米農家を選んだおとこ
歩き続ける度に
道ができる
はじめはなにもなかったんだった
気づけば小さな小道ができる
いつのまにか
それは大通りとなる。
自分がしてきたことに
意味はあったのか
自分が信じてきたものに
意味はあったのか
訪ねることもなく
黙々と
ただ
自問自答しながら
生きる
滞りなく
憤りなく
なにを与えるわけでもなく
気づくことばかりだと
呟いて
また
同じ毎日を繰り返す
米のように
磨かれて
米のように
研かれて
人間としての
質を
みがきながら
大人になる
だれかが言った
農業は
汚いものだ
あほでもできる
ならば、
やれば
いいだろう
このやろう!
うちの親父は偉いんだ!
うちの親父は立派な米農家だ。
立派な米農家だ。
歩き続ける度に
道ができる
はじめはなにもなかったんだった
気づけば小さな小道ができる
いつのまにか
それは大通りとなる。
自然と共に
生きながら
自然と共に
笑いながら
自然と共に
泣きながら
自然と共に
生きていく
ただ
なにも語らずに
ただ
黙々と仕事をする
ただ
大きな
背中がある
そこには
今を生きる
漢(おとこ)の姿。
歩き続ける度に
道ができる
はじめはなにもなかったんだった
気づけば小さな小道ができる
いつのまにか
それは大通りとなる。
はじめはなにもなかったんた。
いつのまにかそこに道があった。