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コンサートホールは魑魅魍魎の館 古典四重奏団のショスタコーヴィチ その2
ルーテル市ヶ谷センターで、古典四重奏団のショスタコーヴィチ・チクルス第2回を聴いてきた。
レクチャー
弦楽四重奏曲第1番ハ長調作品49
弦楽四重奏曲第5番変ロ長調作品92
弦楽四重奏曲第4番ニ長調作品83
今回は演奏会の感想とそれ以外の話題の2本立て。
読後の余韻を大事にしたい方は演奏会の感想だけにしといた方が吉かも😅
演奏会の感想
5番が一番よかった。演奏水準にムラはなく、おそらくすべて名演なのだが、一番面白い曲に感じたのが5番だった。
躍動感、構造美、情熱、そういったものが渾然一体となって複雑な様相を呈する。
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏の何と深遠なこと。
ブルックナーの緩徐楽章より深遠(ベートーヴェンやブラームスならなおさらだ)。
バッハのロ短調ミサに匹敵するような濃厚な内容。これは全曲通わねば🤔
とはいえ、あまりにモノトーンな世界なのがやや不満。
色彩感がまったく感じられない音楽なのだ(演奏、ではない)。
「シンドラーのリスト」を見ている感じと言えようか。
それだけ苛烈な人生をショスタコーヴィチ自身が歩んでいた証でもあるだろう。
長年メンバーを変えないで活動してるから、音楽の緊密さが半端ない。
カルテットには疎いのだが、ジュリアードQやブダペストQに匹敵する峻厳さではないだろうか。
演奏面で気になったのは、1st Vnの川原さんが演奏中に頻繁に弦を布で拭いていたこと。
自分の出す音をよりよくしたいという思いからだろうが、他のメンバーの音をまずくしてるし、何よりイマジネーションの世界から急に現実に引き戻される気がする。
前回も頻繁にチューニングしてたし、やや神経質な印象が客席に伝わってくる。
古典四重奏団を聴くのは3回目。ハイドンもショスタコーヴィチもよかったので、バルトークやベートーヴェンもぜひ生で聴いてみたい。
コンサートホールは魑魅魍魎の館
さて余談だが、最近そう感じることが増えた😅
今日もスゲーのがいた😂
過去最大レベルの鼻息おっさん😂
小型のサーキュレーターレベルだったよ。
開演前から鼻息の大きさにびっくりしたが、開演前に席を変えてもらうわけにもいかず、前半は我慢して聴いた😭
しかし、ある変化に気づいた。
私は一年後の障害者就労を目指して就労支援事業所に通っているのだが、そこではさまざまな自己理解のプログラムがある。
やってることをSNSに書いてはいけない決まりなので詳しくは書けないが、発達障害の人たちが障害特性の理解を深めて、生きやすくなるためのプログラムである。
それを2か月受けてきたせいか、考え方の変化を感じた。
以前なら前半ずっとイラついてたはずだが、今日はほとんどノーストレスだった。
いや、「ふざけんなよ!😡」とは思いましたよ。
ノイズを出すのをやめられない体調ならコンサートに来るべきではない、というのが私の考えです。
心が狭いですかね?
だって、チケット買えば誰でも入っていいなら、ずっと咳込んでる人も聴いていいことになりますよね?
美輪明宏はかつて肺の病気がひどく、咳が止まなかった時期があるそうで、その時期の観劇はすべて我慢したそうです。
不随意に声が出ちゃうトゥレット症候群の方に会ったことがあります。
しかし、コンサートで見かけたことはありません。
クラシックが好きな方も当然いると思うんです。でも障害ゆえに、生で聴くのは断念されてるのでしょう。
ですから、どうしても声や音が出てしまう人向けのコンサートがあってもいいのかもしれないと思いました。
それは障害などが理由の“仕方がない”ケースですが、今日のおっさんは「よく来たな」と思いましたね。
本人もさすがに気にしてる風だったが、だったら来るなよ……😓
前半聴いてる間に思ったのは「このおっさん、よく来たな」のラインは崩さなくていいということ。
「おっさんも気にしてる風だし、責めるのは酷かな……」と以前なら無理に思おうとしてたかもしれない。
休憩中に受付の人に言って、席を変えてもらおうと思った。
今までコンサートで変えてもらったことは何度もある。現実的な解決策が見えると気持ちも楽だ。
以前は係員に頼んで注意してもらっていたが、現場を見てないと直接の注意はしづらいようで、なおかつ鼻息は生理現象なので指摘しづらいそう。
頼んだところで、辺り一帯に「小さな物音でも周りのお客様のご迷惑になりますので……」という注意喚起になるのは予想できた。
今日のおっさんは自覚してたが、マナーの悪い人に漠然と注意喚起しても自分のことだと思わないからね。効果なし。
本人に直接言ったこともあるが、今日の人は息苦しそうだったし、おそらく止めるのは不可能と思われた。
私もむかし蓄膿だったから、呼吸しづらい苦しさはわかりますよ。
でも、周囲にはっきり聞こえるレベルのノイズがずっと出るようなら、コンサートに来るべきではない!
ステージ近くだったし、出演者にも聞こえてたと思う。
係の人に話すときはクレーム調ではなく事情を簡潔に話して、お願いモードにした。
「変えていただくことってできませんか?」
係の方、「大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」って、あなたの責任皆無ですから😅
かなり後方に移って聴いたが、ルーテル市ヶ谷センターは後ろの席の方がいいかも。
弦楽四重奏が俯瞰で見れるし、きちんと4人の音がブレンドしてる。
間近で聴いてると奏者の表情はよくわかるけど、音がダイレクトにぶつかってくる感じ。
音響いいし、次回からは後方の通路側にしよう。
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏って、かなり難易度高い玄人好みの世界。
27年コンサートに通ってきて、この難易度の音楽の面白さの一端を理解できるようになれて嬉しい。
クラシックは本当に奥が深い。
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