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オーケストラコンサート初心者さんにおすすめの指揮者3人

先日、当ブログを読んでオーケストラに興味を持ち、コンサートに行くようになりました、という嬉しいお声をいただきました😊

このブログがきっかけでクラシックに興味を持ってもらえるのは大変嬉しいです。

最近の私は室内楽よりオーケストラのコンサートに行くことが増えました。
当たり前ですが、オーケストラの方が楽器の数が多く、規模の大きな音楽をやっています。
室内楽でもバッハの無伴奏チェロ組曲なんて、チェロ一台にもかかわらずオペラにも匹敵するスケールの大きな音楽だとは思いますが、いまの私は指揮者に興味がある時期なのかもしれません。

コンサート初心者の方には、ぜひオーケストラのコンサートに行ってみてほしいです。

おすすめは以前も書きましたが、協奏曲のあるコンサート。

例えばこんな感じ。

シベリウス:交響詩「フィンランディア」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(アンコールで、エルガーの「愛の挨拶」)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」

実際にはなさそうなコテコテの超名曲プログラムですが、このプログラムのいいところは曲の形式も作曲家の国もバラバラなところです。

「フィンランディア」は管弦楽曲という部類です。
「愛の挨拶」は伴奏なしだと器楽曲になるので、一度に4つの形式(管弦楽曲、協奏曲、器楽曲、交響曲)が楽しめるのです。

作曲家も順番にフィンランド、ロシア、イギリス、ドイツとバラバラです。
それだけに統一感には欠けますが、一度にいろいろ楽しめるという点ではよいです。

もちろんマーラーやブルックナーの交響曲1曲だけの超直球プログラムは指揮者の勝負コンサートであることが多く、ガチなオタクが行くことも多いですが、最初から大曲だと飽きたり疲れたりするリスクがあります。

YouTubeで予習して慣れてからだったらいいと思います。
「予習」というと勉強みたいですが、曲の流れや楽章の切れ目がわかればいいので、何かやりながらのBGMとして流すので全然構いません。

とにかく、何もリサーチせずにぶっつけ本番で来るのだけはやめてください!😅

いや、来てもいいんですけど、クラシックを聴く習慣のない人がいきなりコンサートに来ても絶対飽きます。
特に最近はスマホのせいで退屈耐性がない人が増えたので、ひたすらプログラムをパラパラめくって暇つぶしをするはめになります。

事前に一通り聴いてみて、生で聴いてみたければコンサートに行きましょう。
何も準備せずに楽しめるわけがないと私は思います。
私だって小中の音楽鑑賞会は退屈しきってました。本番をより楽しむために、ぜひ準備をしていただきたいのです。

さて、「どのオーケストラコンサートに行けばいいのか?」という問題です。

東京でしたら、

NHK交響楽団(N響)
読売日本交響楽団(読響)
東京都交響楽団(都響)
東京交響楽団(東響)
日本フィルハーモニー交響楽団(日本フィル)
新日本フィルハーモニー交響楽団(新日本フィル)
東京フィルハーモニー交響楽団(東京フィル)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(シティフィル)
パシフィックフィルハーモニア東京(パシフィックフィル)

の9つのオーケストラが日本オーケストラ連盟の正会員なので、主な在京オーケストラと呼んでいいと思います。

最初の3つ(N響・読響・都響)は「御三家」と呼んでもいい経済的規模の大きなオーケストラです。
オーケストラの個性は音楽監督や首席指揮者によって決まる部分が大きいですが、私が特に推したいのは東響(ジョナサン・ノット)、日本フィル(カーチュン・ウォン)、シティフィル(高関健)です(括弧内は音楽監督などの名前)。

ジョナサン・ノットは2025-2026シーズンで東響の音楽監督を退任してしまうので、チケットは争奪戦かもしれません。
インテリジェンスの高い音楽でありながら、絶えず情熱が迸っているという「知・情・意」のバランスに長けた指揮です。

ノットはどのコンサートも満足度が高いです。来年は大曲が多いので、まったく初心者向きではありませんが、ガチのクラオタが集うコンサートの熱気をぜひ一度味わってほしいです。

コーヒーの美味しさを知るには、ブラックが苦手だからといって砂糖やミルクをガバガバ入れてしまっていてはいけないのです。
最初は美味しく思えなくてもブラックコーヒーの美味しいとされる喫茶店でいろいろ飲んでみるのが大事だと思います。

クラシックコンサートもオタクが行かないコンサートばかり行っていても、なかなかクラシックの真髄はわかりづらいです。これはクラシックに限らず、演劇や古典芸能でも言えます。
その道のファンが集う目玉公演こそ、体験してほしいのです。

なお、東響の主催公演は障害者割引があります(全席半額)。

次はカーチュン・ウォンです。

シンガポール出身ながら仕草やキャラクターが日本人ぽいところがあり、親近感のわく指揮者です。
指揮姿も芋掘りに見えたり、完全に洗練されていないところが面白く、欲しい音のためにはどんな仕草でもするという姿勢も好感がもてます。

写真の公演は近くなってから買えばいいやと思っていたら、あっという間に完売してしまいました😂 マーラー・シリーズは人気が高いのかも。

日本フィルは人気の高いコバケン(小林研一郎)もよく振っていますが、ぜひカーチュンも聴いてほしいですね。

日本フィルも障害者割引があります。S席は半額、他はヤングシート(最安席)と同額という気前の良さです。

最後に高関健/シティフィル。

年明け早々にコンサートがあります。奥井紫麻さんも私の推しです。

高関さんは今日の東急ジルベスターコンサート(12/31  23:45〜テレビ東京系)で年越しカウントダウンデビューされるので、知名度が上がるかもしれません。

実直、誠実な音楽作りは業界屈指です。楽譜マニアで、アナリーゼ(楽曲分析)には定評があります。

シティフィルも障害者割引があります。全席半額です。

昨日たまたま読響のコンサートを調べてたら「チケット代、高っ!」ってなりました😅(読響は障害者割引なし)

私がいろいろコンサート行けるのは割引制度のおかげです。
読響もN響も定価で買うことはまずなく、「おけぴ」(チケット売買サイト)で安く手に入れば……って感じなので。
「気軽にコンサート来てね!」と今まで呼びかけてましたが、読響のチケット料金見てたら「簡単には呼べないわ」と思いました😂

それだけにシルバー割引、ヤングシート、障害者割引とか、割引制度が使える人はぜひ使ってくださいね!
ピアノ・リサイタルで障害者割引はまずありません。オーケストラコンサートの良さはそこにもあります。

私が聴いた中では、ファビオ・ルイージ/N響、セヴァスティアン・ヴァイグレ/読響、チョン・ミョンフン/東京フィルもよかったです。
ただN響を聴くなら、NHKホールのA定期・C定期よりサントリーホールのB定期がいいでしょう。
NHKホールは音響が今ひとつで、席によっては前の人の頭で指揮者が見えないこともあります😂

チョン・ミョンフンはチケット代が高いです😂

ノット/東響、カーチュン・ウォン/日本フィル、高関健/シティフィルは毎回クオリティが高いです。
もちろんすべてが当たりということはありえません。
しかし、音楽への向き合い方が誠実で、信頼のおける指揮者たちです。まずはその3人を聴いてみてください😊

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