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ニュースに接する中で⑥ 「世界のニュース」こそほんの一部。世界は進んでいて、遅れているから~するの流れに注意。

 ニュース番組を見ると、多くは日本の出来事が報道されます。
 では、海外のニュースはどうでしょうか?

 もちろん、BSなど、海外の番組を直接放送されている時もありますが、日本の番組に限っていえば、アメリ大統領選やオリンピック、パラリピック、ウクライナの情勢等々、特に、日本にも大きな影響が予想される内容に絞って放送されています。

 また、放送されていると言っても、また、ギュッと凝縮してもいます。

 なので、オリンピックの結果にしても、日本選手の結果が中心ですし、種目によっては、ほとんど放送されなかった競技もあったります。
 それは、番組には制限時間があるので、「全て」を報道することはできないから仕方がないところではあります。また、「視聴率」を考えて、できるだけ、視聴者の興味、関心につながる内容を選ぶからです。
 
 そんな日々が続き、海外旅行など、現地に行く機会がないと、世界の国々に対して自分の勝手な「イメージ」だけが大きくなり、世界の実情、実態を「知らないまま」になってしまいます。

メディアに流れる内容と現地の実態との差が大きくて戸惑うことの筆頭に「観光名所」が挙げられます。

 テレビやガイドブックで、海外の素敵な観光地が紹介されますが、たいていは、その国の政府の観光局(観光庁)的な役所が資金を出して、日本のメディアに取材に来てもらい、「宣伝チラシ」を作ってもらうことになります。当然ですが、宣伝、チラシですので、現地の「影」の部分は見せません。いい所のみです。
 
 また、広々とした風景、自然豊かな景色が映っていますが、実際は、観光客でごった返しています。日本の有名観光スポットと同じです。
 
 取材時は、早朝の4時、5時など、人がいない時に撮影や取材をするので、開放感にあふれた写真になっていたりします。

 実際は、泥酔した観光客やら、ゴミが散らかっていたりとか、イメージが壊れてしまう部分もあるようです。

 また、場所によっては、排気ガスやほこりがひどかったり、カーペットなどの色がくすんでいたり。中には消毒液のような臭いが充満しているところもあるそうです。。
 
 そういえば、300年前の江戸の町は、かなりの循環型社会でした。
 生活に使うものやエネルギーのほとんどを植物資源にたよっていました。
 そして、最後の最後まで使い切りました。
 例えば、人の糞尿を肥料として活用していました。人の消化能力はそれほど高くないので、糞の半分は未消化の食べ物の残りかすが入っています。栄養素が入っています。それを集めてさらに発酵させるとかなり良質な窒素肥料になり、江戸の人たちは「肥溜め」をつくって利用していました。最近は見られなくなってきましたが、つい70,80年前の農村にも「肥溜め」がありました。
 発酵させて肥料にしたものを畑にまいて、作物を育てる。その作物を食べ、排せつしたものをまた肥料にして使用する・・・。ある意味、究極のエコサイクルです。
 そして、江戸の大都市でも、この糞尿のリサイクルのお陰でかなり衛生的な都市になっていました。同時代のヨーロッパは逆で、今でいう「おまる」のようなものに排せつ物をためて、いっぱいになったら家の前の道端に捨てていました!人間は排せつしないわけにはいかないので、道に排せつ物がたまる一方で、感染症が広がる温床になりました。また、道の端を歩いたり、かかとを高くした靴を使用したりしないと、服の裾が糞尿で汚れることになった。それをさけるために「ハイヒール」も発明されました。当時は男性もはいていたそうです。
 
 話がそれましたが、衛生観念や掃除については、かなり日本と海外では考え方が違います。そういう部分は、メディアの情報としてはなかなか表れてきません。よって、トイレ事情や清潔度合いについては現地に行って、びっくりすることがほとんどです。
 
 ニュース番組の特集の中で、海外の最先端内容が紹介されるときがあります。
 例えば、「タブレットを使った最先端教育を行う学校」等と言ったようにです。

 放送される映像に、タブレットを使いこなし、授業は全て英語で進められ、子供達が日本では見たこともないような機器をつかって何やら制作していたりする様子が流れると、日本は「遅れている~」等と思ってしまいます。
 そして、同じように「タブレット」を導入したり、英語の授業をどんどんと前倒しで行ったりしないとおいて行かれるんではないか・・・と不安や焦りを覚えたりすることもあります。

 特に子を持つ親であれば、なおさらです。
 しかし、実際はどうなのでしょうか?
 
 例えば、放送されるような「エリート校」もあるにはあるのですが、多くは、そういう授業がなされていない学校ばかり。むしろ、逆に同じくらいある底辺校にいたっては警察官が常駐しないと授業が成り立たない場所もあります。そういう2極化がひどいともいえます。
 
 「海外が進んでいて、日本は追いつけ追い越せ」的な内容が放送されることもちらほらあります。
 しかし、情報源が少ない海外のニュースは、なおさら、現地に行ったり、現地の人に聞いたり、影の部分に何があるかを想像したりしないと、「鵜呑み」にして後からがっかり、とか、まねして、とんでもないことになっていたなんてことが起きます。

 何より、文化差や事情が異なるので、海外でうまくいったことが日本でもうまくいくとは限りません。注意が必要ですね。
 
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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