掃除活動自体が、ウェルビーイング(持続的な幸せ、何となくいい感じ)を大きくしていく~次の時代のキーワード!?
月1,2回、公共施設や公園、学校のトイレ掃除を行っています。
時に神社の掃除を行う時もあります。
初めは、激しい汚れと向き合い、便器や床などをピカピカにしたことによる清々しさや達成感が忘れられなくて、誘われるままに継続して参加していました。
掃除の合計が100回を超えた今も、参加の理由の大半を占めています。
加えて「掃除からの学び」「掃除仲間とのご縁」から、人生の流れが大きく変わったという実感も掃除参加の理由として重要な位置を占めています。
掃除仲間には、経営者や学校の先生をはじめ、様々な職業の方が来られます。
退職された方もいれば、そのお子さん、学生さんが来ることもあります。
年齢層も幅広く、老若男女、本当に、普段の生活、仕事では、なかなか出会わない、関われない方々との関係ができて、その「楽しさ」を感じて、掃除に参加しているところもあります。
さて、そんな掃除仲間に、小学校の先生をしている方がいます。
掃除終わりの「お茶会」や「食事」などで、あれこれとお話をしますが、最近、「ウェルビーイング」についてききました。
その方によると、次の学習指導要領(文部科学省が定めている、教育課程・カリキュラムの基準を示したもの)の改訂のキーワードの一つになるのではないか・・・と言われていました。
学習指導要領は、10年ぐらいごとに改訂されます。
未来(次の10年、20年)を見据えて、必要になる力、スキルなどが考慮され、何をどれぐらい、どうやって教えるか(教育するか)などを示しています。
つまり、ここで出てくる言葉は、未来の社会を先取りした内容が示されるともいえます(もちろん、その先取りした内容通りになるかどうかは別問題ですが)。
ちなみに、現行の学習指導要領のキーワードは、アクティブラーニングや主体的な学びなんだそうです。
では、次の時代のキーワードになりそうな「ウェルビーング」とは、どのようなものでしょうか?
この言葉自体は、WHO(世界保健機関)憲章の前文に出てきます。
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態であること」とされています。
宝くじに当たった!行きたかった〇〇へ、旅行した!出世した!というのは瞬間的な幸せになります。言葉にすれば「ハッピー」。
ウェルビーイングは、どちらかというと「持続する幸せ」と言えるかもしれません。
ハッピーと言う瞬間的、短時間に得られるものとはちがい、「体も心も元気で、社会との関係も良い状態、それが続いている状態」と言い換えられます。
「幸せになりたい」という時、今までは漠然としたイメージしかありませんでした。そして、CMやSNSなど、外から入ってくる情報から、何となく流行っているものを手に入れたり、その場の刹那的な楽しさを求めていたりしました。その時は強烈な喜びも感じましたが、すぐに、「何か足りない」「もっと他にはないか」「次の幸せを・・」という感じで、「もっと、もっと」と際限がありませんでした。
いつしか「不足感」「心の空虚さ」だけが大きくなっていく感じでした。
そう「ハッピー」なことばかりで人生を埋め尽くすのは難しいです。
そのかわり、強烈な喜びはないかもしれませんが、
「なんとなくいい」
「気持ちが軽い」
「満たされている、感謝の気持ちがあふれてくる」
状態なら自分の見方や考え方をかえたり、生活の工夫改善をしたりすれば、お金や周りの人間関係に左右されずに、感じることもできます。
さらに「ウェルビーイング」は、私だけでなく、私を取り巻く「場」が持続的によい状態であることを指します。
なので、ウェルビーイングの最初の段階は、「今が楽しい!」という「私の幸せ」が出発点だとは思います。
しかし、それだけではなくて、
だんだんと「私の未来」「自分の身の回りの人、地域の幸せを願う」さらに「この街、学校、世界をより良い状態にしていく」という視野の広さが必要になります。
こうしてみてみると、「掃除活動」自体が、ウェルビーイングな状態を連れてきてくれる活動だと気付きます。
掃除自体、自分自身の気持ちを晴れやかにしてくれます。
清々しさや達成感もあります。
また、掃除は、体を動かして行うので、一種の運動でもあります。
健康(体)にもいいです。
さらに、一緒に行う仲間とのつながりを感じられます。
何より、掃除をすることで、その「場」をきれいにすることになり、「この街、学校、世界をよくしていきたい」という利他性、公共性を意識した活動ができます。
これらのことが、総合的に合わさって、ウェルビーイング的な幸せを感じることができます。
この「幸せな気持ち」は、掃除活動で私自身が実感してきたので、確信をもって言えます。
これまで、国の豊かさを示すものとして、生産量から経済的な豊かさを測る指標(GDP)が参考にされてきましたが、時代に合わなくなっても来ています。
それは、GDPだけでは、人々の生活の豊かさや身体、心の幸福度までは測ることが難しいからです。特に日本では、たとえGDPが高くても、「幸せを感じられない」というギャップが大きくなっています。
そんな時代的な事情が、ウェルビーングが求められる背景にありそうですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです