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「思考」から飛び出せば、不安や心配事から解放される。  

 アメリカで行われた心理学の研究によると、

人は1日に約6万回も思考をしているそうです。これは起きている時間、1秒に1回は思考しているという計算になります。そして、その思考の約80%が「ネガティブな内容」です。

 もちろん、ネガティブ思考は、ある意味、最悪を想定し、そうならないように(なった時に)どうするかをあらかじめ考え、行動する、対策を取っておくという意味では、身を守るためのプラスの働きもあります。失敗や危険を遠ざけてくれる思考ともいえます。
 
 ただ、そればかりにとらわれると、常に不安で、心配で、時に怒り、悲しみ、憎み・・・と心の安らぎも失ってしまいます。また、自分が何か行動しようとする時の制限、ブレーキにもなってしまいます。
 
 でも、考えてみれば、これは、すべて自分(自分の思考)が作り出したものです。
 
 「心配事の9割は起こらない」という本もあるように、頭の中でイメージしたことは、そのほとんどが、自分がつくり出しただけであって、現実世界では、まず起こりません。別の言い方をすれば、妄想や思い込みであり、勘違いや取り越し苦労に過ぎないともいえます。

 実際、

ミシガン大学やペンシルバニア大学などの研究によると、心配事の8割は実際に起こらず、残りの約20%のうち、16%は事前に準備をしていれば対策可能なのだそうです。実際に起こることは、心配事の約5%ということになります。


 
 禅宗の開祖とされる達磨(ダルマ)さん。
 のちに弟子となる慧可(えか)さんとの、こんな問答があります。
 慧可さんはこう言います。
「私は心が安らかではありません(不安で仕方がありません)。どうか、私を安心させてください」
 達磨さんは
「では、その心を持ってきなさい。お前のために、安心させてあげよう」
 すると慧可さんは
「心を求めました(探しました)が、得られませんでした(見つかりませんでした)」
と言いました。
 
 不安とは、実体がなく、ただ、自分の思考が作り出しただけ。
 今、目の前でありもしないことで、不安に支配されて、頭の中だけで時間を浪費するぐらいなら、目の前の事に集中して、精一杯尽くしていけば、むしろ、その方が不安や心配事の解消に役立ちます。
 
 江戸時代の禅僧である良寛さんも

災難に遭う時節には、災難に遭うがよく候

という言葉を遺しました。
 天災や事故、予期せぬ病気など、いつ襲ってくるかからないものについてあれこれ心配しても、不安になってもどうしようもありません。受け入れていくしかありません。もちろん、あらかじめ、自分の努力で解決できそうであれば、できる範囲で備えておけばいい。 

未来の不安や心配、過去の後悔などに「思考」を使いすぎて、時間もエネルギーも浪費するより、まずは、今、目の前の事に力を尽くしていった方が、それこそ、後悔のない人生になっていきそうです。


 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです