福岡 浩二
人類の知能や人工知能の謎や最新ニュースをまとめています。
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以前に、イーロン・マスク氏が行政改革を率いる話をしました。 最後にちらっと、AIについても政策として大きな動きがあるかも、と締めましたが、さっそく注目の流れがあったので記事を紹介します。 マンハッタン計画、とは第二次世界大戦での米国の原爆開発計画で、最高峰の科学者を総動員したのは有名な話です。 今回のネーミングセンスはともかく重要な内容は、 米国が官民団結してAGIを開発を推し進める、 という提言を含めている点です。(あくまで1委員会による提言で政府としての実行検討はそ
物理法則は、非生物の自然現象を説明するために一般化しようとしているものです。 有名な例では、 ・ニュートンがリンゴ落下から万物の運動を普遍的に説明する力学法則を考案(都市伝説ですが) ・アインシュタインが若いころ光と同じ速さで走ったらどうなるか?という思考実験から、ニュートン力学も包含した相対性理論を考案 などがあげられます。 一方で、生物学にも同じような試みはあり、有名なものを1つ挙げると、人類含めて全生物は突然変異で多様化・自然淘汰したことを唱えたダーウィンの進化論がそ
「記憶」について、興味深い研究が発表されました。 元論文はこちら。 記憶については、脳の主役神経細胞(ニューロン)が担うと考えられていましたが、近年同じく脳内にあるグリア細胞の役割も評価されています。過去投稿を載せておきます。 いずれにせよ脳という物理的な閉鎖空間での作業であることには違いありません。 ところが今回 「そもそも脳だけで記憶しているのではない!」 という刺激的な主張です。 今回は通常の生物というよりは、その「肝細胞」を使った実験なので、誤解のないように
SNSをはじめ情報が爆発的に広がる世の中で、いかに接して判断するのかは、結構重要なテーマです。 なかでも特に気を付けなければいけないのが、「誤情報」の見極めかなと思います。 誤った情報を見極めるのは、単純なようで結構根深い話で、Science誌が興味深い記事を投稿しています。こちらです。 論点がいくつかあるので、その順番で気になった点を抽出します。 1.誤情報の定義 「定義なんて誤った情報でしょ」、と一笑に付すかもしれませんが、その対策まで鑑みると、もう少し深堀りし
イーロン・マスクが次期政権で効率化を目的とした組織のトップに就任することが決まりました。 イーロンのマネジメントスタイルは、一言でいえば、超合理的です。 それを知るおすすめな情報源は、昨年出た自伝です。 そんなイーロンがさっそく新組織のリクルーティングを始動しました。 ただ、それをX(旧Twitter)有料アカウント限定で行ったことで話題になっています。 Xは1つのメディアとして、日本の選挙にも影響を与えているとみられています。(本当はもっと冷静に場合分けしたほうがいい
生命の基礎単位「細胞」ですが、それを足らしめているのは「境界」ではないでしょうか。 つまり、閉鎖的な空間があるからこそ、その庇護下で様々な細胞内小器官がはぐくまれた可能性は高いです。 その細胞膜は水との親和性が異なる対極な部品が集まってできています。 では、その生命をはぐくんだであろう「細胞膜」の起源は? 最近その仮説がScience誌で提示されているので紹介します。 参照論文はこちら。 細胞膜は上記のとおり脂質でできているため、以前から短めの脂肪酸をもとにいくつか
コンピュータは科学技術としての発明だけでなく、発明を加速化するブースターとしての役割も備えています。生成AIが登場してまさに水を得た魚といってもよいかもしれません。 宇宙科学をけん引しているのはやはりNASAです。 スーパーコンピュータによる宇宙科学の活用例をNASAが公開しているので、今回はそれを補足的に紹介します。 ざっくり下記6点を例示しています。 1.アルテミス打ち上げ環境の再設計: 丁度今から2年前にフェーズⅠが成功しました。 現在は有人による月軌道を描く
ついに次期政権であのイーロン・マスクが政府効率化省トップに就任することが決まりました。 イーロンは、いわゆるシリアルアントレプレナー(連続起業家)で、利益相反などこれらの事業運営がどうなるのかは(追っかけの一人として)気になります。 参考までに、過去の彼の遍歴(?)が分かる投稿を載せておきます。 イーロンの夢は、過去は「火星」でしたが、最近はバージョンアップされて「天王星」になっています☺ はじめ聞いたときは、ジョークだと思いました。 それだけ天王星というのは我々人類
