復職時の不安に対する特効薬~うつ病脱出のヒント~
復職が間近に迫ってきた、明日からリハビリ勤務だ。でも不安で仕方がない、どうしていいのかわからない。なんだか身体が痛くなってきた、頭痛がする、熱っぽい、風邪ひいたかもしれない。こんなことなら明日は休みたい。
そう思うあなたへ。
復職やリハ勤が迫ってくると、何かしら不安になるのは当たり前のことです。たくさんの復職する方をみてきた私がいうので、間違いありません。
復職やリハ勤が迫ってくると、多くの方は不安になります。前日は特に不安で仕方がないという方もいます。
ですから、まずは不安になる自分に対して、自分はだめだとか、自分だけこうなってしまうのだろうかと思うことはストップです。
ときどき前日に不安はないという方もいますが、そういった方であっても、不安を超えて、いい意味で諦めて不安を脱しています。
つまり、不安というフェーズは誰もが通過するはずです。
むしろ逆に危険なのは、不安がないという方かもしれません。不安である自分を無理に抑え込んでいたり、不安がないように思い込んでいたり。本当は不安であるということが感じられていないと、いざ、自分の気持ちに大きな変化が起こったとき、たとえば辛い、しんどい、さみしいなどを感じるセンサーが鈍っていて、知らず知らずのうちに無理をしてしまっている状況になるからです。
少し話が逸れました。
不安であることは一向に問題ありません。
だけど、不安に飲み込まれていくことは避けてほしいのです。
不安だ、不安だ、不安だと思い始めると、やがて、もうだめだという思いに至ってしまう可能性があります。また、そういった状況に陥るに従ってご自身がもっている不調時のサインがどんどん出始めるはずです。よくあるのは、頭痛、腰痛、ぎっくり腰、腹痛、などの痛み系や発熱。
人間とは非常にうまくできていて、メンタル的なしんどさとまるで関係ないかのように、ちょっとした荷物をもったことでぎっくり腰になったりします。それはまるで、「あなたの気持ちのしんどさは関係なく、この荷物をもったことが痛みのきっかけだよ」というように・・・。
でも違います。不安などの気持ちのしんどさがそうさせています。不安だから身体に痛みを起こさせて行動を回避しようとしているのです。だからこそ、不安などの気持ちに飲み込まれないことが重要になります。
では何をすればよいのか。
不安な自分に気づき、不安なんだなーと感じることです。そして、不安なんだな、よしよしと、不安な気持ちの存在を認めてみてください。
なんだそれ?と思いますよね・・・
下園壮太先生の「うつからの脱出」にフォーカシングという技法が書いてあります。
痛みに対して、その痛みをなくそうとせず、その痛みにフォーカスする。痛みはどこにあるか、形で表すとしたらどんな形をしているか、その大きさは?、色で表すと何色?といったように・・・
首が痛い、両方の首の付け根あたりに、色はグレーっぽい、大きさは3センチくらいの、丸・・・硬い感じ。表面はつるつるしている。
このように痛みの存在をみとめて、はっきりと存在させてあげると、不思議と痛みが和らいでいきます。
#ぜひ一度試してみてください
難しいのは、痛みをなくそうと思ってやると、なくせないところです。
でも実はここがポイント。ひとはよくないものはなくそうとするんです。不安はよくないから消そう、忘れよう、ないものにしよう。痛みも、悲しみもさみしさもみんなそうです。
でも、一回あるものにしてしまったほうが、楽になるんです。
下園先生の本によれば、亡くなった方への儀式(お葬式など)もきちんと悲しむためのものであるとのこと。きちんと悲しんで、悲しみきって味わいきって、次にいこうというわけです。
恋愛とかもそうじゃないですか。しっかり振られたことを認め、悲しみ、涙したら忘れやすい。だけど、いやーあのときの自分は悪くない、相手のほうが悪い、あのときこうしておけばよかったとか思うと、未練が続きませんかね。
#私だけでしょうか
#なぜふられる側の目線なのか
不安な気持ちには、不安ちゃんとでも名付けて、「不安ちゃんは私を守ろうとしてくれてるんだね、ありがとう」として、小さいままでいさせてあげてください。
変に大きくせず、変になくそうとせず、そのままでいいんです。
そして、自分だけで抱えないことです。
不安なときは、誰かに話す、紙に書き出すなど、自分の外に一回出しましょう。誰かに話を聞いてもらうのが一番いい方法だと思います。書き出すのも有効ではありますが、ネガティブな気持ちをひとりで立て直すには、技術とエネルギーが必要です。復職前は緊張感も高いと思いますから、ここはぜひ、他者の力を借りましょう。
家族でも、友人でも、主治医でも、カウンセラーでも結構です。
もしこれから復職を迎えるかたは、早めに主治医の診察を復職前日かそれに近い日に予約しておくのもひとつの手だと思います。カウンセリングの予約日をそのあたりに設定しておくのもよいでしょう。
まずは、不安をあるものにして、出社です。行ってしまえば、意外となんとかなることも多いはずです。
そして、もしもしんどかったら、そのときはそのときで考えましょう。
みなさんの復職が、リハ勤が、試し出社がうまくいくことを心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これを読んでくださっているみなさまが、健やかな一日を遅れますように。