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〈旅と食〉コペンハーゲン②初体験!ニュー・ノルディック料理レストランHøst

こちらは前回の記事 コペンハーゲン①の続きです。
旅1日目の日中は、有名な市場でのランチやデザインミュージアム・デンマークなどを満喫。夜になり、いよいよこの旅の目的①である新北欧料理(ニュー・ノルディック・キュイジーヌ)を初体験するため、予約していたレストラン「Høst(ホスト)」を訪れました。

ちなみにこの〈旅と食〉シリーズでは、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、旅先の食事情についても触れています。

コペンハーゲン外食事情についての印象はこちらをどうぞ。


念願の新北欧料理(ニュー・ノルディック・キュイジーヌ)

新北欧料理(ニュー・ノルディック・キュイジーヌ)と呼ばれるジャンルの料理は、世界 No.1 レストランの称号を何度も手にしたコペンハーゲンのレストラン「Noma」によって世界的に有名になり、その影響による北欧諸国の美食的進化がとても気になっていました。

伝統的なスカンジナビアの料理をベースに、旬の地元食材を活用し新鮮かつシンプルに仕上げ、そのうえ五感がよろこぶ新感覚な要素も含んでいる。また、オーガニック食材への注目、食品廃棄削減へ向けたサステナブルな取り組みなど、人にも環境にも優しい食の環境設定。このジャンルが目指す方向性には、魅力 & 共感ポイントしかない✴︎

10年ほど前、とあるドキュメンタリー番組でニュー・ノルディック料理の奥深さを知った時、いつか実際に現地へ足を運んで体験する!と決心しました。そして、やっとその念願を叶える日がやってきたわけです。

当初、第一希望は「Noma」でした。せっかくなら元祖であり世界一を体験してみたいじゃぁありませんか。しかーし、そう簡単に予約は取れません。旅行の予定を立ててから予約なんてほぼ不可能ですから、Noma の席が取れたらコペンハーゲンへ飛ぶ覚悟で、予約枠がオープンになるタイミングを狙うものの競り負けること多々。キャンセル待ち登録もしましたが、繰り上がるチャンスには恵まれず…。そうこうしているうちに、Noma 2024年末閉店のニュースが!それ以降、予約はさらに取りにくい状況になっていることでしょう。

夏時間になると、北欧のベストシーズンを食以外でも楽しみたい欲も湧いてきますから、Noma へのこだわりは一旦リセットして旅の計画を立てることに。そこでアレコレ検討し、このレストラン Høst へたどり着きました。
(2022年に世界 No.1 に選ばれた「Geranium 」もまた予約困難店。キャンセル待ちも繰り上がる気配なく断念……)

レストランHøst
生い茂る緑に縁取られた外観が魅力的

コペンハーゲンのレストラン Høst の魅力

Høst は美食の街コペンハーゲンの中でも人気のレストラン。手頃な価格で質の高いニュー・ノルディック料理をいただけるお店です。サービスも終始ていねい◎
またこちらには、食事をする空間にもお料理プラスα の魅力が!Restaurant & Bar Design Awards で世界最優秀デザイン・レストラン賞に輝くなど、国際的なデザイン賞をこれまでいくつも受賞しているのです。
“素敵な場所でおいしいものを頬ばる” 幸せとしか言いようがないイメージが脳内に広がり、予約と同時に高まる期待値!

レストランHøstの入り口

予約は Høst のサイトから手続きをしました。いろいろ検討していたこともあり、予約を確定したのは出発2週間前。すでに週末の枠はほぼ選択肢がなく、平日も食事時にちょうど良い時間帯は埋まり始めている雰囲気でした。さすが人気店!
予約時にコースの詳細を決める必要はなかったので、席だけ確保。アレルギーなど注意事項がある人は、コメント欄に記入し事前にお店へ知らせると◎

それでは、いよいよ入店〜♪

レストラン Høstの店内

受付から見る店内は、木の温もりと白い壁で明るく開放感あるフロア。いくつかの階段を降りて案内された席は、おこもり感ある地下のフロアに。

レストラン Høst のメニュー

3品または5品のコースはお得感ある内容。せっかくなので5品を選択!訪れた時期は、夏の旬食材を使ったメニューをいただくことができました。

しかもコースはさらに、通常メニューとヴェジタリアン・メニューにわかれています。

レストランHøst5コース
通常メニューの内容

夫は通常メニューを注文。ワインは飲み慣れていなくて酔いやすいからと、ペアリングはせず単品でオーダーすることにしました。料理が出てくるタイミングにあわせて、ペアリングリストの構成を参考に注文できるのが◎

