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深い眠りから目を覚ますと、君の匂いがした。 カーテンの隙間から朝日が差し込み、外…
※前編はこちらから 『雪月症』 私がこの病気を初めて知ったのは、彼女が入院を初めて3日後…
ふと、夜空を見上げると雪がちらついていた。 天気予報ではそんなことを言っていなかった…
※前編はこちら あくる日の金曜日、私は始業時間ギリギリに登校をした。 結局あの夜は…
「香奈先輩、さっきから溜息ばっかりついてどうしたんですか?」 芽衣が店内の床をモップで…
『―――春って、残酷ね』 私は誰もいない教室の窓の鍵を捻ると、その窓をピシャリと開…
僕は子供のころ、クリスマスイブの日が一番好きだった。 香ばしい匂いのするチキンに、ケーキの上で踊る砂糖菓子。 家族みんなでへったくそなクリスマスソングを歌いながら、聖なる夜を祝福した。 僕はよくサンタさんさんが来るのを待ちわびて、無理して夜更かししていたことをふいに思い出した。 あれから何年経ったのだろうか。 僕は今、このクリスマスイブの日に独り、イルミネーションに飾られた街路樹に立っている。 どこもかしこもお祭り気分で、街路樹の通り沿いのお店はどこもかし
「ねぇ、明人君」 「なに?」 「もしさ、私が私じゃなくなったらどうする?」 「なんだよそれ…
「―――美術室には幽霊がいる」 いつしか、私の通う高校にはそんな噂が立ち始めていた。 …