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うさぎ先生とユキちゃんの成長マーケティング大作戦――3つの影響力で未来を切り拓く

こんにちは!
今回はインフルエンサーという言葉が耳馴染みあるかと思いますが、元となっている様な戦略のお話しです。インフルエンサーがなぜ重宝されるのか? そんな部分もこのストーリーを通じて感じて頂ければと思いますのでよろしくお願いします。

●テーマ
インフルエンス戦略 (Influence Strategies)「信頼性」「専門性」「好感度」を高めることで影響力を強化する方法とその活用例を紹介します。

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出会いと課題の発生

1. モフモフ教授の教え:影響力の基本とは?

 金曜日の夜。少しだけ冷たい風が吹き始めた初秋のマンションの一室で、ユキちゃん――社会人2年目の彼女は、うさぎ先生と向かい合っていた。
 部屋は1LDKのこじんまりとした造り。玄関を入るとすぐ目の前にキッチンがあり、その奥にカーテンで仕切った寝室スペースがある。間接照明がほんのりと暖かい色を落とすその空間には、古めかしい木の本棚と、レトロなカメラがいくつか置かれていた。照明と本棚の組み合わせがどこかノスタルジックな雰囲気を醸し出している。

 ダイニングテーブルの上には、二人――正確には、一人と一匹――が囲む夕飯の支度が進むことなく放置されていた。湯気の消えかけたお味噌汁と、スーパーで買ってきた野菜炒めのパック。そして、うさぎ先生がお気に入りの「羊羹」がぽつんと置かれている。どうやらユキちゃんは職場でのトラブルを抱えているらしく、食事そっちのけで話し込んでいるようだ。

「どうしたんだい、ユキくん。少し顔色が悪いよ」
 ふわふわの真っ白な毛並みを持つ小さなうさぎが、テーブルの端にちょこんと腰を下ろしながら言った。声は穏やかで、しかしどこか重みがある。その姿こそが、元大学教授の“うさぎ先生”である。
 彼はもともとマーケティングと心理学、そしてAIの研究をしていたが、ある“闇の組織”によってウサギの姿に変えられてしまったという。今は、ユキちゃんのマンションで一緒に暮らしつつ、優しい口調で彼女の相談に乗っている。

「いや、実はさ、職場の販促プロジェクトが全然成果でなくて……。上司からは『具体性がない』とか、『形だけのアイデアだ』とか言われちゃって。私、何をどうすればいいのか分かんなくて困ってるんだ」
 ユキちゃんは眉間にしわを寄せて深いため息をつく。社会人2年目とはいえ、まだまだ慣れない仕事は多い。中小企業での販促に関わることになったのはいいものの、企画が通らず、上司にも同僚にも叱られてばかり。

「なるほど……。それはユキくんも大変だね。仕事の販促プロジェクトとは、具体的にどんなものなんだい?」
「私の会社って、今までずっと下請けみたいな感じでやってきたんだけどさ。もうちょっとブランドイメージを出すために、“SNSを使ってファンを増やす”っていう方針を打ち出したの。それで具体的な販促企画を考えて提案しろって上司に言われてるの。だけどどうも、うまくピンとこないみたいで……」

「ふむふむ、SNSか。たしかに今どきSNSはマーケティングにおいて欠かせないツールになりつつあるよ。しかし、ただ闇雲に投稿したり、流行りに乗ったりしてもうまくいかないものだよ。なにより、影響力を得られないとフォロワーも増えないし、成果に繋げるのは難しいだろうね」
 うさぎ先生は小さな前足――正確には前肢だが――で顎のあたりをぽりぽりとかく。顔つきは真剣そのものだ。

「先生、影響力ってなんですか? なんかふわっとしてて、今ひとつイメージが湧かないんですよね」
「影響力っていうのは、人の行動や心に変化を与える力のことだよ。マーケティングにおいても、人々を引きつけ、動かし、購買行動に結びつけるには必要不可欠な要素だね」
「ふーん……。でも、私みたいな平凡なOLにそんな大げさな力があるかな……?」
 ユキちゃんは自分の肩をすくめる。

「大げさなものじゃないんだよ。大切なのは、信頼性・専門性・好感度の3つの要素を、どう組み合わせて伝えていくかということだ。まずは信頼性を獲得できなければ、何を言っても『信用ならない』で終わってしまう。次に専門性がないと、意見に重みが感じられない。最後の好感度が低いと、聞く耳を持ってもらえない。それぞれが欠けると、結果は出せないのさ」

 その言葉にユキちゃんは思わず前のめりになった。
「へえ、なんだか奥が深い話ですね。先生、やけに詳しいみたいだけど……そもそも、どうしてそんなに……?」
「ふふふ、僕は大学の教授だったころに、いろいろな企業とコンサル契約をしていたんだよ。心理学やマーケティングの研究もしていてね。過去に10000社以上の企業をサポートして成果を上げた経験があるんだ。AIの活用法も研究してきたし……まぁ、今はこんなモフモフの姿だけどね」

 そう言って、うさぎ先生は寂しそうに笑う。ふと、その柔らかな被毛を愛でたくなる衝動に駆られたユキちゃんは、そっと指先で先生の頭をなでた。
「先生って、やっぱりすごい人(うさぎ?)なんですね。……わかりました。私、もうちょっと頑張ってみる」
「いい心がけだよ。まずは『信頼性』を高めることが大事だよ、ユキくん。データと一貫性。それを意識するだけで、周りからの見方は変わるはずなんだ」

 こうしてユキちゃんは、うさぎ先生から「影響力の3要素」を学びはじめる。まだ半信半疑ではあったが、このモフモフした教授との不思議な同居生活を通じて、彼女の仕事にも少しずつ変化が訪れようとしていた。


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