腸内環境から免疫・睡眠の質まで!満足度が高い乳酸菌飲料はどれ?
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
みなさんは日頃乳酸菌飲料を飲みますか?
私はベトナムでは時々ヤクルトを買ったりしていますが、旧正月の休みで日本へ帰る時は時期的にインフルエンザやノロウイルスが流行る時期なので、滞在中は毎日免疫強化系の乳酸菌飲料を飲んでいます。
農林水産省の食品産業動態調査(2023年3月31日公表)によると、2022年の乳酸菌飲料の生産量は前年比10.4%増、発酵乳の生産量は同1.7%増となっています。
富士経済によると、2023年の乳酸菌飲料類市場は前年比5.7%増となる見通しだそう。
発酵乳とは原料の乳に乳酸菌や酵母などを加え、発酵させて糊状または液状にしたものを指し、代表格はヨーグルトです。その発酵乳を加工したものが乳酸菌飲料となります。
乳酸菌は腸内環境を改善するだけでなく、さまざまな機能を持った乳酸菌も研究されています。
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降、消費者の健康ニーズはさらに高くなり、高付加価値のヨーグルトや乳酸菌飲料が人気になっているそうです。
今では多くのメーカーから高付加価値の乳酸菌飲料が出ていますが、一体どれが人気なのでしょうか?
今回はKnowns Bizを用いて、満足度の乳酸菌飲料(機能性表示食品)について比較分析してみます。
乳酸菌飲料の満足率×認知率
まず乳酸菌飲料の満足率x認知率を調べると、認知率に関しては「カルピス」と「カルピス(うすめて飲むタイプ)」、カルピスの2商品のみが90%超えでした。
満足率で見てみると
1位:おいしい免疫ケア
2位:届く強さの乳酸菌W
3位:濃いめのカルピス
4位:ヤクルト1000
という結果が出ました。
乳酸菌飲料の満足率は上位13商品が満足率80%超えと高い満足率の商品が多く、驚きました。
今回上位4つのうち「濃いめのカルピス」は機能性表示食品ではないので、高付加価値を表示している「おいしい免疫ケア」「届く強さの乳酸菌W」「ヤクルト1000」について見ていきたいと思います。
おいしい免疫ケア
健康な人の免疫機能の維持に役立つ、キリン独自のプラズマ乳酸菌を1,000億個配合した乳酸菌飲料です。
プラズマ乳酸菌は、35年以上に及ぶキリングループの免疫研究から発見された世界初の乳酸菌で、“免疫の司令塔”である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」に直接働きかけ、免疫細胞全体を活性化。健康な人の免疫機能の維持をサポートしてくれます。
満足感のある飲みごたえがありながらも、ほどよい甘さと酸味でさわやかなおいしさが特徴です。
同商品は2022年3月末に全国発売した「キリン iMUSE 朝の免疫ケア」のパッケージデザインをリニューアルし、商品名をシンプルに変更したものです。
デモグラフィック分析を見てみると現在購入者の構成比は30代~40代が多く、また乳酸菌飲料全体(グレーのグラフ)と比べてみると、20代前半、30代~40代の割合が高く出ています。男女比では男性がやや多いです。
年代別にみてみると30代〜50代前半の認知率が高いですが、好感率は意外にもまちまちです。過去に購入した経験のある方は20代前半、30代後半が多く出ています。
7Journeyを見てみるとネガティブな非選好率は低めで、購入経験がない未認知・潜在顧客が高めです。
どんな人に選ばれる?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"倹約家”"健康志向”"時間にシビア”な方が多く、社会価値観は"おりこうさん”"ワーカホリック”な方が多く出ているので、真面目で仕事への熱意が強く、日々忙しい中でも健康を気に掛けている人物がイメージできます。
消費価値観は"プレミアム消費""ブランド消費”が高いことから、気に入ったものやモノの良さ、ブランド名に対価を払う傾向があるようです。
消費者の声では「手軽に免疫ケアができる」「飲みやすく毎日続けやすい」との声が多くありました。毎日の習慣として続けられる、さっぱりとしたヨーグルトテイストがサイコグラフィックの結果にも合っているのかもしれません。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
届く強さの乳酸菌W
「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズの1つで、心理的なストレスを和らげ睡眠の質(眠りの深さ)を高めるのに役立つ機能と腸内環境の改善に役立つ機能があることが報告されているガセリ菌CP2305株が100億個入った乳酸菌飲料です。
「睡眠の質を高める」と「腸内環境の改善」の2つで機能性表示食品を取得しています。
デモグラを見てみると、現在の購入者の年代では乳酸菌飲料全体(グレーのグラフ)と比較すると20代~40代の割合が高く出ており、3商品の中で最も幅広い年代に選ばれています。
年代別でみてみると20代〜40代の好感度が高く、過去の購入率も同様の年代が多いです。次回購買率も同じような分布です。
7Journeyを見てみると認知率・ブランド選好率は他2商品よりも低いものの、ネガティブな非選好率や離反は3つの商品の中で最も低いので、他の商品よりも一定のファンがついていることがわかります。
さらにファンを増やすには未認知層をターゲットに戦略を立てるとよさそうです。また「届く強さの乳酸菌W」はカルピス由来の乳酸菌とのことなので、より"カルピス”の名前を全面に出すと認知率が上がるきっかけになるかもしれません。
どんな人に選ばれる?
