ターゲットは今も昔も学生!最新CMからみえるMATCHの戦略
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
先日YouTubeを観ていたら面白そうなCMがおすすめに出てきて、つい全部観てしまいました。
「寺田心くん、もう高校生なの?!」という驚きと、ビタミン炭酸MATCH(マッチ)は私自身も高校時代によく飲んでいたのでとても懐かしい気持ちになりました。
以前、大塚製薬の「ポカリスエット」や「カロリーメイト」についても分析しましたが、「マッチ」はやはり学生に人気の商品なのでしょうか?
以前も平野紫耀さんが男子高校生として出演するCMとキャンペーンを行なっていた「マッチ」。
今回は「マッチ」がなぜ寺田心さん・そして学校生活をCMに起用したのかについて分析していきたいと思います!
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大塚食品マッチ
マッチの誕生秘話
1996年に発売したマッチは軽い運動をして汗をかいた時においしく飲める炭酸飲料として開発されました。
通常の炭酸飲料だと一度に多く飲めないので「ゴクゴク飲める炭酸飲料」をコンセプトに、開発がスタートしました。
炭酸の配合にこだわり何度も試作を重ねた結果、現在の微炭酸にいきついた商品だそうです。
マッチの特長
マッチの特長は爽やかな味わいと微炭酸でゴクゴク飲みやすく、ビタミンとミネラルがおいしくとれるビタミン炭酸飲料です。マッチ500mlでは1日分の4種類のビタミン(V.B6、ナイアシン、V.C/栄養素等表示基準値に基づく)とミネラル(ナトリウム)を摂取することができます。
炭酸飲料の認知率×満足率を調べると、「マッチ」は認知率70%以上に位置しており、満足率は炭酸飲料の平均よりも高いです。
購入者分析
マッチ購入者のデモグラ構成比をみると20代前半〜40代後半が多く出ています。男女比では男性が多いです。
「マッチ」の7 Journeyを見てみると、認知率は比較的高いですが、やや好意的ではありますが最近購入していない巻き戻し層が高めです。
ファネル分析では認知からの購入意向も70.9%とそこそこ高く、また現在購入⇒リピート意向は97.4%とリピーターが多いようです。
ロイヤル層もやや高めに出ていたので、一定のファンがいる商品なのかもしれまん。
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どんな人が購入してる?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"アウトドア派”"モノ重視”"倹約家”な方が多いです。
社会価値観は"依存集中型”“おりこうさん”“出世優先”のクラスターが並んでいます。さまざまな環境や職業の方に多く利用されているのでしょうか。
消費価値観は"ステータス消費”に次ぎ、“リターン期待型消費”“ネタ消費”が高いです。ファネル分析でも出ていましたが「マッチ」を気に入って選んでいる人が多いのかもしれません。
では、今回CMに起用された寺田心さんについても見てみましょう。
寺田心さん
寺田心さんの年齢別ファネル分析を見てみると、40代前半〜50代前半の認知が高く出ています。「マッチ」が発売したときにちょうど小中高学生だった世代が多いようです。
好感分析
寺田心さんに好感がある人のデモグラ構成比をみると20前半、40代後半〜50代前半、60代後半が多く出ています。40代後半以降の方には心”くん”に対して親目線で見守っている?のかもしれませんね。
男女比では女性が多いです。
どんな人が好感を持っている?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"健康志向”"強心臓”"な方が多く、社会価値観は"環境や社会大事”“おりこうさん”“ワーカホリック”が多いです。
消費価値観は"エシカル消費”に次ぎ、“ステータス消費”“ノスタルジー消費”が高いです。
全体的に見て真面目で健康や社会問題に興味のある方が多いのでしょうか?
炭酸飲料どんな時に飲む?
マイボイスの炭酸飲料に関する調査によると炭酸飲料を飲む頻度については炭酸飲料(炭酸水、フレーバーウォーターは含みません)の飲用者は8割弱、過去調査と比べて減少傾向です。週1回以上飲む人は3割強となっています。
また、炭酸飲料の飲用シーンは「のどが渇いたとき」が飲用者の4割強、「休憩中・休み時間」「スカッとしたい」が各3割強でした。
特に若年層は「食事と一緒に」「食後」「おやつ」と答えており、「スカッとしたい」「気分転換」は女性の比率が高いです。
高校生はどんな飲み物を好む?
