満足度で差が出た!?牛丼チェーン大手「吉野家」「すき家」の比較分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
みなさんは牛丼チェーン、利用されますか?
私は日本で働いている頃、よく利用していました。
“うまい・やすい・はやい”の日本の牛丼は海外でも人気で、私の住んでいるベトナムには「吉野家」「すき家」が既に進出をしています。(でもダナンにはない涙)
今回はKnowns Bizを用いて、「吉野家」「すき家」について比較分析してみます。
牛丼チェーンの満足度×認知度
まず牛丼チェーンの満足度と認知度を調べたところ、認知度はどちらも90%を超えていますが満足度を加味すると「すき家」が1位でした。
7Journeyの競合比較で見てみると、直近1年以内の購買である現在購買層(ロイヤル+離反予備軍)は「すき家」が上回っています。
一方で現在購入していないものの購入意欲がある層(巻き戻し)は「吉野家」の方が多い結果となっています。
さらにデモグラフィック分析も見てみます。上記グラフでは吉野家とすき家の回答割合を比較し、同一の場合は100、多い場合は青字、そして少ない場合は赤字で"特徴度"という値で表しています。このグラフから、「吉野家」は男性の顧客が多く、「すき家」は女性と子供のいる顧客が多いようです。
また50代以降の年齢層は「吉野家」の方がやや多いです。
ではそれぞれの牛丼チェーンの顧客がなぜこのように分かれるのかを見ていきたいと思います。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
100年以上の歴史と知名度「吉野家」
1899年に誕生した「吉野家」の牛丼は100年以上、手頃でおいしい牛丼を提供し続けています。
「うまい、やすい、はやい」のキャッチフレーズも吉野家から生まれたもので、当初は「はやい、うまい、やすい」でしたが1994年においしさへのこだわりや品質のアピールとして“うまい”が最初に、2001年に牛丼並盛りの価格を400円から280円に改定したことや市場のニーズが変化してきたことにより、2005年に現在の順番になったそうです。
また100年の歴史の中で日本の米不足やBSE(狂牛病)による牛肉の輸入停止など様々な危機を乗り越えて現在に至ります。
デモグラ分析では男性の顧客が多いと出ていましたが、どのような人が「吉野家」を選んでいるのでしょうか?
「吉野家」の男性顧客は、コツコツと仕事を頑張り、日々忙しく倹約家な人が多いようです。
ビジネスマンで時間をかけずに食事をしたい人に選ばれているのが容易に想像できます。店舗は乗降客が多い駅前や繁華街に多く出店しており、コスパや利便性の良さがビジネスマンに選ばれる要因かと思います。
消費者の声を見てみると、上記のほかにも「癖になる味」「サラリーマンの味方」「季節限定メニュー(鍋御前)がおいしい」「メニューがシンプル(少ないという意見も)」などの意見が多かったです。
「すき家」より多かった50代以上の年齢層の顧客からは「学生時代から食べている」「牛丼家といえば吉野家のイメージ」という意見があり、歴史の長さが伺えました。
女性・ファミリー向けの「すき家」
すき家の創業は1982年。歴史のある「吉野家」を抑え業界1位に君臨しています。
なぜ「すき家」は「吉野家」より多くの顧客を得ることができたのでしょうか?
まずブランドイメージを見てみると他の牛丼チェーンに比べ、「コスパ」「利便性」そして「家庭的」のパーセンテージが高いことがわかります。
牛丼チェーン店のイメージといえば、忙しいビジネスマン、食事の時間をゆっくり取れない人向けの食事だと思いますが、「すき家」は女性や子供連れの顧客層に着目。
CMでも女性や家族連れで食事をする風景が見られ、実際店内はゆっくり過ごせるようテーブル席を多く設け、子ども用の椅子も用意されています
また全国の店舗数では「すき家」1,942店舗「吉野家」1,192店舗(2022年8月時点)。立地も駅前など人が集まりやすい場所に出店する「吉野家」に比べ、「すき家」は郊外などにも積極的に出店しています。
参照:https://www.sukiya.jp/about/
またヘルシーな牛丼やキッズメニューなど、メニューを充実させ、「吉野家」とは逆のポジショニング戦略で成功しています。消費者の声でも「メニューが豊富で飽きない」「キッズメニューの充実」について触れているものが多かったです。
デモグラ分析では「吉野家」より女性の顧客が多いと出ていましたが、どのような人が「すき家」を選んでいるのでしょうか?
「すき家」の女性顧客は、アウトドア派で行動的、コスパ重視で家庭的な人が多いようです。仕事や家事・育児の合間に外食をしたい人に選ばれているのが想像できます。
他人の目を気にする傾向もあるようですが、「すき家」の居心地のいい店舗造りがそういった方に選ばれやすいのかもしれません。
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
まとめ
吉野家の特徴
・男性・50代以降の顧客に選ばれる
・コスパよくサクッと食事をしたい
・シンプルなメニュー
・駅前、繁華街出店
すき家の特徴
・女性・ファミリー層に選ばれる
・コスパよく落ち着いて食事をしたい
・選択肢の多いメニュー
・郊外出店
真逆のポジショニング戦略でありながら、利用する顧客の共通点は、仕事や家事に一生懸命で、コスパよく食事をしたいということでした。
現在2位「吉野家」もファミリー層へのアプローチを測っており、アニメや漫画とのコラボやファミリーパックなどの販売も試みています。
今後の順位も気になりますね!
筆者のひとこと
先日旧正月で日本に一時帰国した際、いつもと違う航空会社だったため久しぶりに成田空港第二ターミナルを利用しました。
到着してすぐに目に入ったのは“吉野家”の看板。思わず朝定食を食べてしまいました。
日本に住んでいた頃は「吉野家」も「すき家」も仕事中のランチでよく利用していた身なので、私としてはどちらも好きです!ダナンにも進出して欲しい・・
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