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【眠れない。外に出られない】適応障害で辛い人に伝えたいこと
大丈夫。そういう経験をしたあなたは強い。
まずはそう言わせて欲しい。
今では普通に働けている僕にも眠れない夜があった。外出できない朝があった。なにも食べられない日があった。
もう二度と経験はしたくない。
でも、あの経験が僕を強くした。
そうはっきり言える。
だから、今まさ適応障害で辛い経験をしてくれている人に向けて、ほんの少しでも前を向ける記事を書いていく。
夜も朝も怖かった
![](https://assets.st-note.com/img/1708036168449-1mESJ0GdEx.jpg?width=1200)
適応障害になった後の自分は、まるで別人のようだった。
まず、夜眠れない。
22時には眠くなって、朝6時前には目が覚める。
そんな小学生のような生活を送っていた自分が、24時越えが当たり前になった。
むしろ夜が深くなるほど目は冴えていって、「寝なきゃ……。寝なきゃ……。」と思うほど脳が覚醒していくのを感じた。
もしかしたら仲間がいるかもしれない。
そう思って、東京の夜をひたすら歩いたこともある。
でも自分の視界に入るのは煌々と光るスカイツリー、ローソンの看板、車の光だけで、26時過ぎの東京には無機質しかなかった。
「こんな辛い経験をしているのはお前だけ。」
街全体にそう言われているようで、眠れない夜がますます嫌いになった。
夜が明けて、朝を迎えるのも怖かった。
ベランダから下を見れば、スーツを着たサラリーマンやOLが会社へ向かっている。
彼らからすれば、いつもと変わらない”当たり前”の朝なのだろう。
でもそんな当たり前なことすらできない自分が嫌で仕方なかった。
「お前、働きもしないで何してるの?」
日中に散歩に出ても、どこかからそう言われているような気がして、そのうち外出も怖くなった。
気持ちの良いくらい快晴の日ほど心が沈んでいく感覚は、後にも先にもこのときしかない。
眠れない夜と外に出られない朝。
そんな日々が1ヶ月くらい続いたと思う。
このときは何をしても楽しめず、何をしても気持ちが晴れず、辛い日々をじっと耐え忍ぶしか手段がなかった。
しかし、次第に心に余白が生まれるようになった。
具体的に何かをしたわけじゃない。
心が辛さに慣れたか、辛さを感じるのに飽きたのか。
徐々に、「これからどうするか?」と未来に目を向けられるようになり、転職活動を始めることができた。
あの朝と夜が今の自分を強くしている
![](https://assets.st-note.com/img/1708124245093-XBA7BrAV7c.jpg?width=1200)
今の僕はといえば、住み慣れた地元でそれなりに楽しく働いている。
転職した直後あるあるの社内のお客様待遇も終わりつつあり、任される仕事もだんだんと増えてきた。
そこにやりがいも感じている。
もちろん、やりがいや楽しさだけじゃない。
注意されたり、心無い言葉にへこんだりすることもある。
でも、だ。
あの夜と朝に比べれば全然大したことない。
そう、はっきり言える。
夜は眠れるし、朝は周りの人と同じように電車に揺られて出勤している。
幸せの基準は下がった
たとえば、朝ご飯を当たり前のように食べられること。
たとえば、仕事上の関係だけれど毎日誰かしらと話せること。
たとえば、「今日も良い1日だった」と思いながら眠りにつくこと。
そんな当たり前のことが、当たり前にできることに、幸せを感じるようになった。
それは当たり前ができなくなる”悲しさ”を知っているからだと思う。
辛さの基準は上がった
たとえば、仕事のちょっとしたミスで自分が嫌になること。
たとえば、ちょっとしたミスが意外と大事で先輩方に注意されること。
たとえば、心ない言葉が胸に突き刺さって針がなかなか抜けないこと。
もちろん辛い。できれば体験したくない。
でもこの程度の辛さならまだ大丈夫と、自信を持って言えるようになった。
それは本当に辛いものがなにかを、あのときの東京が教えてくれたからだと思う。
その経験があなたを強くする
「適応障害を経験したほうが良いのか?」と聞かれれば、
「経験しないに越したことはない」と絶対に答える。
でも、「適応障害に意味があったか?」と聞かれれば、
「意味のある経験だった」と胸を張って答えられる。
それは先にも書いたとおり、幸せの基準は下がり、辛さの基準は上がったからだ。
適応障害になった。
その事実を変えることはできないし、あの辛さはもう経験したくない。
きっとこれを読んでいるあなたは、「止まない雨はない」とか、「明けない夜はない」とか、そんな前向きな言葉を言われても響かないだろう。
あの辛さは理屈じゃない。
その気持ちはよくわかる。痛いほどわかる。
でも、僕がそうだったように。
その経験にはきっと意味がある。
そしてそれを乗り越えた先では、きっとあなたの人としての深みは一段も二段も増している。
僕はそう信じてる。