【フリーテーマ】大学院生の研究面の個性:発散型と固着型
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今回は質問がないので、フリーテーマで書きます。
博士課程の大学院生を受け持っているので、博士号を取ってもらうことが私の仕事のひとつになっている。研究をして、投稿論文を書いて、それを繰り返して、最後には博士論文にまとめることが博士号を取得する唯一の道だ。それは誰にとっても大変な道だ。
その中でも一番大変なのは一本目の論文がジャーナルにアクセプトされることだ。一本目の論文が採録されるとあとはなんとか進んでいく。だから私の仕事は最初の論文をどうにかしてアクセプトされるように手伝うことになる。それにはコツがあるようだ。院生にはそれぞれ個性があるのでそれに注目するといいかもしれない。
その個性は大きく分けると、発散型と固着型だ。発散型の人はどんどんアイデアが広がっていく。次から次へと手を出していく。その一方で、それを一貫性のある形にまとめることに苦労する。だから私の仕事はそこを手伝うことになる。いつでも、自分の研究の一貫性に注意するようにアドバイスする。「なぜそれをやろうとするの? 研究の中核は何?」という問いかけが効く。
反対に固着型の人は狭いところを掘り過ぎてしまう。ずーっとそこを掘り続ける。反面、それを展開するのに苦労する。だから私の仕事はそこを手伝うことだ。いつでも、自分の研究の展開に注意するようにアドバイスする。「だから何? 次はどうなる?」という問いかけが効く。
少し前に紹介した小塩先生の本『性格がいい人、悪い人の科学』(日本経済新聞出版社, 2018)で、ビッグ・ファイブは安定性(協調性+勤勉性+情緒安定性)と柔軟性(外向性+開放性)の2軸にまとめることができそうだとあった。
上の発散型と固着型という分類は、それぞれ柔軟性と安定性に対応しそうな感じがする。
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