読書紹介⑩「パレートの誤算」
犯人あても含めたミステリーでしたが、それ以上に、生活保護の闇や社会福祉の現状について知って、考えさせられる本でした。
健康保険証がどうやってできているのか、成り立っているのかや年金の仕組みなど、全く知らずに、ただ、家族に言われるがままとか、そういう年齢になったからと言うことで、ただなんとなく、お金をおさめたり、制度をつかったりしていました。
生活保護についても同じで、どんな制度か知らないのに、ただマスコミなどで騒がれたからなどの理由で、「冷たい視線」を送っていた気がしました。本当に必要としている人も多数いるのに・・・。
作中にも出てきた「パレートの法則」は次の通りです。
似た法則で有名なのが「働きありの法則」で内容は次の通りです。
本の中では、この法則を「悪く」解釈して、「優秀な?2割以外は不必要」「役に立たない」という拙速な考えから、社会的弱者の切り捨てを主張されている部分がありました。
法則を見つけたパレート自身は、2割以外が無価値だ、だめだとは言っていなくて、もし、そのような解釈がなされるのであれば、それこそ、タイトルの通り「誤算」といえる気がします。
そのような法則や理論で割り切れない部分があるのが人間だからです。
実際、「働きアリの法則」に関連して、一見、さぼっているように見えるアリの存在が、コロニーの存続に大きな役割を果たしているとも考えられています。働きアリばかりになると、疲れて働かなくなった時に、仕事が進まなくて非効率。コロニーが滅びてしまいます。働かないアリ(別の機会、時間に働く)のおかげで、全体として長続きしています。同様に、社会的弱者とは言われますが、「その人がいるおかげで!!」という面もあります。そこを忘れてはいけないなと考えさせられました。
他に、「社会や人間に関する言葉」で、次の内容が印象に残りました。
いろんな制限の中で、日夜、本当に相手の為になることを考えて実行している職業人が世の中にたくさんいることを想像して、勇気をもらえる本ででもありました。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。
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