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散文集

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見たものをそのまま書いただけ あるある
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#日記

愛すべき人々

愛すべき人々

ガラガラの最終電車に揺られながら、甘いもの、買って帰ろうかと話している

舌足らずの、冴えない男子学生が4人、周りに気を使いながら虫を怖がっている

頭撫でられて、短い髪がグシャグシャのまま

バイクでアパートまで送ってくれた彼氏に、大っきい声で、ありがとう!!って言う明るい声

ほんとは欲しいのはこの風船だけど、こっちがいいよ、お兄ちゃん

兄ちゃんが買ってあげるから、高い方だっていいんだよ、本

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秋のこと、ななつ

秋のこと、ななつ

カゴいっぱいに柿つんで、爺さんが眩しそうにゆっくり自転車漕いでくる

山が幕の内弁当みたいな色してる
景色は能舞台でもある

みかんや、かりんや、柿がぼてぼてとなっている

16:00の夕焼け小焼け
あんまり躾られてない小型犬が散歩しているのを、すれ違う人みんな真顔で眺めていく

肉まんの買い食い

1日中、まどろみがひかりのなかにとけている

寂しさや悲しみは みんなのものとなって
余計ひとりぼ

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星も月と一緒に満ち欠けしている

星も月と一緒に満ち欠けしている

・次青になるのは歩道なのに、アクセルをゆるゆると踏んでいる車がいて、この人わたしを轢くんじゃないかと疑いながら横断歩道を駆け足で渡る

・小さくて見えないだけで、星も月と一緒に満ち欠けしてるんだよという嘘を自分についた

・龍や獏の悲しみと優しさが 私の幼少期を漂っている
龍は少年のために船になり、獏は悪夢を食べ続けている

・「学校に行きたくない」の気持ちが死ぬまで付きまとう
どこにいたって家に

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