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GLP-1薬のさらなる可能性:アルコール対策から認知症まで

この数年、米国を中心に肥満薬がブームになっています。そのきっかけとなったのがGLP-1と呼ばれる薬の効用です。
元々は糖尿病治療薬として開発されましたが、減量効果があるということで一気に話題になりました。その学術的な成果も認められており、いくつか賞を獲得しました。過去にも紹介したので載せておきます。

減量効果だけでなく、さらに別の効用があることが話題になっているので紹介します。

1.アルコール依存症

参考論文はこちら

ようは、
アルコール使用障害(AUD)と診断されGLP-1薬を投与された患者は、入院する可能性が低いことがわかった、
という実験結果です。

こちら(2024/9発表)によれば、米国では過去1年間に18歳以上の成人2,810万人(この年齢層の10.9%)がAUDを経験しているそうです。18歳未満の率が高いのも気になります。。。

因果関係が気になります。

仮説として、GLP-1薬とアルコール摂取の関係は、GLP-1薬によって甘い飲み物があまり好まれなくなるため、酒に含まれる糖分量と関係があるかもしれないそうです。

上記記事によれば、アルコール乱用は世界の疫病の5.1%を占めるというレポートも出ているようで、その派生的な効果も期待できそうです。


2.認知症リスク低下

こちらは米国に限らずさらにインパクトがあるケースです。日本メディアでも昨年末に報道されています。

アルツハイマーをはじめとした認知症に対しても、GLP-1薬の効果が期待されています。

GLP-1の1つである「エキセナチド」の投薬によって、認知症に因果関係があるとされるたんぱく質の炎症を抑える効果を実験で確認しました。

こちらはもう少し因果関係が(仮説でもいいので)欲しいところですが、ただこの結果によって同じような臨床実験が増えるかもしれません。

他にも思わぬ効果があるかもしれません。それが1のように派生的な要因なのかはわかりませんが、この1年もGLP-1は話題を振りまき続けそうです。

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