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【本とエッセイ#2】「しあわせですか」という問い 読んだ本:永井みみ著『ミシンと金魚』
先日、義母の通院に付き添ったときのこと。
私と一緒に義母の着替えや車椅子から診察台に移譲するのを手伝ってくれていた看護師から、不意に「介護職の方ですか?」と聞かれた。咄嗟に、「いえ、家族の者です。ヨメです。」と答え、「8年ぐらい在宅でみています」とつけ加えた。厳密には在宅介護生活を始める前に、仕事ではないが介護に携わっていたことがあるし、ごく短い期間だったが訪問介護の仕事をしていたこともある。でも
夏休みにはタッチをみていた
小2の上の子が夏休みに入るにあたり、「こどものころ なつやすみで いちばんたのしかったことは?」と質問してきた。
期待に満ちた目で質問されたけど、そのとき私の頭に思い浮かんだのは、クーラーの効いた部屋でもう何度観たかしれない「タッチ」の再放送をだらだらと見続ける自分の姿だ。その時に食べていた、母親のつくった抹茶アイスの舌触りまで蘇った。手作りのアイスは中身が均等に凍らず、冷凍時に下を向いてい
あの紐の名前は何ていうんでしょう。
カーエアコンが壊れた。
少し前から不穏な音がしていたのを、ごまかしごまかしきていたのだけど、いよいよ無視できないということで車屋で見てもらったら修理が必要だという。しかも、修理ができるのは早くとも2週間後で、それまでの間今のままエアコンを使い続けると修理の規模も費用も膨らみ続けるとのことで、強制的にエアコンを使えないようにしてある。ということで、今、エンジンをかけても、吹き出し口からは外気に
靴音と空のティッシュ箱
こどものころ、靴音を聞くのが好きだった。
ハイヒールで歩く音が好き、というのは、それほどめずらしいことではないかもしれない。でもそれが、細めのヒールよりは少し太めのヒールのくぐもった音の方が良いとか、革靴で細かい砂利を踏むときの音がたまらないとか、厚めのソールのスニーカーでかかとからアスファルトに着地するときの音を聞き逃したくない、となると、話は変わってくる。
マニアックな趣味を持つもの同士でも
かわらないかわらなさ
4年前から、「5年日記」を書いている。
手元にあるそれをパラパラと開くと、1年目はこつこつと毎日書いている。2年目も、まあまあ。3年目でわかりやすく中だるみし、空白が目立つ。そして4年目でこれまたわかりやすく奮起してがんばって書いている。とりあえずの最終年にあたる今年は、今のところ毎日何がしか書きつけている。
といっても、毎日こまめに書いているのではなく、10日分ぐらいをいっぺんに書く、とい
【本とエッセイ#1】8年目の変化 読んだ本:『ユマニチュード 認知症ケア最前線』
この4月で、義母の在宅介護を始めて丸8年になる。それなりに長い時間、在宅介護をしていることになるが、このタイミングで、「ユマニチュード」についての本を手にとった。
「ユマニチュード」というのはフランス発祥の認知症ケアの技法のことで、「人間らしさを取り戻す」という意味の造語だそうだ。そういうケアの技法があるらしい、というのは前から見聞きしていて気にはなっていたのだけど、がっぷり取り組んではこなか
ブロッコリーとってきます!
ここ一か月、いつも利用している生協の宅配がストップしている。なんでも、サイバー攻撃によるシステム障害とかで、宅配サービスの機能だけでなくオンライン決済やら何やら全方位に影響が出て、現在、全力で復旧を目指しているところだそうだ。
一週間に一度の宅配がないので、家から車で15分ほどの店舗まで買い物に行く。すると、店舗ではひたすら、「ご迷惑をおかけしております。」「大変申し訳ありません。」と、ひっきり