歴史に名を馳せた偉大なる物理学者の訃報が流れました。 アメリカの物理学者レオン・ニール・クーパー(Leon Neil Cooper)で、超伝導現象の理論的解明に大きく貢献しました。 クーパー氏の主な業績と派生的な貢献について紹介します。 ジョン・バーディーン、ロバート・シュリーファーと共に、1957年に超伝導を説明する微視的理論である「BCS理論」(3名の頭文字)を提唱したのが最大の業績です。(当時まだ20代!) この功績によって、1972年にノーベル物理学賞を受賞しま
「京都賞」と呼ばれる、科学や技術、思想・芸術の分野に大きく貢献した方々に贈られる日本発の国際賞があります。稲森和夫氏が創立しました。 2024年は3名が受賞し、そのうち一人は過去にも触れました。 今回は二人目の紹介をします。地質学者のポール・F・ホフマン氏です。 受賞理由は、生命の進化に関係していた下記二つに関するものです。 1.スノーボール(全球凍結) 2.プレートテクトニクス 1は初めて本格的に提唱した人です。過去にも何度かふれたので載せておきます。 常識的に考
前回、脳の発達がフラクタル構造だったという話をしました。 興味が出たのでフラクタル構造の歴史について調べてみました。 まず、有名なのはブノワ・マンデルブロ(1924-2010)という数学者です。フラクタル幾何学の創始者として知られています。 ただ、彼に影響を与えた隠れたパイオニアがいました。 ルイス・フライ・リチャードソン(Lewis Fry Richardson)(1881 - 1953)で、数学者であり気象学者でもありました。 実は以前に、気象学史でも紹介しまし
知能の根幹である「脳」ですが、その発達プロセスはいまだ解明されてません。最新の技術でその過程がある程度明らかになりました。 ようは、 脳を構成するニューロン(神経細胞)は、単体と協調活動をバランスよく備えている、 というはなしです。 ニューロンはシナプスを通じてお互いがネットワーク構造でつながっています。これを通じた協調的な活動が脳の発達に寄与するのか?そうではなく、まずはニューロン単体がまずは発達したのか?このあたりが主な論点です。 その謎を、1万の個所を同時にリアル
11/9は、SF作家カール・セーガン(Carl Sagan、1934–1996)の生誕日でした。それを記念した記事があったので、科学者としての一面を紹介します。 今回の内容は、主に上記と下記伝記を参考にしています。 元々宇宙天文学を志して惑星科学者となり、地球外生命体探索(SETI)について、NASAと一緒に取り組んでいました。 おそらく科学者として世間に知られたのは、ボイジャーとバイキングと呼ばれる、探査機に積まれた人類情報を届ける考案者としてだと思います。(今では賛
地殻移動を意味する「プレートテクトニクス」が、地球の生命誕生に思った以上に寄与していたかもしれない、という記事を見かけました。 プレートテクトニクスは、以前にも同じ文脈(生命誕生の必要要素)で、地球外生命体探索で有名なドレイク方程式に追加提案されたこともあります。その時に紹介した過去記事を載せておきます。 少なくとも、多細胞生物が複雑になってからは、地殻移動が生命進化に貢献したのでは、という話はよく知られています。 たとえば下記記事によれば、プレートテクトニクスの活動がシ
米国大統領選挙が終わりました。結果云々よりも、まずは前回のような暴動が起こらなかったことにほっとしています。 今回トランプが当選したことで、科学技術の政策レベルでもいくつか影響があり、その1つが「AI規制」に関するものです。 1つ記事を紹介します。 ようは、 トランプ政権では、バイデン現大統領が制定したAI規制を撤廃する予定、 というはなしです。 この規制の主だった内容は、企業がAIの訓練方法や脆弱性テストデータを含むセキュリティ対策に関する報告書や利用企業向けガイダ
以前に、生物の透明化技術について紹介しました。 前回は、とある企業の取り組みを中心に紹介しましたが、この原理を開発した研究者が丁度今来日しています。 英国の理論物理学者ジョン・ペンドリー氏(Sir John Brian Pendry)です。 ペンドリー氏は、電磁波の波長よりも小さな微細構造体を設計することで、自然界には存在しない特異な電磁気的性質を持つ物質、いわゆる「メタマテリアル」が実現可能であることを理論的に示しました。 この理論は、負の屈折率を持つ「スーパーレン