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一期一会の音楽のもつ熱量とは 大野和士のブラームス

9月3日、東京芸術劇場で東京都交響楽団を聴いてきた。

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第2番

ヴァイオリン:アリーナ・イブラギモヴァ
指揮:大野和士

イブラギモヴァ目当てで行った。当初は王子ホールでのオール無伴奏を取ろうと思ったが、華奢で可憐な印象のある彼女がどうブラームスを奏でるかに興味が湧いた。

ついでと言っては何だが、最近充実ぶりが伝えられる大野和士も久しぶりに聴いてみたかった。

イブラギモヴァのブラームスは残念な出来だった。
冒頭からものすごく歩き回って弾く笑 それだけ没入しているのかもしれないが、いかんせん音が軽い。

朝比奈隆はブラームスの音楽を「老年の男のセンチメンタリズム」と言っていたそうだが、ブラームスの音楽にはそうした女々しさがあるように思う。

イブラギモヴァのブラームスは一言で言うと若すぎた。
おじいさんの話をあまり理解しないで聞いている若い女性みたい。
ブラームスの書いた音楽的言語へのシンパシーが感じられなかった。

第2楽章のオーボエソロは美しく、ヴァイオリンも優美な歌い回しで応えていたが、いかんせん隣のババアが美しい箇所に限って指をこすって音楽と「シンクロ」してるのが耳障りで仕方ない。

最近演奏中に指や手や服をこする人が増えてきた。
じっとして聴けよ。お前だけ悦に入ってんじゃねーよと言いたい。
ノリノリで聴きたいなら家で踊ってろ。

こういう輩は音楽とシンクロしたくて指をこすってるのだから、当然指のこすれる音も自分の耳に入っているはずである(音が聞こえないならシンクロにならない)。
だから「音がしていたとは思わなかった」と言ったとしても嘘だろう。ほんとに困った連中だ。

しかも演奏中に2回も飴袋開けるし。こういうババアはイエローカード申告して、何枚か貯まったら出禁にしてほしいですね。あちこちで同じことやってるんだろうし。

交響曲第2番は面白味のない演奏だった。前日の高関健を舞台袖で聴いたのもあるが、3階席ではステージが遠すぎる。
指揮者の顔が見えないのも遠さを感じる原因だった。

教科書通りの演奏というのか。ブラ2なんて超名曲なんだから飽きるくらい聴いている。
わざわざお金払って会場まで来るならCD以上の何かを期待しているのだ。

残念ながら大野のブラームスにはそれがなかった。数多のCDに何をプラスアルファしたのか皆目わからなかった。

ウケたのはラスト1分だけ唐突にオケが白熱したこと🤣
そんな元気あるなら最初からそのテンションでやってよ😂
余力を感じる演奏だった。7割程度の力で弾いてたのでは?

都響やN響は熱くなるイメージがない。シティフィルや東響はいい意味でアマチュア的な熱量がある。

さっきも書いたが、お金を払って会場まで出向いて聴く音楽がCDと変わらないってどういうこと?
変わらないどころか、もっと興奮の坩堝に連れていくCDはごまんとあるだろう。

久しぶりに大野和士を聴いたが、当分聴かなくていいなと思った。
定期演奏会でブラームスの2番である。王道プロでこの仕上がりでは、他の曲をわざわざ聴きに行きたいとは思えない。

前日の高関健のエルガー&シベリウスは曲にノレなかったが、この日のブラームス2曲はどちらも残念な出来だった。
おまけにマナーの悪い客が隣で、踏んだり蹴ったりだった😓

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