愛すべき人々
ガラガラの最終電車に揺られながら、甘いもの、買って帰ろうかと話している
舌足らずの、冴えない男子学生が4人、周りに気を使いながら虫を怖がっている
頭撫でられて、短い髪がグシャグシャのまま
バイクでアパートまで送ってくれた彼氏に、大っきい声で、ありがとう!!って言う明るい声
ほんとは欲しいのはこの風船だけど、こっちがいいよ、お兄ちゃん
兄ちゃんが買ってあげるから、高い方だっていいんだよ、本当に自分が欲しい方を選びな
小学生の頃、初めての給食で出た小さいケーキを逆さまに落っこどした友達
よく見たら、消しカス1列に並べてる
自分の赤ちゃんが褒められてるの聞こえてるんだ、それであんな顔して揺らしてやってるんだ
しゃがんで、陳列棚のぬいぐるみと見つめ合ってる
真っ直ぐに指差しながら、星座のこと教えてくれる
白い息が出ている
夕暮れに、何も話さずに、むき出しの自分のまま