メンタルの病気を再発させないために、あなたにできること
うつ病などのメンタルの病気は再発させないことがなにより大事です。再発を繰り返すたびに、治りにくくなると言われているからです。
しかし、メンタルの病気は再発を繰り返すたびに治りにくくなるものでありながら、一方で繰り返してしまうことには理由があるように感じています。私がメンタルの病気の患者さんにかかわる中で感じていることを書いていきます。
ぜひ、再発させない、もう繰り返さないというヒントにしていただければうれしいなと思います。
再発を繰り返す方によくあるパターン
は大体3つに分類されるように思います。
①過度に自分を責めてしまう
②病気を上手に受け入れていない
③他人のせいにする(自分のせいではないと考える)
もう少し詳しく書くと、
①私は弱い人間だ、完璧に仕事ができない・・・できない自分はだめだ。
②私がうつ病になるなんて、なんでだ。そんなはずはない。
まだまだできる、こんなはずではない。
③こんな病気にしたのは○○のせいだ、○○さえいなければ、○○のせいでこうなった。自分は悪くない。
ひとつずつ、詳しく説明していきますね♪
①過度に自分を責めてしまう
これについては、気づける方が多いのではないかと思います。具体的な対処としては、100%の力でやらずに60%でやりましょう、といった感じになります。「60%でできれば病気にならないよ!」と感じている方がいたら、自分の物事の考え方を一度分析してみてください。
・物事を完璧にこなさないといけない
・自分でやったほうが仕事は早く進む
・他の人は信頼できない
などなど。ご自身がどの考えに基づいて、過度に自分を責めているのかを考えてみましょう。そして、その考えに気づくことができれば、大丈夫。
完璧にやらないといけない→自分が仕事をやるべきだ→やっぱり自分はできない→しんどくなる、というプロセスにおいて、最初の「完璧にやらないといけない」に気づけば、もう次のステップに進むことはありません。ずいぶんと楽になるはずです。
②病気を上手に受け入れていない
メンタルの病気は、昔に比べれば一般的に知られるようになりましたが、それでも自分自身が病気になってしまうと、「なんで自分がこんな病気になったんだ」とか「自分は弱い人間だ」と考えがちです。そう思うと、メンタルの病気を受け入れづらくなってしまいがちです。
メンタルの病気→弱い人間がなるもの→自分は弱い→弱い自分を受け入れる
こうなると、弱い自分を受け入れる、という労力のかかる過程が発生します。これは不要です。
まず、「メンタルの病気になる人は弱いわけではない」ということを知っておいてください。どうしても、ここがひっかかりがちなのではないかと思います。病気になる=メンタルが弱い=だめ人間、という構図です。
そうではなくて、自分の特徴が何かをつかむことです。
・物事の考え方がちょっと下手でストレスがたまりやすい
・ストレスに対してあまり強くない
・コミュニケーションが苦手で人と話すとストレスがたまりやすい
・一度にたくさんの仕事をこなすのが苦手
などなど。
例えば、自分の体質ってありませんか?
・お腹をこなしやすい
・乗り物酔いする
・揚げ物を食べると胃もたれしやすい
これらと同じです。
「揚げ物を食べると胃もたれしやすい、私はだめ人間だ」とは思わなくないですか?そもそもそんなことさえ考えさえ浮かばないのではないかと。「揚げ物食べたら胃もたれするな」それだけのことではないでしょうか。
つまり、メンタルの病気になったから弱いではなく、「メンタルの病気になる自分なんだな」と受け入れてしまうのが得策です。
とはいえ、それは難しいよと思うかもしれません。
もうひとつのいい方法は、「自分だけがメンタルの病気になっているわけではない」と知ることです。
ネットでも、YouTubeでも、noteでも、治療の場(病院やリワーク)でも、なんでもいいので、自分だけでが病気なのではないと知ってください。
自分だけ病気だ→自分だけではない、こう思えることが回復の大きな手助けになるはずです。
③他人のせいにする(自分のせいではないと考える)
これを書くとあまり読んでもらえなくなりそうですが・・・。病気をこじらせている方で一番多いパターンはこの状況です。
○○が悪い。○○は、特定の人物、会社全体など、人それぞれですが、自分に原因を求めず、他に原因があるとするパターンです。
「自分にも原因はあるが、他人にも原因がある」と思っている場合はまだ大丈夫です。「他人に原因があり自分には原因がない」と思っている場合。
自分に原因がないと思っていることにさえ全く気づいていない場合は、この記事を読んでも意味がわからないかもしれません。
たとえば「万引きは悪いことだ」と知っているから万引きをしないわけですよね。万引きが悪いことだと知らなければ、万引きします。
万引きは悪いことだと知っていてもする人はいるじゃないか、と思うかもしれませんが、本当に悪いことだと知っていたら、しません。
たとえば、この毒物を飲んだら死にます、と言われたら飲みませんよね。そういう意味で、本当に万引きが悪いことだと知っていれば万引きはしない。
それを同じで、「自分にも原因はある」と知っているからこそ、自分の考え方やストレスへの弱さを何とかしよう、と思えるわけです。
「自分には原因はない、他人のせいだ」と思っていれば、自分の何にもアプローチできない状況になります。だから、何もかわらない。結局、よくならないという構図になります。
中島みゆきの宙船の歌詞をご存じでしょうか。
「その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ
お前が消えて喜ぶものに お前のオールをまかせるな」
あなたの人生を、他人のせいにする必要はない。すべてを他人に左右される人生である必要なない。自分で自分の人生を引き受けることこそが、意見しんどいようで、自分を楽にする一番の方法なのです。
今日は、再発を繰り返すパターンをみていき、再発予防に役立ててほしいなと思い、記事を書いてみました。
最後までお読みいだたき、ありがとうございました。