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掃除の会に参加して学んだこと30 ~ 制約があるからこそ、主体性が生まれる。主体性が「自信」「自己確立]に結びつくことを実感。

「この汚れはどうやって落とせばいいだろうか?」

「フローリングの床だから、硬いもので磨くと塗装が剥げてしまうな」

「いつもより、臭いが激しいトイレだな。きっと、壁のタイル(ほこり)ににおいが染み込んでいるのだろうから、まずは、壁を水拭きしよう・・」

 ・・・・・

 
 街頭清掃やトイレ掃除に参加すると、いろいろと課題が出てきます。
 いつもと違う場所の掃除ならなおさらです。
 
 そこでは、いつも通りの掃除をしていても、なかなかきれいにはなりせんし、扱い方を間違えるとかえって、便器やトイレの設備を傷つけることになってしまします。

 仲間と一緒に掃除をしているので、相談しながら、どうするのが一番きれいになるか、うまくできるかを考えて掃除していきます。

 ボランティアとしての掃除なので、そのままにしておいても、とがめられることはありません。

 しかし、「見て見ぬふり」をして、そのままにしておくのは悔しいです(笑)。

 あるいは、すべてうまくいかないにしても、何とかしようと考えることはします。

こういう状況を、よく掃除の会の人は「問題に近づく」という言い方をします。

 たしかに、面倒くさいし、うまくいかないことは多くありますが、それでも、

目の前の問題をとらえて、何とかしようとするその姿勢が、ある意味、後々の仕事、生活に生かされます。

 また、

「何とかしよう」という気持ちから実際に動くことは、主体性につながります。
 人任せにするのではなく、自分で考えて対応しようとするからです。

 「掃除の会」について知った人の中には、

「掃除なんだから、CMのような強力な洗剤を使えばいい」
「お掃除ロボットに任せたら」

という意見を言う方もいます。たしかに、綺麗にするという目的が一番であれば、そんな選択もありだと思います。
 
 しかし、「掃除に学ぶ」、掃除「に」と考えると、強力な洗剤やロボットに頼りすぎると学びは半減します。
 
 やはり、自分があれこれ考え、試行錯誤する中で対応力も磨かれますし、アイデアも出てきます。
 そして、

そうやってうまくいくと(いかなくても、試行錯誤してやったことが)「自信」につながります。
 その自信が深まって、「自分」と言うものができてきます。


 最近、「不便益」と言う言葉を知りました。

 「不便さがもたらす益~不便益」とは、人工知能研究者の片井修教授が言い始めた言葉。その後を引き継いで、川上浩司さん(京都先端科学大学教授)が研究しています。
 おもしろいのは、「不便益」は、一見すると仏教用語のような造語ですが、究極の便利さを追求する人工知能や工学分野(の先生)から出てきた、「理系」の言葉ということです。
 別の言い方をすると「前向きな不便さを追究する」という感じでしょうか。
 
 不便益の考え方は、「掃除に学ぶ会」
にも通じるところがあります。
 
 掃除には、時間や掃除道具に制約があります。
 
 その限られた条件の中で、道具や掃除の仕方を工夫したり、見方や視点を変えて汚れを発見したりして、綺麗にしたりしていきます。
 そして、掃除し終わると、新しい発見や反省があって、「次は~しよう」「~したらどうか」と考えが浮かんできます。

便利なものは、「相手」にお任せ状態になりやすく、自分が考えなくてもよくなるので、主体性が否定されやすくなります。

 逆を言えば、頭を使い、手間をかけられるからこそ主体性も生まれてきます。そして、それを続ける中で「自信」も生まれてきます。

自分で考えて動くからこそ『自己確立』につながります。

 禅宗で掃除が重視されたり、人知れずトイレ掃除をする有名人の多くに成功者が多かったりするのも、ひょっとしたら。この主体性と関係があるのかもしれません。
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。