ロシア人材について
ロシアと聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?「ソ連」「怖い」「寒くて暗い」「放射性物質」「チェルノブイリ」「KGB」「プーチン大統領」「シベリア抑留」「日ソ不可侵条約違反」・・・こんな、なんとなくネガティブで暗いイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実際にロシアを訪れたことのある人の数も他のヨーロッパ諸国に比べると圧倒的に少ないと思います。
実はロシアは知られざる親日国家で、大半のロシア人は日本に対して非常にポジティブなイメージを持っているのですが、このことを知っている日本人は極めて少ないと感じます。私はたまたま大学時代、第二外国語がロシア語のクラスだったこともあって周囲にロシア関係の仕事をしている友人が多く、十数年前からロシア関連の事業を手掛けるようになりました。
訪れるたびに、ロシア人は本当に日本人のことが大好きで、特に日本製品に対する信頼性が非常に高いと感じるようになりました。SONYやPanasonic、TOYOTAなどはロシア人が大好きなブランドですし、CDショップに行くと「日本製の洋楽CD」専門の販売コーナーが設けられていたりします(日本の音楽ではなく“洋楽”です)。また書店に行くと村上春樹さんや吉本ばななさんのコーナーがあるのはざらですし、最近ですと日本のアニメや漫画はすさまじいまでの人気を誇っています。
実際、日本での就職を希望するロシア人の数は想像以上に多く、日本語人材はもちろん日本語の出来ないエンジニアでも一度日本で働いてみたいと考えている人の数は多いのです。
私達も、お客さまをロシアにお連れして提携などのサポートを行ううちに、ご要望に応じてロシアの日本語人材やIT人材を採用するサポートを行うようになり、最近では日本語人材を主としてホテルなどのサービス業に、IT人材はまさにIT業界向けにうってつけということで積極的にサポートしています。直近ではコロナの影響でサービス業は採用どころではない非常に深刻な状況となりましたが、IT業界においては日本では絶対に採用出来ないスペックの人材が採用出来る可能性があるということで、ロシアIT人材に対する注目はむしろ高まっていると感じます。
これもあまり知られていない事実ですが、ロシアのIT人材のレベルは世界有数、見方によっては世界一と言えるのです。ACM (Association for Computing Machinery) という計算機学会が主催する、大学対抗の世界的なプログラミングコンテスト(全世界で5万人以上が参加し、各国予選を勝ち抜いたチームが大学別に3人一組のチームでプログラミングと問題解決の能力を競うもの)において、ハーバード大・MIT・東大・北京大・清華大など並み居る強豪を押しのけ8年連続してロシアの大学が優勝しており、また上位10チームのうち毎年3~4チームをロシア陣が占めるなど、圧倒的な存在感を見せつけています。
ロシアにおいては旧ソ連時代以来、数学と物理の教育に力を入れており、単にコンピュータ言語に習熟しているだけでなくそもそもの論理的思考能力や数学的解析能力に優れた人材が多いため、新たなコンピュータ言語でもすぐに習得できると言われています。実際、当社がサポートした事例でも日本ではおよそ考えられないレベルのエンジニアが日本での就職を希望し、日本企業の説明会に参加して実際に入社してくれたりしています。
最近、私が取材に全面協力したJETROの記事にもそのことが取り上げられています。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2020/1201/
もちろんいくら親日でもロシア人は日本人ではありませんので文化的なギャップ、生活習慣の違いなどで苦労することも多いのが実態です。しかし日本人では絶対に採用できないレベルのITエンジニアなどが採用出来る可能性があることも事実なのです。しかもロシア人は概して真面目で、他の国の方々と比べても定着率が高いという話をよく耳にします。
当社で実際にお手伝いしている企業様の例として、ダイワロイヤルホテルグループを運営する大和リゾート様があります。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2020/1201/ed36bd0c055ec125.html
https://jp.sputniknews.com/opinion/201610252939587/
https://jp.sputniknews.com/opinion/201810245494825/
コロナ前までは、非常に積極的に毎年ロシア人材を採用され、他国の人材と比べて定着率が高く真面目ということで非常に高い評価を頂いておりました。いずれまた採用を再開される際には、ご協力させて頂く予定でいます。
当社サポートにより日本企業に入社しているロシア人日本語人材、エンジニアが数多く活躍しています。日ごろなかなか接点のないロシアですが、一度行ってみられると根本からイメージが変わることと思います。
先入観にとらわれず、ロシア人材の採用・活用をぜひお考え頂きたいと思います。