エリクサー症候群と0で○ぬということ
こんにちは、如月伊澄です。
SNSだと、伏せ字にしたような言葉って弾かれる印象ありますけど、noteだとどうなんですか?
【エリクサー症候群と0で○ぬということ】
【エリクサー症候群とは】
皆様は「エリクサー症候群」というミームを知っていますか?
先日、三毛田さんのところで上記に関するコメントを打ちながら、「これってネットミームでは?通じるか?」と思いながらコメントさせていただいたのですが(うまく捌いてくださって、ありがとうございます)、そのきっかけで、ふと考えたことがあるので記事にしてしまいました。
さて「エリクサー症候群」とは何か?
まず「エリクサー」とは、について確認していきましょう。
ウィキペディアの引用で申し訳ないですが、簡単に言えば「賢者の石」、不死不老の秘薬、といったところでしょうか。
このことから、ファイナルファンタジーでは「HP・MPが全回復するアイテム」として登場しています。
FFのHPは最大9999(場合によっては限界突破して10000を越える)のところ、ポーションでは100、ハイポーションでも500程度の回復量と考えると、そのすごさがわかるでしょう。(ちなみにMPは999まで、回復アイテムのエーテルで50~80くらい)
ただし、この「エリクサー」というアイテム、店売りしていません。
手に入れるにはどこかの宝箱から拾う必要があり、かつ限定品です。
つまり、1ゲームにつき、たった数本しか手に入らないアイテムなのです。
イメージしづらい方は、ポケットモンスターのマスターボールだと思ってください。
さて、それではエリクサー症候群とは何か?
この貴重すぎるアイテムを使えず、気がつけば、ラスボスも裏ボスも倒してしまい、もはや倒すべき相手もいない。
手元には未使用のエリクサーがあるが、これは一体いつ使えばいいのだろう。
これです。レアだからと大切にしすぎて、結局無駄にするやつです。
さて、前提はここまで。今日の本題はこっち。
【0で○ぬ】
不死不老では隠さなくていいのかしら?
先日、この本を読みまして。
内容としては「老後に向けて貯金し続けるのではなく、若く感性も喜びも大きい時に、経験にお金を使え。死ぬときは全財産0で逝け、残してもどうしようもないだろうに。老いたときに本当にあなたを救ってくれるのは、思い出だけだぞ」という話なのですが、まさにこれって「エリクサー症候群」では?
例え話をしましょう。
あるところに冒険者のAとBがいました。
Aさんは豪胆でチャレンジ精神が旺盛なタイプ。Bさんは堅実で慎重なタイプです。
あるとき、二人はダンジョンの奥地で「エリクサー」と呼ばれる秘薬を見つけました。この秘薬は一口飲めば、瞬く間に傷も疲労も治してしまう、というもの。例え致命傷を受けても、一口含めば完全回復です。
二人はとても喜び、それぞれに秘薬を分け合いました。
Aは秘薬があれば、と危険なクエストやダンジョンに果敢に飛び込み、経験を積んでいきました。もちろん、危険には怪我がつきもの。Aのエリクサーの総量は、どんどん減っていきました。
Bは「こんな貴重なものを使うなんて、もったいない。いつか本当に必要な時が来たら使おう」と大切にしまい込んでおきました。使うべき機会は何度かあったものの、それでもずっと取っておきました。
時は流れ、二人は冒険者を引退する時が来ました。
Aは語ります。「危険なこともあったけど、いい冒険者人生だった」
彼は前人未踏のダンジョンを踏破し、凶悪なドラゴンを討伐し、歴史に名を残していました。もちろん、エリクサーがなければとても不可能なことだったでしょう。何度も死にかけて、その度この秘薬に助けられてきたのです。
Bは語ります。「特に波風もなく、凪みたいな冒険者人生だったな」
彼は大きな冒険をせず、堅実に日々を生き続けました。ところで、この秘薬はどうしようか?もう、使う機会もないなぁ。なんとも、もったいない使い方をしてしまったな。
どちらがいい、ということはありません。
ただ、この本ではAの人生こそ「よく生きる」ということだ、と述べられています。
「エリクサー」を「お金」として捉えなおしてみましょう。
Aは若いうちにお金をたくさん使って、様々な経験をしてきました。
それは老後を生きるための大切な思い出となり、最期を明るく彩ってくれるはずです。
Bは老後に向けてお金を貯め続け、手元にはたくさんのお金が残っているはずです。ただ、老いてからBは何をするべきでしょう?若いときとは違うのです、遠くに行くことも、美味しいものを食べたときの感動も、何かを成し遂げた達成感も、あの頃に比べたら難しく、小さくなるでしょう。
何事も、使うべきときに使うことは大切なのですね。
【ところで】
とはいえ、本当にこれでこの記事は終わって良いのでしょうか?
いくら秘薬があるから、といえ、Aが無謀なことをして、途中で冒険が終わってしまう可能性は?
貴重なコレクションとして、Bがエリクサーを持っている人生に満足している、ということは?
結局、生き方というのは人それぞれ。
大切なのは「運」と「チャンスが来たときに、それを掴める意思」なのかもしれませんね。
【おわりに】
本当は「エリクサー=お金」として考えると、この本の内容がわかりやすいね!でも、イスミさんはエリクサー症候群患者だから、結局お金を使う勇気が出ないよ~!で終わるはずだったのですけど。
なぜ、よくある自己啓発みたいになった?