〈浅川町への旅2019〉江戸時代から続く慰霊の花火〜浅川の花火(福島県浅川町)
一揆の犠牲者を弔うためにはじまったとされる「浅川の花火」
毎年8月16日におこなわれるお盆の伝統行事として、地域の人びとに親しまれてきた「浅川の花火」。江戸時代中期からはじまったといわれる福島県内最古の伝統を持つ花火といわれています。
詳しくは町の公式サイトをどうぞ♪
ちなみに、「浅川の花火」であり、「浅川の花火大会」ではないと町の関係者の方がおっしゃっていました。
その理由は「供養のための花火」だから。
「浅川の花火」の起源は、浅川城落城の戦死者弔い説、仙台伊達藩に対する軍事デモ説、江戸後期の寛政10年(1798)に起こった農民一揆「浅川騒動」の犠牲者の供養説などさまざまですが、文献の調査などにより、現在は「浅川騒動」の犠牲者の慰霊説が有力視されているそうです。
現在も一揆の首謀者が処刑された弘法山公園で慰霊祭が執り行われ、一揆の犠牲者のほか、戊辰戦争、日清・日露戦争、太平洋戦争の戦没者を供養するため、花火が打ち上げられます。
花火を主催するのは、町の市街地の2つの町内会、荒町・本町の「両町青年会」。青年会の会員すべてが、花火の打ち上げの免許を持ち、「早打ち」などの打ち上げをおこなうのも、浅川ならでは。
以前から見てみたかったのですが、お盆時期はなにかと忙しく、なかなか見に行けませんでした。予算度外視で旅をしまくっていた2019年、念願かなって、見に行くことができました。
伝統の「からくり花火」はもちろん、ご家族やご親戚が故人をしのび、花火を打ち上げる(花火のスポンサーとして)のが印象的でした。
なかでも感動的だったのが、2012年から東日本大震災の犠牲者を追悼する「慰霊花火」です。2019年の慰霊花火は、「吉祥の白蓮」〜散華の祈り〜
荘厳な音楽に乗せて次々と打ち上げられる花火。最後の尺玉の光が柳のように枝垂れて、キラキラと輝く様がまさしく散華のような、涙のような美しさでした。
音楽の力もあると思いますが、いつの間にか落涙…💧 そして、心が浄化されるような清らかさを感じました。
動画を撮ったはずなのですが、残念ながら見つからず…。YouTubeで動画をお借りしました。ぜひぜひご覧になってください。
伝統の「大からくり」と「浅川の滝」
ここからは、いつも通り(?)サクッとレポートいたします。
花火の打ち上げがおこなわれるのは、町の中心部にある町民グランド。町民のみなさん、グランドに折り畳み椅子を広げて、ゆったり鑑賞。わたしも椅子を持っていき、三脚にカメラ(ミラーレス)をセットし、日没を待ちました。
日没が近づいてきました。
最初に点火されるのは、「大からくり」からの「浅川の滝」
詳しくは町の公式サイトをどうぞ♪
点火…!
飛び散る光…!
「大からくり」からの……「浅川の滝」へ!
故人をしのんで、家族や親戚の方が依頼した花火が次々に打ち上げられます。
花火の撮影って、タイミングが難しい。煙で花火が見えないこともあったり…。奇跡的に美しく撮影できた1枚。
下の写真は、たぶん蓮をモチーフにした花火。慰霊花火の「吉祥の白蓮」の1シーンだと思われます。
小菊のような花火が次々に開きます。大型の線香花火のよう。「パチパチ」という音も慰霊の音に聞こえます。
尺玉が打ち上がるときん「ひゅー」という音、空を目指す鳥や滝を上る鯉にように、くねりながら夜空に上がっていく様に期待感が高まります。
「パッ」と花開いて、柳のようにゆっくりと枝垂れていく光も好き。
次々に打ち上がるスターマイン。美しさのなかに、物悲しさを感じてしまうのは、音楽のせいかも?
「吉祥の白蓮」の最後を飾る尺玉と思われます。フレームアウトのサイズ。
クライマックスは城山公園山頂を彩る「大地雷火」
まるで山が噴火したかのような光景
ものすごい光に包まれます。
揺らめく光
花火の打ち上げが終わったあとも、しばらく「ボーッ」としてしまいました。慰霊花火を“体感”して、祈りを捧げたいです。
ここからはいつもの露店レポート♪
お祭りのページを集めたマガジンです。こちらも読んで(見てかも?)いただけるとうれしいです♪
次回は奥会津金山町の花火大会(2019年撮影)をご紹介します♪
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