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新しい自分に生まれ変わる~アドラー心理学に学ぶ、自分の固定観念を変える方法 その2  

2025年がスタートしました。
今年の干支は「巳(年)」。
ヘビは、脱皮して成長します。ヘビにちなんで「古い皮を脱いで(古い殻を破って)、新しい自分に生まれ変わる」「新しい自分に成長する」1年になるといいですね。

「生まれ変わる」「成長」というのは、別の言い方をすれば、「古い自分が死んで、新しい自分に生まれ変わる」事ともいえ、なかなか大変です。

 これまでの人生でつくりあげてきた性格(=アドラー心理学では「ライフスタイル」というそうです)は、ちょっとのことでは変えられないくらい「固定化」されています。また、人は変化を嫌い、安心のために、たとえ「不幸」と思えるような状態でも現状維持を望む傾向もあります。そのため、「死ぬほど」のところを潜り抜けないと劇的な変化が望めないところがあります。

 なので、性格として固定化された信念(固定観念)は、自分にとって「当たり前」「自分が信じている世界観の前提」になっているので、自分で気づいていないので、かえようと思えない特徴があります。

 しかし、だからこそ、この固定観念が変われば、自分の持っている世界観も変わり、世界の見え方も変わるため、人生がガラリと変わります(変わったと感じます)。
 
 
と、だいぶ前置きが長くなりました(笑)。

 そんな、自分のライフスタイルを劇的ではなく、少しずつ変えていく(自分を新しくする)方法を紹介します。よかったら、お付き合いください。
 

<自分が「世界」に抱いているイメージ(信念)を変える方法>

「性格」の根っこにある価値観には次の3つがあると言われています。

 一つ目が「私は〇〇である」という自己概念。
 二つ目が「世の中の人々は〇〇である」という世界像。
 三つ目が「私は~であらねばならない」という自己理想。

 今回は、二つ目の「世界像(世界観)」に対する自分のイメージを変えていきます。
 やり方は次の通りです。
 
1 自分が世界(世の中)に対して思っている(世界は~だ、世界の人々は~である)というイメージを書き出す。

2 「1」で書いたイメージについて、「世界は~」と書いたけど、意外とそうでもないかもしれない。だって、「     」だったから・・・
というように、その反対となるような証拠を集める(思い出して、書き出してみる)

3 これからの生活の中で、「2」と同様な経験をしたら、記録して、「やっぱり、自分は~ではないかもしれない」と確認していく。
 

 例えば、こんな感じです。

1 世界は、犯罪ばかり起こってあぶないところだ
  世界には悪い人ばかりいる
  世界では、要領がいい人ばかり出世している
  
2 「世界(世の中)は、犯罪ばかり起こって危ないところだ」は、本当にそうか?だって・・・
・日本では「殺人事件被害者数」や「少年犯罪検挙人員」の統計資料を見ると、年々、その数が減ってきているみたい。
・「ファクトフルネス」という本には、識字率、絶滅危惧種の保全などの増え続けている良いことや、「飢餓の人数」「オゾン層の破壊」などの減り続けている悪い事がたくさんある。世の中、いい方向に行っていることも多いな。
・考えてみたら、私自身は、今年1年、犯罪に巻き込まれたり、巻き込まれそうになったりしたことは全くなかったな。
 ・・・
 
 「世界では要領のいい人ばかり出世している」は、本当にそうか?だって・・・

・松下幸之助さんや斎藤一人さんら創業者や社長になった人の中には、高額歴ではなかった人もたくさんいるよ。
・事業に大成功している人の多くは、過去に同じくらいたくさんの失敗をしてきているよ。失敗から学んだからこそ、今の成功があるんじゃない?
 ・・・・
 
 こんな感じで、自分が世界(世の中)や世界(世間)の人に抱いていたイメージと反対の証拠(事例)を列挙していきます。
 どんどんとたまっていくと(証拠が集まっていくと)、「本当に世の中は~なのか?」と「信念」がだんだん揺らいできます。
 
3 {2}と同様ですが、これは、これからの人生で実際に経験した時にすぐに意識を向けて記録します。
 そうすると、自分が思いこんでいた性格、固定観念と反対な気持ちが出てきます。
 例えば・・・。
 
 あれ、カードを落とした時、さッと拾って渡してくれた人がいた。世の中、悪い人ばかりいると思っていたけど、親切な人も同じくらいたくさんいるんだな。

 あれ、犯罪が多くなっていると思ったけど、自分の職場でも親戚でも、何か犯罪に巻き込まれたとか、何か事件があったという人はいなかったな。なんだかんだいって、無事に1年過ごせていたな・・・ということは、世の中、悪い事ばかり起きていないし、特に身の回りで起こっているわけでもないみたいだな・・・。
 
 こんな感じで、自分が気付かないうちに固定化していた観念、思い込みが崩れてきて、新しい価値観に書き換えらえるようになっていきます。そして、書き変わるということは、世界の見え方が変わります。なぜなら、同じ出来事を体験しても、受け取るそれぞれの人の性格(ライフスタイル・固定観念)によって、解釈、受け取り方が変わるからです。
 
 アドラー自身は、「性格は死ぬ1~2日前まで変えられる」と言っています。
 ただ、変えることは自我にとっては、「こわい」ことなので、「勇気」が必要になります。
 なので、課題や困難と向き合う方法を示すアドラー心理学は「勇気づの心理学」とまで言われています。なぜなら、「困難を克服する活力を与える」(今回でいえば、性格を変えるという課題を乗り越える)からです。
 
 例えば、集まりの時に「一言もしゃべらない、引っ込み思案な人」がいますが、アドラー的には、その人のライフスタイル(固定観念)に
 
・世の中の人は、自分を拒絶するに違いない
・自分は世間に人から好かれるはずがない
 
という内容があって、それを信じているから「しゃべらない(しゃべれない)」状態になっていると考えます。
 なので、雑談や会話のテクニックなどを学ぶ前に、まず、このライフスタイル(固定観念)を
 
・世の中の人は自分を受け入れてくれる
・自分は人から好かれている
 
に変えていく必要があります。
 それができた時、自然と話ができるし、ひょっとしたら「会話の中心」となるような自分に生まれ変わっているかもしれません。
 
 
 
 私自身がそうでしたが、もし、「自分は不幸だ」「人生が困難だ」「世の中は冷たい」と思って苦しんでいたら、それは、ただ自分の性格(固定観念)によって、そう見えているだけかもしれません。 

健全な人は相手を変えようとせず、自分が変わる。
不健全な人は相手を操作し変えようとする。

 
と言われます。
 自分の回りの人、世界に「やつあたり」する前に、「自分自身を変える」と楽になり、安心やしあわせにつながっていくようです(経験者)。
 
  
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心に残る一言・学びがあれば幸いです