レストランHøst5コース
ヴェジタリアンメニューの内容

私が注文したのはヴェジタリアン・メニュー。念のため、グルテンフリーのリクエストについて確認すると「すべて問題なく対応できます!」との嬉しいお言葉。どんなアレンジになるのかワクワクです♪

ちなみに、ヴィジタリアンだと乳製品が使われるお料理もあります。しかし、せっかくなので野菜のお料理を試したいのと、グルテンフリーとヴィーガンを両立させるのは難しい場合もあるから、今回はグルテンフリーを優先したパターンです。お腹の調子万全だし、いつものように下○止め(食事ネタ中に失礼!笑)携帯して挑んでいるから安心。

ヴィーガン希望の人は、予約時にコメント欄に書いてリクエストを伝えると対応してもらえるのではないかと思われます。

レストランHøstのドリンクメニュー

アルコールに弱い体質でお酒はほぼ飲めないため、ドリンクは Høst の自家製ジュースをオーダー。詳細はメニューにないので、店員さんに聞くと種類など教えてもらえます。
ジュースペアリングが気になったけれど、料理ごとにグラス1杯分を飲み干すのは大変そうなので断念。しかし、コースのお料理それぞれに合うジュースを提案してもらえるのは◎

また、お酒にはワイン以外のラインナップもあるので、ワイン苦手な人でも楽しめるのではないでしょうか。

ニュー・ノルディック料理なる食体験スタート

ドリンクを注文すると、パンとともに前菜が登場。

あれれ?メニューにはなかったお料理が次々とテーブルに並び混乱〜笑

後に知ったのは、このレストランは「サプライズ」がたくさん付いてくることで有名のよう。でもこの時は何も知らないので、最後まで驚き続けることとなるのでした……乞うご期待!

レストランHøstの前菜

夫には一般的な小麦粉のパンと通常メニュー用の前菜。情報量が多くて、詳細は忘れてしまいましたが……視覚・味覚・食感から食材を予想することを楽しんでいた様子♪

Høstのグルテンフリーパン
ヴェジタリアンメニューの前菜

とても印象に残っているのは、グルテンフリーのパン(私用)がとてもおいしかったこと!香ばしく焼き目がつけられ、外側カリッ中もっちり。結晶塩が良いアクセント。

マーガリンは、ハーブ入りとプレーンの2種類。どちらもあう!

一番最初に選んだ自家製ジュースは「ブラックカラント(カシス)」飲んだ後にローズマリーの爽快感ある香りが広がる。ジュースというよりは、食事に合うカクテルのよう。

レストランHøstの前菜
ヴェジタリアン&グルテンフリー仕様

クセのないハーブの軽〜いムース。千切りレタスの食感とディルの香りが、おいしい組み合わせ!

レストランHøstの前菜
ヴェジタリアン&グルテンフリー仕様

こちらは手でいただくスタイルの、炭火焼きプラム(西洋すもも)。鳥の巣のような……藁と杉の葉?を使ったプレゼンテーションに、ニュー・ノルディック感!

ひと口目はそのまま、ふた口目はポルチーニ茸のクリームと一緒に。

レストランHøstの前菜
ヴェジタリアン&グルテンフリー仕様

いよいよ1品目が登場!

レストランHøst5コース
1品目

通常メニューは、ホタテ貝のひと皿。熟す前の苺が添えてある。

レストランHøst5コース
ヴェジタリアンメニュー1品目

ヴェジタリアン・メニューは、キノコと茎ブロッコリーのひと皿。添えてあるハーブはハコベ。ハコベって食べられるのね!レッドカラント(赤スグリ)の酸味が味を引き締める。

レストランHøst5コース
2品目

つづいて2品目が登場。

ヴェジタリアン・メニューは、やぎのチーズとトマト。トマトはセミドライトマトなので、酸味も残りつつ甘みも強調されて旨みは凝縮〜。こちらのワッフルはグルテンフリー仕様!もっちり食感。ワッフルにやぎチーズ & トマトをのせていただくのもまた美味。

パンもワッフルも、ここのグルテンフリーが個人的にどストライク!