サイコグラフィックを見ると個人価値観はおいしい免疫ケア同様、"健康志向”"時間にシビア”の方が上位に、また固定観念や強い傾向にある"ジェンダーバイアス”な方も多いです。
社会価値観は"ワーカホリック”"自分より家族優先”"ゴーイングマイウェイ”に次ぎ、"月曜恐怖症”も多く出ており、ストレスの高い環境にいる方が多いのかもしれません。
消費行動は"ハラオチ型消費""リピート消費”が高いことから、納得のいく価値のあるもの、気に入ったものを繰り返し購入する傾向があるようです。
消費者の声を見ると、睡眠の質や腸内環境の改善をしたい方に多く選ばれているのがわかります。またカルピス由来の乳酸菌であることから、味もカルピスに近く、幅広い世代に親しみのある味であることがデモグラ・世代分析の結果にも繋がっているようです。
ヤクルト1000
一時期人気のあまり店頭から消え、定期宅配の受付も停止したほどの「ヤクルト1000(店頭商品名はY1000)」。
NEWヤクルトにも入っている「乳酸菌シロタ株」がヤクルト史上最高密度で入っている商品で、1本(100ml)に1,000億個も入っています。
学術試験前の医学部生を対象に臨床試験を行い、一時的に精神的ストレスがかかる状況でもストレス緩和や睡眠の質の向上につながる結果が得られたそう。
「ストレス緩和」「睡眠の質向上」の2つで機能性表示食品を取得しています。
デモグラを見てみると、他2商品と比べて女性購入者の比率が最も高いです。
現在購入者の構成比は30代前半と40代前半が多く、全体(グレーのグラフ)と比較すると20代~40代の割合が高く出ています。
年代別比較を見てみると10代~20代の好感率が高く出てます。また次回購入率がすべての年代で50%超えています。
7Journeyを見てみると認知率、ブランド選好率が圧倒的に高いです。ロイヤル層も多く、リピーターが多いようです。
どんな人に選ばれる?
サイコグラフィックを見ると個人価値観はおいしい免疫ケアと同様、"倹約家”"時間にシビア”"健康志向”な方が上位に出ています。
社会価値観は"自分より家族優先”な方が多いものの、自分の経験や得た情報を元に行動をする"ゴーイングマイウェイ”や"マイペース”な方も多く、正反対のクラスターが並んでいるのは、さまざまな職業や環境の方に購入されているからかもしれません。
消費価値観は品質・安全性を重視する"失敗回避型消費”と"お得感重視消費”が上位にあり、商品を選ぶ際には有名メーカーで自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向がありそうです。
消費者の声では届く強さの乳酸菌W同様、睡眠の質と腸内環境を気にかけけている人に選ばれていることがわかります。
デモグラ同様、消費者の声でも女性が多く、「品薄でも外回りをしているヤクルトレディから売ってもらえることもある」というプチ情報も。
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色々な視点からみる違いとは?
届く強さの乳酸菌Wとヤクルト1000の違いって?
