方は、冒頭の1~19ページだけでもどうぞ!
商品紹介
陰翳礼讃 作:谷崎潤一郎
↑ 青空文庫にて無料で読めます。
↑ サイトよりファイルをダウンロードできます。
↑ Amazonにて、Kindle版は0円 文庫本は514円となります。
http://pie.co.jp/search/detail.php?ID=5012
↑ 大川裕弘さんの写真と共に読みたい方は1900円+税からどうぞ。
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