通常メニューは、エビとトマト。甘くないワッフル添え(小麦粉使用)。

レストランHøstの
コース外「サプライズ」

3品目の前に登場した「サプライズ」には、タイムがわさっと詰め込まれた湯呑みを渡される。その後、スタッフさんが南部鉄瓶から注いだのは、キノコのコンソメ!ミニストローでいただきます。

通常メニューの方は、海老のスープ。夫曰く「まるで五ノ神製作所の海老つけ麺」とにかく濃厚だった様。

レストランHøst5コース
3品目

次は、通常コースもヴェジタリアン・コースも同じお料理。

ズッキーニの花(生)にはコクある熟成チーズのクリーム、素揚げした実にはグースベリーの酸味とパンチあるマスタードシード入りのソースが添えてある。口の中で様々な味が弾けて、不思議かつ新感覚!ソースのインパクトが強すぎたのか、添えてあるトリュフの存在感が薄くなってしまったほど。笑

2杯目に注文した自家製ジュース「ジュニパー」は、スパイシーな余韻が残りクセになる味。このお料理に合うおすすめにより決定しました。

レストランHøst5コース
4品目

ヴェジタリアン・メニューのメインはじゃがいも。グルテンフリー仕様のアレンジです。小粒で味が濃く、とてもおいしいお芋だった!柔らかな食感のハーブがたっぷり。タラゴンのエアリーなソースを添えて。

通常メニュー、夫がメインに選んだのは牛肉のひと皿。ヴィジュアルはそっくりで、ハーブたっぷりにタラゴンのソースで仕上げていただきます。

レストランHøstの
コース外「サプライズ」

デザートの前にまたしても「サプライズ」プレ・デザートが登場!パリパリの薄焼きキャラメルは、ほろ苦コーヒー・フレーバー。

レストランHøstの
コース外「サプライズ」

器の中には、サワークリームとヨーグルトを混ぜたものに、ブラックカラント(カシス)のピュレ。なんというか……進化系ティラミス感。

レストランHøst5コース
5品目

いよいよ5品目のデザートがやってきました。
これも両コース共通で、食後に食べやすい軽くてさっぱりとしたもの。散りばめられたパープルの花びらが可愛らしい。

レストランHøst5コース
5品目

下から、クリーム状のホワイトチョコレート ▶︎ フレッシュブルーベリー ▶︎ シャーベット状のエルダーフラワー・シロップ? ▶︎ 冷凍ブルーベリー & 粒状に冷凍したヨーグルト、の順で層になっている。このデザートに使われているブルーベリーは、野生種のもの。

異なる食感・味・温度、口の中で変化してゆく♪

レストランHøstの
コース外「サプライズ」

デザートを食べ終わり〆のコーヒーを注文したタイミング、アフター・デザート的にミニャルディーズも一緒に登場!このお店で5品をオーダーすると〈実際の内容はフルコース並み〉ということが判明しました。

ミニャルディーズは、盆栽風トリュフチョコレート。そして、ラズベリーパウダーがけミニシューの中にチーズクリーム。

レストランHøst
落ち着いた雰囲気の地下フロア席

5品を想定していた脳と胃袋は「サプライズ」に驚きつつも完食!終始楽しめた、ニュー・ノルディック料理・初体験となりました。
年齢を重ねていくと “初めて経験する出来事” は徐々に減っていくような気がします。そんな中、とても久しぶりの全く新しい世界。初めての「食材」「食べ方」「組み合わせ」「食感」と出会い、ずっと未使用だった感覚をいくつも叩き起こしてもらったような刺激ある数時間。食後は、高揚感ある余韻が心地よかった✴︎

レストランHøst夜の外観

夏以外のメニューも気になる!それに地下以外のフロアでも食べてみたいので、またいつか訪れたいレストランです。

Høst 公式サイト英語ページ
所在地:Nørre Farimagsgade 41, 1364 København

※この記事は2023年9月6日滞在当時の情報です。

次回の記事は、旅の目的② 長年の憧れ「世界一美しい美術館」と称されるルイジアナ美術館へ向かいます!

それでは、また!

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