『詩』不安という名の
昨日の僕は 都会の大きな噴水の横を
空っぽのリュックを抱えて歩いている
噴水は時間と双子なので 春のコートを着て
昨日も噴き上げ続けている
一週間前の僕は傘をさして
古い桟橋の先に立っている ほんの少し
僕はメアリー・ポピンズに似ている
空は曇っているけれど
雨は降ってなくて構わない
半年前の僕は頭を垂れて
睡魔に喧嘩を売っている ごく小さな
田舎町の図書館で 生きかたのマニュアルは
色彩学の本には載っていない そこで
二十七インチのディスプレイに 一年前の僕は
無数の直線を