両ブランドは味はもちろん違うのですが、どちらも期待できる効果や消費者の声から腸内環境の改善に加えて"ストレスの緩和”と"睡眠の質の向上”があげられています。この2つの大きな違いは乳酸菌によるものです。
「届く強さの乳酸菌W」は(プレミア)ガセリ菌CP2305という殺菌した乳酸菌の死菌として腸まで届くのに対し、「ヤクルト1000」は乳酸菌シロタ株が生きたまま腸まで到達する生菌です。
生菌・死菌どちらでも腸の壁に接触した刺激で良い反応をすることが研究結果で得られているそうですが、長期保存の観点で見ると、生菌の「ヤクルト1000」は要冷蔵で賞味期限が製造日から21日なのに対し、「届く強さの乳酸菌W」は常温で9カ月(270日)が賞味期限です。
睡眠の質に関するニーズ
2020年以降、「快眠」をサポートする食品、特に食品は増えているそう。コロナ禍は健康ニーズだけでなく、ストレス緩和や睡眠の質へのニーズにも影響していることがわかります。
消費者の声でも出ていたように「届く強さの乳酸菌W」も「ヤクルト1000」も"睡眠の質の向上”という観点で選ばれることが多く、ニーズが高まっていることがわかります。
そして"免疫機能の維持”を目的に選ばれている「おいしい免疫ケア」シリーズも"睡眠の質”に特化した新商品を発表しています。
キリンビバレッジは、「おいしい免疫ケア」シリーズの新シリーズとして「プラズマ乳酸菌」と「GABA」を配合した、免疫ケアと睡眠の質向上をサポートする機能性表示食品「キリン おいしい免疫ケア 睡眠」を、10月3日に発売しています。
プラズマ乳酸菌はpDCプラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つこと、GABAは睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に役立つそうです。
「おいしい免疫ケア」シリーズ、今後も人気になりそうですね。
機能だけでなく味も重要?
それぞれのブランドスイッチ分析を見てみると、現在「おいしい免疫ケア」「届く強さの乳酸菌W」購入者が銘柄変更をする際に選ぶのが「明治プロビオヨーグルトR-1」次点に「カルピスウォーター」、「ヤクルト1000」購入者の場合は「カルピスウォーター」次点に「カルピス(薄めるタイプ)」が選ばれています。
前者2つは機能的な観点から特定保健用食品が選ばれ、「ヤクルト1000」に関してはサイコグラフィックでも出ていたように"有名メーカー”で"気に入った商品”を購入する傾向があるのでしょうか。
もしかしたらブランドというよりは馴染みのある"ヤクルト”や"カルピス”の味が好きな人も多そうな気がします。
まとめ
おいしい免疫ケア消費者の特徴
・20代前半、30代~40代、やや男性に人気
・免疫機能の維持をしたい人向け
・真面目で日々忙しい中でも健康を気に掛けている人が多い
・気に入ったものやモノの良さ、ブランド名に対価を払う傾向
届く強さの乳酸菌W消費者の特徴
・20代~40代、3商品の中で最も幅広い年代に人気
・腸内環境改善、睡眠の質向上をしたい人向け
・固定観念がやや強い、ストレスが高い環境にいる人が多い
・納得のいく価値のあるもの、気に入ったものを繰り返し購入する傾向
ヤクルト1000消費者の特徴
・20代~40代前半、女性に人気
・ストレス緩和、睡眠の質向上をしたい人向け
・さまざまな職業や環境の人に選ばれる
・品質・安全性・メーカーや自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向
先に紹介した「おいしい免疫ケア」シリーズは"睡眠”だけでなく、"カロリーオフ”もあったり、「届く強さの乳酸菌W」の「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズには血圧や体脂肪に特化したものもあります。
また「ヤクルト」も菌数をはじめ、甘さやカロリー、栄養成分の異なるラインナップも。
その他にも乳酸菌飲料はさまざまなメーカーが出しており、スーパーやコンビニで気軽に買うことができます。
色々試してみて、自分の好みとニーズに合ったものを見つけられるといいですね!
また睡眠習慣の改善については最近では睡眠計とゲーム要素が合わさったアプリゲーム「ポケモンスリープ」が記憶に新しいですね。
睡眠時間だけでなく、寝返りやいびきなどで睡眠の質を測定し、それに応じた睡眠スコアを得ることでポケモンもぐっすり眠れたり疲れていたりするそうです。
今後独自で専門的な研究を進める乳酸菌飲料メーカーとこういったアプリゲームとのコラボなどがあれば、商品を選ばれるきっかけにもなりそうですね。
筆者のひとこと
私も年々寝付きが悪くなり、今回乳酸菌飲料を分析して「睡眠」に悩んでいる人が多くいるとわかり少し心強くなりました。
一時帰国中に色々試して飲んでみたのですが、残念ながら短期間なので「凄く効いた!」というのはなかったのです。ただ何となく寝付きがよかったり眠りが深かった気がします。(たまに聞く悪夢も私は見ませんでした)
個人的には睡眠薬、となると何だが敬遠してしまうのですが、乳酸菌飲料であれば手軽に飲める・毎日続けやすい、と思いました。お腹も昔から弱いので、腸内環境も改善できれば一石二鳥…!
ダナンではヤクルトとキリンの「 iMUSE(イミューズ)」は購入することができるので、定期的に飲んでみたいと思います。
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