ターゲットに刺さる戦略ストーリーの構築 売上に直結するデータ活用法②
前編の売上に直結するデータ活用法①では、売上UPのカギを握る顧客は誰なのかの絞り込みまでをお伝えしました。
今回は、Knowns Bizで顧客理解を深めて刺さる戦略ストーリーにつながるのかをみたいと思います。
①で取り上げたヘアケアブランドPを事例にしてみてみましょう!
売上UPに大きく貢献しそうなセグメントが2つありますが、この先では巻き戻し層を深堀りしたいと思います。
★この内容を動画で見たい方はこちらをご覧ください★
セグメントの顧客理解を深める
①デモグラフィック
Knowns Bizでは7 Journey別にデモグラを2通りの見方で確認できます。
ひとつは巻き戻し層を100%にしたときのデモグラ構成比
もう一つは、デモグラ軸での7 Journey項目での構成比
今回は後者の方で確認していきたいと思います。
まず性別でみてみましょう。
上の図は男性、女性それぞれを100%にした場合の7 Journeyの構成比です。
現在購入しているロイヤル層は、女性の割合が多いですね。同じく巻き戻し層も女性が多いのがわかります。
次に、5歳刻みの年代で見てみましょう。
こちらは各年代を100%にしたときの7 Journey構成比です。
ロイヤル層が多い割合で存在しているのは25歳〜39歳。
巻き戻し層が多い割合で存在しているのは30〜55歳とわかります。
居住地で差があるのかや、婚姻、子供の有無でもみてみましょう。
みたところ居住地で目立った差はなさそうです。
一方巻き戻し層は、年代で見たときに30代以上に多い割合だったこともあり、既婚者の方がやや多く、子供がいる方もやや多い傾向がみられますね。
職業に関しては、例えば自営業を100%とした時の7 Journey構成比もみることができるのですが、自営業の全体母数がピンとこないと思いますので、今回はブランドPの巻き戻し層を100%にして職業構成比をみてみました。
こうしてみると、巻き戻し層はパートアルバイトや専業主婦(主夫)の割合が多いのがわかります。
この他にもKnowns Bizでは、デモグラ項目として年収(個人と世帯)や最終学歴などもみることができます。
②サイコグラフィック
続きまして、サイコグラフィック(価値観)をみていきましょう。
こちらがブランドP「巻き戻し層」の消費価値観です。
Knowns Bizでは消費価値観を全部で30項目用意しています。
アンケート回答者には行動・心理テストのような質問に答えていただいており、その回答の組み合わせにより消費傾向を見定めております。
このグラフの見方ですが、
ブルーのグラフが世の中平均よりも多い価値観、
ピンクが世の中平均より少ない価値観になります。
ここで、ブルーのグラフが2本飛び出している部分を注目してみたいと思います。
最も飛び出しているのが「直感消費」。次に「トレンド・限定重視消費」になります。
「直感消費」は、実物をみなくても、自身がピンときたものを悩まず購入する消費行動です。
「トレンド・限定重視消費」は、流行りものや限定ものに目がない消費行動です。
ブランドPの巻き戻し層には、上記のような消費行動の方が多くいるということになります。
逆に赤いグラフの部分ですが、「お得新品消費」は、中古品にはあまり価値を見出さず、新品のものなら、労力をかけてもお得に賢くお買い物をしたい消費行動になります。
ブランドPの巻き戻し層は「お得新品消費」の方は少ないということになります。
サイコグラフィックは、「消費価値観」のほかに「個人価値観」と「社会価値観」を用意しています。
「個人価値観」は性格的なものになります。
「社会価値観」は社会とどのように関わるかを示しています。
ブランドPの巻き戻し層の個人価値観をみると「傍観者 事なかれ主義」「報われ待ち」が目立ちます。
「傍観者 事なかれ主義」は、物事を冷静に客観視できる。常に状況を把握し、損しない立ち回りをするタイプになります。
「報われ待ち(報われ待ちの羊タイプ)」は、小さいなことの積み重ねを大切にし、自分のやっていることがいつか報われるはずと良いことが起こるのを待っている受動型のタイプです。
また、運命がやってくるまでの日々の自分へのプチご褒美(コンビニスイーツ的なもの)を欠かさないタイプになります。
社会価値観では、「自分より家族優先」「対人ストレス過多」など少し我慢している部分も見えてきます。
③ライフスタイル
さらにKnowns Bizにはライフスタイルに関するデータも入っています。
食に関することや、健康に関すること、お金に関することなど様々なデータがあります。
今回のブランドPは、へアケアブランドですので、美容や入浴に関するライフスタイルデータ×ブランドPの7 Journeyの掛け合わせで確認すると良さそうです。
では、巻き戻し層のライフスタイルの特徴を簡単に2つみてみたいと思います。
