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ちはるのファーストコンタクト(2018年)

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2018年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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#研究

【研究】良いリサーチ・クエスチョンの要件 “FINER”

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回はリサーチ・クエスチョンを立てる前にクリニカル・クエスチョンを言葉にしていくということを書きました。現場で感じた、悩み、わからないこと、つまづき、問題点、改善が必要なこと、理解できないこと、学んだ知識どおりではないこと、こうしたものすべてがクリニカル・クエスチョンになります。 クリニカル・クエスチョンをきっかけとしてリサーチ・クエスチョンを作っていきます。良いリサーチ・クエスチョンは研究の原動力となります。では良いリ

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【研究】態度や信念を多次元のものとして測る

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、態度や信念を測定するための良いものさしには信頼性と妥当性が必要であることを書きました。信頼性とは、測りたいものを安定して測れるかどうかということです。妥当性とは、本当に測りたいものを測れているかということです。 では本当に測りたいものを測るためにどのような工夫が必要でしょうか。前回幸福度を測るために「あなたはどれくらい幸福ですか?」という質問1つだけで測ることの問題点を挙げました。それは回答者によって思い浮かべる

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【研究】態度や信念を測定するものさし(質問紙)を作る

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は、態度や信念は私たちが知らずに持っている自分専用のルールブックのようなもので、このルールブックがどのように書かれているかを測定することができれば便利だということを書きました。 態度や信念を測ることができれば便利だというのは、それがその人の行動を予測するのに有効な変数になっているということです。たとえばその人の「勤勉性」というものがあるとして、それを測ることができれば、将来にわたってその人がどれくらい遅刻しないか、良

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【フリー】研究のトレーニングを受けることの効果とその意味

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問は「Peing 質問箱」からお送りください。匿名で送ることができます。 https://peing.net/kogo 今回は、フリーテーマで書きます。 来年度の大学院入試(一般)の合格発表があり、来春には博士課程に3人、修士課程に1人はいってくることがわかりました。全員が現役の社会人です。まさに社会人ゼミです。一方で博士号を取れる人は年に1人か、多くて2人ですので、博士号を取れずに去っていく人も一定

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【研究】要因とアウトカムについての見立てさえ的外れでなければ意味のある研究が成立する

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は「PICO/PECO」の中の介入(I)/要因(E)とアウトカム(O)が特に重要だということを書きました。たとえば、介入として「あやとりペアワーク」を考えたときに、もしそれがボケ防止に効果があるのであれば、それが効いているのは「あやとり」の要因なのか「ペア」の要因なのか、ペアならば同性でも効くのか、異性同士の場合のみ効くのかなどのさまざまな要因が絡み合っています。またアウトカム/効果をどのように測定するのかということも

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【研究】要因を分析することと測定する変数を決めることがワンセット

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回はリサーチ・クエスチョンの型として「PICO/PECO」を紹介しました。これは以下の頭文字をとったものです。 PICO ・Patients 誰に対して ・Intervention どんな介入をすると ・Comparison 何と比較して ・Outcomes どのような効果がでるか PECO ・Patients 誰に対して ・Exposure どんな要因がある人は ・Comparison 何と比較して ・Out

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【フリーテーマ】大学院生の研究面の個性:発散型と固着型

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問は「Peing 質問箱」からお送りください。匿名で送ることができます。 https://peing.net/kogo 今回は質問がないので、フリーテーマで書きます。 博士課程の大学院生を受け持っているので、博士号を取ってもらうことが私の仕事のひとつになっている。研究をして、投稿論文を書いて、それを繰り返して、最後には博士論文にまとめることが博士号を取得する唯一の道だ。それは誰にとっても大変な道だ。

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【研究】リサーチ・クエスチョンの構造 PICO/PECO

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は良いリサーチ・クエスチョン(RQ)の要件として「FINER」を紹介しました。これは「実行可能 Feasible/おもしろい Interesting/独創的 Novel/倫理的 Ethical/切実 Relevant」の英語での頭文字をとったものです。 ではリサーチ・クエスチョンは一般的にどのような形式でしょうか。クエスチョンですから、疑問形「〜なのか?」で終わる形です。では、疑問形であればなんでもリサーチ・クエスチ

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【研究】おもしろい研究とは何か

水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。 前回は良いリサーチ・クエスチョン(RQ)の要件として「FINER」を紹介しました。これは「実行可能 Feasible/おもしろい Interesting/独創的 Novel/倫理的 Ethical/切実 Relevant」の英語での頭文字をとったものです。その中でも、Interesting = おもしろいと、Novel = 独創的は、特に重要な要件です。 自分が考えたRQがNovel(独創的/新奇性がある)かどうかは先行

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研究するということは個人の統合かもね。

水曜日はフリーテーマで書いています。 先日の第3回おとなの研究会では、塾生の皆さんの研究発表を聞きながら考えていた。研究するということは最終的には個人の統合ということなのかもしれない。 「研究する」というと、一般的に、堅苦しく、生真面目で、形式ばったものを連想させるかもしれない。しかし実際にはそれとは逆で、自由で、個性豊かで、クリエイティブなものだ。その人の研究発表を聞いていると、いやがおうでも「その人自身」が現れてしまうものなのだ。研究というのは、どうしようもなくその人

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【注目記事】生産性を高める方法/変数のその先

土曜日は「注目記事とヒント」を書いています。FacebookやTwitterでシェアした記事を取り上げて感想やコメントを書きます。 187 科学的に実証された、生産性を高める型破りな5つの手法 188 変数のその先に何を想定するか 187 科学的に実証された、生産性を高める型破りな5つの手法医療従事者の多くは日記をつけています。プロの科学者のほとんどが「研究日誌」をつけています。目覚ましい活躍で世に知られた人たちも定期的に日記をつけています。どうやら、日記をつけると生産性

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「オトナの研究」3本(2017年8月のnote記事より)

noteマガジン「ちはるのファーストコンタクト」を定期購読いただき、ありがとうございます。定期購読を開始してもその月より前の記事は読めませんので、定期購読者向けにときどき過去の記事をまとめて読めるようにしています。 今回は、2017年8月のnote記事から、「オトナの研究」3本をまとめてお届けします。 07 現場の観察から要因/変数を見つけだすのがWhat型の研究の第一歩。 08 キーワードの概念を明確にする。 09 「自分だけが気づいている」という楽しさを一瞬でも味わっ

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自分の研究を知ってもらうことの大切さとSNSの利用。

火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています。 エディテージという会社のサイトに「学会発表で効果的に研究をツイートするための5箇条」という記事が載った。 学会発表に関する実況ツイートを行うことで、効果的な研究コミュニケーションが可能になり、ネットワークの構築や共同研究の機会をつかむきっかけが得られます。学術コミュニティもTwitterを利用しており、あなたが届けたいと思うユーザーに向けてメッセージを届けることができるのです。 この記事全部を読むには登録が

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【注目記事】星野リゾートの「教科書通り」経営/一番古い記憶はフィクション/ゼミで他人の研究の話を聞くこと

土曜日は「注目記事とヒント」を書いています。FacebookやTwitterでシェアした記事を取り上げて感想やコメントを書きます。今回からTwitterのシェア記事も含めます。 175 深化する星野リゾートの「教科書通り」経営強調したいのは、教科書は部分的に採用してもダメだということです。全体をトップが先頭に立って徹底するのが重要です。会社全体で取り組まずに「この部署だけで」などとやろうとしても、教科書はうまく使えないと思います。 https://business.nikk

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