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読書感想文21 (Nudge)
NUDGE 実践行動経済学完全版(2022)キャス・サンスティーンとリチャード・セイラー著,遠藤直美訳,日経BP
感想
人間はいろいろな偏見(バイアス)を持っています。そしてそれは自分で取り外すことは、かなり難しいというかほぼ無理。
そんなバイアスを利用して、生活を良くしていこうというのが本書の試みと思います。
バイアスというものは生きていれば、かならずその人の思考のパターンとして刻まれるのでしょう。
さてここで本書で紹介されている二つの人種についてお伝えしましょう。
<ホモ・エコノミクス> 呼称:エコン
経済人:自分の利益がつねに最大になるように判断し行動する人間
この人間は、アインシュタインのように考えることができ、Googleのクラウド環境に匹敵する記憶容量をもち、マハトマ・ガンディー並に強い意志を持つ者と経済学の教科書に定義してあるとのこと。
<ホモ・サピエンス> 呼称:ヒューマン
電卓を使わないと長い割り算に手こずり、配偶者の誕生日やAmazonやAppleのパスワードをしょっちゅうわすれ、ついうっかり気になったものをポチッと買ってしまい、二日酔いで新年を迎える人間。👌
これが我々です笑笑。
本書は、完全無欠ではないヒュ〜マン笑が偏見を突破し、賢い選択をするための指南書になっております。
トイレの中の蝿の絵や赤い点などが具体例と上がっており、そういった行動を誘導するように仕向けて、ホモエコミクスに近づこうといった本になっていました。
要約
『Nudge: 実践行動経済学』(著:リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン)は、人々が賢い選択をするのを助ける方法を提案する本です。この本の中心概念である「ナッジ(Nudge)」は、小さな工夫や仕組みで人の行動を自然に良い方向へ導く手法を指します。力づくや命令ではなく、選択の自由を尊重しながら、最適な決定をサポートすることを目的としています。
著者たちは、伝統的な経済学が前提とする「合理的な人間像」に対し、現実には人間が感情や思い込みに影響される「限定合理性」を持つ存在であると指摘します。こうした行動経済学の視点を踏まえ、ナッジを活用して課題解決を図る方法を解説しています。たとえば、健康的な食生活を促すために野菜を目立つ場所に配置する、貯蓄率を上げるために「デフォルト設定」を工夫するなど、様々な実例を紹介しています。
本書は政策やビジネスの意思決定に役立つだけでなく、個人の日常生活においても効果的な選択を導くヒントを提供します。重要なのは、ナッジが人々の選択肢を広げ、より良い選択を自然に後押しする方法であることです。
イヤァ、この本は、ものすごく分厚かったので、ハリポタと境界線上のホライズン以来の読破難易度でしたね。数ヶ月かけて読んでいたので、最初の方はもう記憶が朧げです。途中読み飛ばした場面多々ありです。ただこのナッジという概念は、今すでにAIとは、また違った方法で人の行動を制御するものなっています。悪用されないことを祈りますが、企業や利権者にはなかなか有意義な技術です。作者の規約や取説をわかりやすくして欲しいという望みにはものすごく同意します。
ここまでお読みいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。