まず、「シャンプーに求めている機能・効能」とブランドPのセグメント別でみてみます。
他のセグメントよりも多い部分に赤マルをつけてみました。
「髪のダメージケア」「頭皮・地肌ケア」「髪・頭皮のにおいを防ぐ」が、他のセグメントより少し高い数値になっています。
巻き戻し層は、ロイヤル層よりも年齢が高めでしたので、ダメージを感じやすくケア意識も高いのかもしれません。
次に「シャンプー・コンディショナーを購入する際重視すること」とブランドPの掛け合わせのデータです。
髪質との相性と香りの重視度が他よりも高めに出ていることがわかりました。
④メディア接触
またKnowns Bizではあらゆるメディア接触と、接触による認知や購入のきっかけになっているかのデータも入っています。
今回はメディア接触をみてみたいと思います。
Instagramの接触とブランドPのセグメント別データをみてみると、ブランドPの巻き戻し層では、37%がほぼ毎日接触し、全体の半数以上が週1日以上は接触しているのがわかります。
そしてブランドPはヘアケアなので、美容系口コミサイトの「LIPS」「@cosme」との接触頻度もみてみました。
巻き戻し層の25%くらいが月1程度は接触していますね。1/4の方々は、ヘアケア、スキンケア、メーキャップなど、新しいものを購入の際などに確認しているのかもしれません。
「どんな人かがみえる」とやる事がみえてくる
ここまで簡単にブランドPの巻き戻し層をみてきました。
・女性 ・30~55歳
・既婚 ・主婦(主夫)、アルバイト
・直感での買い物するタイプ
・流行りや限定ものを購入しがち
・頑張ったときにはプチ贅沢をしたいタイプ
・家族優先タイプ
・対人ストレス多め
・シャンプーは髪や頭皮を清潔に保つだけじゃなく、ダメージケアもして欲しい
・購入の決め手は「髪質に合う」と「香り」が重要
いかがでしょうか?
「30代女性」に選んでもらえるシャンプーは何だろう?と考えるよりも
「30代女性、流行りものが好き、ストレス多め、シャンプーは香りを重視している」など情報があると、「日頃のストレスをシャンプーの香りで癒せるようにしよう!」などアイデアが浮かんできますね。
より深くに顧客を理解するために
7 Journeyを軸に顧客を理解しながらWHATにつながる仮説ができました。
ここからさらにそれを確かめたいときやより詳しく顧客理解したいときに便利なのがKnowns Bizの「カジュアルリサーチ」機能です。
カジュアルリサーチではブランドPの巻き戻し層の人だけに、オリジナルの質問をすることが可能です。500人規模でしたら1日で回収できます。
自動でグラフ化され、結果だけを見ることができる便利な機能です。
今回ブランドPの巻き戻し層に、カジュアルリサーチで追加調査をしたら、このようなことがわかりました。
・ブランドPのダメージケア効果は不満はそれほどなく満足している
・仕事や家の事で毎日疲れる
・ひとりになれるバスタイムは癒しの時間でもある
・いい香りに癒されることはよくある
・現状は家族で使えるシャンプーを選んでいる
・忙しくてこまめに美容院に行けていない
・疲れている人に思われたり、みられたくない
・シャンプーはすぐ手に入る場所で売っていてほしい
・環境にも、お財布にも優しい詰め替えタイプがあるものを選びたい
いかがでしょう。先ほどの情報に追加してさらにわかったことで、
よりアイデアが浮かんできますね。
頑張った自分へご褒美が好きなタイプでしたので、自分のための癒しのシャンプーを提案してもいいかも?家族で分けるメリット情報もつくるとよりいいかも…など、自社ブランドのどこを訴求したらいいか、他に必要なことは何かが見えてきます。
WHOの理解でWHATが定まる!HOWも明解に
WHO 一度離反したが購入意向がある層(巻き戻し層)
WHAT 髪と心を癒す私らしい毎日をつくるシャンプーコンディショナー
と定めたとします。
するとどうでしょうか?
HOWの施策も見えてきませんか?
HOWを定める基本のフレームワークに4Pがあります。
Product
ブランドPのダメージケア効果にプラスした心まで癒す香りのシャンプー
Price
手が届きやすいトライアルサイズも用意
リピートを狙うたっぷりサイズでお得な詰め替えも用意
Promotion
接触の高いInstagramで試したくなるバスタイム提案
夜も朝も髪がイイ感じだと気分も上がることを伝えてみよう
Place
店頭で癒しのアロマ体験
などHOWも自然と見えてきます。
データ活用でマーケティングをシンプルに
データを活用し、売上に寄与する顧客セグメントを定め、
そのセグメントを徹底的に理解することで、
刺さる施策が浮かびやすくなったと思いませんか?
目的をもってデータを使うことに難しさはなく、
いつもの業務が楽になると感じて頂けたら幸いです。
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