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教育とDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)

こんにちは、KnockLearn 代表の福本です!

前回は
"ある一面だけを切り取って好き嫌いを決めること=可能性を狭めてしまう"
というメッセージと共に「人間社会と数学ってどういう関係?」という記事を執筆いたしました。

もし、気になる方がいればぜひ読んでいただけると嬉しいです!

そして今回はDE&Iに絡めて教育業界で起こりうるムーブメントについて、最近世間でよく耳にするD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)って何ぞやという説明から、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の進化系のDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)についても説明しつつ解説していきます。

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)って何?

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)は日本語で直訳すると、
「多様性の受容」と訳されますが、もう少し詳しく説明すると、

「性別、年齢、障がい、国籍などの外面の属性や、ライフスタイル、職歴、価値観などの内面の属性にかかわらず、それぞれの個を尊重し、認め合い、良いところを活かすこと」

と一般的には説明されています。

近年、D&Iはインターネットでシームレスに世界が繋がることで起こった世の中の多様化少子高齢化による深刻な人手不足などによってLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの各単語の頭文字を組み合わせた表現)や障がい者、外国人、シニア、女性活躍への理解や活用を進めていく中で注目され、どの企業や組織もD&Iを推進している状況になっています。

(上:資生堂社のD&I事例、下:三井住友海上社のD&I事例)

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の歴史とは

私の記事で客観的に物事について執筆するときはほとんど歴史的背景を挿入しています。

理由としてはシンプルで、
歴史を遡ることで、物事が立体的になるから。

立体的に捉えることで、より理解に深みが出て、知識は増幅されます。

なので、今回も少しばかり歴史について学ぶことにお付き合いください!笑

まずD&Iという言葉が生まれたのは移民国家であるアメリカでした。

一番初めはアメリカ憲法の改正からであり、1964年に制定された公民権法に基づき1965年に米国雇用機会均等委員会(EEOC)が設置され、人種や性別、宗教などによって雇用差別を受けたと感じた人は誰でも訴えを起こせるようになりました。

1964年公民権法
アメリカ国内において人種差別を禁止する法律。1950年代以降にアメリカ国内で活発化した公民権運動を背景として、1964年に連邦議会で成立した。同法は11条からなり、職場・公共施設・連邦から助成金を得る機関・選挙人登録における差別と分離教育を禁止している。

そこから1980年代になると、アメリカ企業で競争力を高める人事戦略として多種多様な人材を組織内で登用する「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」の考え方が広がりました。

アメリカでの憲法制定や企業成長の戦略からD&Iは概念として段々と広まっていき、日本では女性の社会進出に関連してD&Iが広まっていきました。

1979年、国連で採択された「女子差別撤廃条約」が1985年に日本でも承認され、同年に「男女雇用機会均等法」が成立しました。

そこから1990年代になると、「女性の就業率が高い国・地域ほど出生率も高い」といったデータが提唱されたことによって、女性の社会進出は政府主導で進んでいきました。

ただそれでも出生率はその後も低下を続け、女性の就業率も世界の国々と比べて低い状況と中途半端に終わり、深刻な少子高齢化社会に突入していき、人口減少を補うためにD&Iが近年推進されるに至りました。

このようにしてD&Iは現在トレンドとしてどの組織や教育でも取り組まれていますが、実はD&Iがさらに進化したDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)という考え方が今世界中で広がり始めています。

Google・Amazonが推進している
DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)とは

DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)はD&IにEquityといった公平性という意味が足された呼び方です。

DE&Iが最近生まれた背景には米国で社会問題化したマイノリティの社会構造的不平等の問題があります。

EがEquality(平等)ではなく、Equity(公平性)にしているところにも大いに関係していますが、初めから不公平が存在している状況において、平等に機会を与えたところで埋まらない差分があるというところから公平性が世界的にも強調されるようになっています。

DE&Iから考える日本の小学校教育について

まだまだ世界的に見てもDE&Iという考え方は浸透していませんが、この観点から日本の教育を見てみましょう。

まずダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(受容)に関しては、受け入れられるように環境構築されている面もあったり、逆に環境がマイノリティを受け入れ難くしている面もあります。

私の経験に沿って話すと、小学校では障がいを抱えている子供たちが不利にならず一緒に学べることは学んでいた環境がありました。
この経験によって、小学生の頃から決して健康な子供たちばかりではない、生まれながらにして何かしらハンデを負っている子供たちもいるのだなと受け入れることができ、彼らと一緒に過ごすためにはどのような配慮が必要か自分以外の多くの子供たちが考えていたと思います。

また一方では、ランドセルの色が男女で赤と黒で違うことはLGBTなどのマイノリティを排他的に扱うことにつながっています。

次にエクイティ(公平性)についてです。

最近は小学校においても「個人個人に合わせた学習」を取り入れているところが多いと思います。これまでは教育を平等に受けれること自体が良しとされていましたが、やはり家庭の状況などから構造上埋まらない差というものが大きくあることは変えることが難しいので、個人最適な学習を提供することこそが公平性の実現を行っているといえます。

とはいえ、小学校の教員1人が20-30名の子供たちに対して個別最適な学習を提供できているかといえば、現実問題難しいところだなと思うので、公平性をいかに保つかという観点は今後の教育においても論点の1つに上がってくるポイントだと思います。

まとめ

DE&Iはまだまだ教育に取り込める余地があり、今後取り入れていかなければいけないと思います。

ただ、一筋縄で解決する問題ではないので、公教育、民間含めDE&Iを深めるさまざまな活動が今後も求められると思います。

その中でも我々としては子供たちに「人と違うことは変なことではないんだよ、だって社会に出た大人たちはみんなそれぞれ違っているし、お互いの違いを認め合って力を合わせてできているのが社会なんだから」というメッセージを発信していきたいです。

我々は多様性に満ち溢れている社会と触れ合う接点を子供たちに提供することからD&Iを推進しております。

また、Equity(公平性)に関しては今は取り組めていませんが、変えられない負の構造を抱えている子供たちが放置されていることに大きな課題感を感じているため、今後取り組みたいと考えていますし、ここを解決しない限り教育の課題は根本解決されないと考えています。

もし、このnoteを読んで我々の活動に興味を持っていただけましたら、ぜひHPをご覧になってください。

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この記事の執筆担当者

福本 英/Fukumoto Akira
兵庫県出身。兵庫県私立白陵高等学校卒業。九州大学経済学部卒業。英・University of Leeds Business Schoolに1年間留学した後、複数の事業立ち上げに参画。スタートアップやVCを経験後、新卒でメガベンチャーに入社。
KnockLearn CEO。


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