復職を焦ると再休職につながる
休職してしまった・・・早く復職しないといけない。
突然休んでしまいみんなに迷惑をかけている。
一か月程度休めば戻れると思ったのに、あまりよくならない。だけど戻らないと。長く休めば休むほど、周りからの評価が下がってしまう。
だから、早く復職したい!
そう思っているあなたへ。
今日はうつは再発する可能性が高く厄介なのでゆっくりいったほうがいいかも、ということをお話ししたいと思います。
まずは私の経験を少し。
私はうつで、最終的に下痢が止まらなくなって会社に行けなくなりました。やりかけの仕事があったけど、パソコンは元より会社の荷物もそのままに、休職に入りました。
少し休めば戻れるだろうと思いましたが、なかなかそうもいきません。何より身体がついてこない。
でも「とにかく早く戻らないといけない、休んでなんかいられない。周りに迷惑をかけている、周りから取り残される」といった思いで、主治医に無理を言って、一か月程度休んだ後に「復職可」の診断書を持参し、人事面談に臨みました。
結果は・・・面談中に自分で悟ることになったんです。「これは働けないわ」と。結局、復職は先送りに。人事からは「そんないい加減な診断書を書く医師は信用できない」と言われました。
その後、気分も体調も一旦悪化しましたが、薬の借りて少しずつよくなり、リワークプログラムへ。休職期間ぎりぎりまでリワークに通い、復職しました。
さて、ご存じの方も多いと思いますが、うつ病は再発する可能性が高い病気です。一回目のうつ病から回復した後の再発率は50~60%。二回目の再発率は70%、三回目にかかった後の再発率は90%と再発する可能性が上がります。つまり、うつ病にかかった場合は、2度目の再発を起こさないことが重要になってきます。
#希望は捨てないでください
#落ち込ませたいがために書いているわけではないので
#ちなみに繰り返している方でもどこかのタイミングで再発しなくなることはあります
つまり、一度うつになって休職した場合、「早く戻らないといけない」という思いで復職を焦ることは、その場限りで考えればいいかもしれませんが、長期的に考えると非常にリスクが高いわけです。
なぜなら、焦れば焦るほどしっかり治っていない状態、もしくは原因が不明だったり対策が不十分で戻ったりすることになるわけですから、再発のリスクが高まるということなんです。
一か月の休職で無理して戻って、再発した。そうなるとまた休職して回復を待ち、リハビリを行う必要がある。結局すごく時間がかかるわけです。さらには寛解しにくくなる。
一回の休職でしっかり治療を行い、再発予防策に時間をかけて、その後再発しないほうが、自分にも周りにもよい方法なんです。
しかし、私たちは、ピンチになればなるほど一発逆転を狙いたくなります。競馬でメインレースで負けたら、最終レースで取り返してやろうと思うじゃないですか。
#伝わりますか
#伝わらないですか
一回お金をつっこんだら、損しないように何とか取り返してやるみたいな気持ちです。
しかし、実際に一発逆転はありません。非常に確率が低い。早期に復職して、運よく再発しないというのは確率の低い賭けになるわけです。
では、何をすればいいのか。
・生活リズムが整っていること
・週五日働ける体力があること
・ある程度(大体6割くらい)は仕事ができるようになっていること
#会社からは100%と言われると思いますがすぐには難しい
・自分の病気が何かを知って受け入れていること
・自分が病気になった原因がある程度わかっていること
・他人や環境ではなく、自分にも原因があったと思えていること
・再発しないために新しい自分を少しでも手に入れた感覚があること
・自分が体調が悪くなる時のサインをつかんでいること
・自分が体調が悪くなった時の対処法を実践できること
・周りに可能な限り配慮をしてもらえる体制を整えていること
このあたりは揃っている必要があると思います。
これをみて、いかがでしょうか。
列挙すると、多いなと思うかもしれません。
しかし、病気になったことで、自分が思っている以上にできないことが増えています。また、病気になる以前よりも気をつける必要があることが増えています。
しかし、それに目を向けられず、とにかく戻るんだという思いが先行しがちです。
今一度、冷静になってみてください。一気に体制を立て直すことは、あなたが思っているより容易ではありません。
でも、ひとつずつこなせばできます。
再発をなるべく防ぎ、一回の発症、休職でなるべく終われるように取り組んでみてください。
そして、ここまで読んで、「もう複数回発症して休職してしまったよ」という方。
取り組むことは同じです。
自分の奥底にある、自分のものの考え方、人との関係の持ち方など、根深くあるものを変えていけば、そしてきちんと診察を受けて治療していけば治ります。何度も繰り返すということは、まだ何かアプローチする余地があるわけです。
「私はもう治らない」と思う必要はありませんが、「私には何かまだ変えないといけないところがある」ということは受け入れる必要があると思います。
そこに至ったとき、きっとあなたの病気は快方に向かうはずです。
うつは病気ですが、自分のものの考え方などに大きく影響をうける、なんだか厄介な病気です。
でも、アプローチ次第できっとよくなります。一緒に治していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。