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それさえうまくいけば、人生はパーフェクトになると思う?

母乳育児がうまくいけば、人生全てがうまくいくと思っていた。

お金さえあれば。彼女さえいれば。結婚さえすれば。子供さえいれば。あなたにはないですか。「〇〇さえあれば」「〇〇さえうまくいけば」というものが。

私の人生最大の「〇〇さえ」は、母乳育児だった。何しろ私は、出産直後の最初の子育て。授乳でつまづいたのです。

出産前の私は、母乳育児が【当たり前】だと思っていた。
母乳をあげましょう。授乳で母子の絆が深まります。母体が回復します。子供が丈夫になります。頭の中には、嘘かほんとうか分からない母乳育児の知識がみっちり詰まっていた。

ミルク育児を否定する気は毛頭なかったが、他人事だった。
他人事だから興味もなかった。

なぜなら、母乳育児に希望を抱いていたから。
母乳育児をすれば人生全てがパーフェクトになると信じていたのだ。

自己否定の塊だった私は、母乳育児によって「他者(子供)に必要とされ」「他者(子供)から愛される」ことを求めていた。心の穴は母乳育児で埋められると信じていた。母乳のポジティブな面に宗教的にのめりこんでいた。

そう。
私に母乳育児が必要だったのだ。

ところが現実はどうだろう。

息子は、授乳時間に全く起きない子だった。声をかける。くすぐる。裸にする。あらゆる手を尽くしても寝続ける。周りが次々授乳を済ませる中、私一人が授乳室に取り残されていた。飲まないから上達しない。完全なる悪循環にはまっていた。

私は焦った。
埋まると思ってた穴が埋まらない。

それでもまだ、母乳育児さえうまくいけば全てがうまくいくと信じていた。

うまくいく方法を調べまくり、手を変え品を変え取組んだ。ストレスを抱えヒステリックになった。それでも止めることができなかった。

それは、離乳食が始まり断乳になるまで続いた。
強制終了だった。

さぁ、これで終わると思いますか?

「〇〇さえうまくいけば」
その思考がある限り、〇〇の中身を変えながら、この苦しみは延々と続いていく。

この場合なら、トイレトレーニングがうまくいけば。癇癪が無くなれば。字が書ければ。勉強ができれば。

恋愛ならこうなります。
彼氏がいれば。結婚すれば。子供がいれば。家が買えれば・・・。

他人やモノに気持ちが向いている限り、〇〇を手に入れても、人生全てパーフェクトにはならない。子供で自分の穴を埋めようとする限り、穴は一向に埋まらない。

自分の穴は、自分自身でしか埋められない。
「〇〇さえ」の裏側には、自分がほんとうに欲しいものやほんとうに感じたい感情が隠れてる。
自分で自分を見てあげて、初めてこのループから抜け出せる。

抜け出したところが、今のパーフェクトな人生かもしれない。





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