LINEリサーチの高校生対象飲み物に関する調査によると、全体1位は「炭酸飲料」で約4割、2位は「果汁飲料」、3位は「水/ミネラルウォーター」が約3割で続いています。
男女別にみると、男子高生は「炭酸飲料」が1位で、2位以降と差をつけ4割超と特に高い割合を占めています。さらに「スポーツドリンク」「エナジードリンク/栄養ドリンク」も男子高生は女子高生よりも割合が高く出ています。
どうして学生にマッチ?
ターゲットは学生、元学生世代からも人気
「マッチ」は2009年頃からメインターゲットを「高校生」に絞り、高校を舞台にしたテレビCMや学校内でのサンプリングなどのコミュニケーションを続けたところ、徐々に認知が拡大したそうです。
2023年の春夏にXで実施した「おつかれさマッチタイムリープキャンペーン」「おつかれさマッチ大賞」のPR施策も話題になっていました。
2023年1~6月のマッチブランドの売れ行きは、出荷金額ベースで前年超と人気を維持しており、特に「マッチ 500mlペットボトル」の伸びが牽引しているそうです。
また高校生を中心とした若年層に加え、発売当時に学生でマッチを飲んでいた30~40代にも選ばれているとのことで、マッチ現在購入者のデモグラにも合っています。
寺田心さんがCMに起用の背景は?
マッチのこれまでのCMを見てみると、学生をターゲットにしていることもあり、学校生活の内容のものばかりです。また理解率と好感率も高く、消費者にとってわかりやすい・面白いと感じるものが多いことがわかります。
また「マッチ」の7 Journeyでは巻き戻し層が多く出ていましたが、マッチ巻き戻し層の好感のあるタレント(俳優)相関分析を見てみると、鈴木福さんに次ぎ、寺田心さんが高く出ていました。
マッチのCMでは高校生をメインに扱ったものが多いので、現在大学生の鈴木福さんやアーティストとして活躍される加藤清史郎さんではなく、高校生の寺田心さんが選ばれたのかもしれません。
また寺田心さんに好感を持つ人のデモグラ層はマッチ現在購入者層のデモグラ層も包含しているので、リピーターから未認知層までアピールできそうです。
新商品もターゲットは学生?
「マッチ」が2024年3月に新ラインアップとして発売した商品を見てみると、マッチゼリーはおやつ感覚でも飲めますし、また飲み物の好み調査で2位に果汁飲料が来ていたことから、パイン味も人気が出そうです。
高校生や若年層の飲料シーンや好みに合った商品になっているのではないでしょうか。
またマッチは販路拡大にも力を入れており、全体的に販路が広がった中でも2023年は特に関西エリアのコンビニへの店舗拡大が販売増に繋がったそうです。また商品ラインナップの特徴からも、自販機は運動シーンに関連したロケーションにも多く設置されているそうです。
LINEリサーチでも高校生がふだん市販の飲み物を自分で買う場所についての調査のTOP2は「自動販売機」「コンビニエンスストア」で、どちらも7割台となっています。
学生、特に高校生に向けた商品アピールやプロモーションを行うことで、今後も「マッチ」は長年愛される炭酸飲料になりそうですね。
まとめ
「マッチ」購入者の特徴
・20代前半〜40代後半、男性に人気
・アウトドア派・モノ重視・倹約家
・さまざまな職業や環境の方に選ばれる
・ステータス消費・リターン期待型消費・ネタ消費の傾向が強い
寺田心さんに好感を持つ人の特徴
・20前半、40代後半〜50代前半、60代後半、女性に人気
・健康志向・強心臓
・環境や社会大事・おりこうさん・ワーカホリック
・エシカル消費・ステータス消費・ノスタルジー消費の傾向
今回のCMでは共学に強い憧れを持つ主人公が“異世界転生”し、共学での青春を感じながら、ある時男子校に戻りたいと気づく青年のリアルな葛藤を描いています。共学・男子校・女子校に現在通う人や通っていた人、すべての人が楽しめる内容ではないでしょうか。
今後のCMも楽しみですね!
筆者のひとこと
今回の分析でマッチのターゲット層から販促内容を見て、確かに私も高校生の時学校内の自販機でよく「マッチ」を買っていたことを思い出しました。特に体育の後や夏の暑い日にごくごく飲んでいた記憶です。
また今回の男子校から共学という異世界転生CMも、とても面白いドラマ仕立てで、女子校出身の自分としては女子校版も観たいなと思いました(笑)。
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